持続可能な原材料調達の推進

基本的な考え方

森永製菓グループは「森永製菓グループ調達方針」に基づいて、お取引先様との公平・公正・透明な関係を築き、連携して社会・環境に配慮した調達活動を行うことによって、持続可能な社会の実現に貢献することを目指します。

森永製菓グループ調達方針

森永製菓グループは、食の安全・安心と持続可能な社会の実現のため、お取引先様との公平・公正な関係を構築し、社会・環境に配慮した調達活動に取り組みます。

1.コンプライアンス・社会規範等の順守
法令、社会規範等を順守し、森永製菓グループ行動憲章に則り、健全な調達活動を行います。
2.品質・安全性の確保
お客様の安全・安心を最優先とし、品質の確保に努めた調達活動を行います。
3. パートナーシップの強化
お取引先様と「顧客感動」「お客様重視」を共通目的として協働し、相互に発展できる関係性を築きます。
4. 公平・公正な取引
品質、価格、納期、技術力、および社会や環境面への取り組みを総合的に勘案し、公平・公正な取引に努めます。
5. 人権・労働環境・安全への配慮
「森永製菓グループ人権方針」を踏まえ、人権・労働環境・安全に配慮した調達活動を行います。
6. 地球環境への配慮
「森永製菓グループ環境方針」を踏まえ、地球環境に配慮し、持続可能な社会の実現に向けた調達活動を行います。

(2018年5月制定)

持続可能な原材料調達: 中長期目標

2030年目標

カカオ豆、パーム油、紙において100%※1

※1グループ連結。紙は製品の包材が対象

中期目標

国内の森永製菓製品において

カカオ豆 2025年度までに100%

パーム油 2023年度までに100%

紙 2022年度までに100%※2

※2紙は製品の包材が対象

中期目標の進捗
施策 2022年度実績 2023年3月単月実績
カカオ豆 34% 72%
パーム油 9% 45%
99.9% -

対象:国内の森永製菓製品。紙は製品の包材が対象

カカオ豆

チョコレートの原料であるカカオ豆はカカオ農家の劣悪な労働環境、貧困、児童労働や森林伐採による地球温暖化等、様々な社会課題を抱えています。森永製菓では2020年度より、チョコレート製品の一部において、これらの社会課題を解決し持続可能な調達に貢献するバリーカレボー社の「サステナブルカカオ原料」である「ココアホライズン認証カカオ※1※2」の使用を開始しました。

  • ※1ココアホライズン(COCOA HORIZONS)は、自然と子供たちを守る自立的なコミュニティを創造することによって、カカオ農家の繁栄を促進するというビジョンを持つNPOである「ココアホライズン財団」によって運営されている非営利のプログラムです。「ココアホライズン認証カカオ※2」を使用することにより、カカオ農家の繁栄、森林伐採およびCO2排出量の削減、児童労働の撲滅に貢献することができます。
  • ※2「ココアホライズン認証カカオ」はマスバランス方式(認証原料と非認証原料が混合される認証モデル)です。
    https://www.cocoahorizons.org/ja

担当取締役によるカカオ苗木栽培農家の視察なども実施し、カカオ農家の現状把握に努めています。

視察状況(2019年度)

カカオ農家・生産工場との協働(ベトナム)

お客様に高品質のチョコレートをお届けするために、原料となるカカオ豆の味や香りにこだわっています。時には森永製菓グループの研究員が生産地のパートナーと交流し、品質の良いカカオ豆を共同で開発します。例えばベトナムでは、最適なカカオ豆の品質管理や発酵条件を実現する取り組みを、生産農家を含むパートナーと一緒に行い、品質価値向上とともに農家の収入の安定につなげています。

生産農家とカカオの実の前で交流

品質確認をパートナーと一緒に

森永製菓が寄贈した乾燥台を活用

カカオ生産国の教育や児童労働の解決支援(1チョコ for 1スマイル)

「1チョコ for 1スマイル」は、森永製菓の対象チョコレート(「ダース」等)の売上でカカオ生産国の子どもたちの教育環境整備に貢献する活動です。年間を通して行う支援に加え、特別月間に森永チョコレートの対象商品の売上1個につき1円を寄付するもので、2008年に開始し、2023年に15周年を迎えました。
2022年度までの累計支援金額は約2.9億円にのぼり、NGOと連携し、カカオ生産国の教育や児童労働の解決支援に取り組んでいます。

支援による給食を楽しむガーナの子どもたち

世界カカオ財団に加盟

森永製菓は、カカオ栽培農家への技術指導や教育支援活動、また過酷な児童労働のない社会の実現に向けた各種プログラムを推進している世界カカオ財団(World Cocoa Foundation)の活動に賛同し、世界カカオ財団のメンバーとして活動をとおしてカカオ生産国の支援をしています。

カカオ栽培農家への技術指導

カカオ産業における児童労働の撤廃について賛同

森永製菓グループは国際協力機構(JICA)が事務局を務める「開発途上国におけるサステイナブル・カカオ・プラットフォーム」が推進しているカカオ産業の課題である児童労働の撤廃に賛同し、「児童労働の撤廃に向けたセクター別アクション」を支持しています。このプラットフォームは、持続可能なカカオ産業の実現を目標に、農家の貧困や森林破壊、児童労働などのカカオ産業の抱える課題の解決に向け、カカオ産業に関連する日本の企業とNGO等が協働する場です。「児童労働の撤廃に向けたセクター別アクション」を、ビジネスと人権に関する主要課題の一つである児童労働を把握、予防、軽減するための実務的なガイダンスとして活用することで、サプライチェーンにおける人権尊重の具体的な取組を推進します。
当社グループは「開発途上国におけるサステイナブル・カカオ・プラットフォーム」の一員として、課題解決に向けて取り組んでゆきます。

パーム油

パーム油は加工食品や洗剤等幅広い製品に使用されている一方、生産地における環境破壊や人権問題が社会課題となっています。森永製菓グループにおいても多数の商品でパーム油を使用しているため、持続可能な調達に貢献する認証パーム油(RSPO認証原料等)への切り替えを進め、2023年度には、国内の当社製品のすべてを対象に切り替えることを目指しています。

日本では紙の原料の約7割を輸入に頼り、違法材の混入も問題となっています。
森永製菓グループでは、違法伐採や生態系の破壊のない、環境や地域にも配慮した森林資源を有効利用し、地球温暖化防止に貢献するため、FSC®※1認証紙※2や再生紙など環境に配慮した調達を進め、国内の当社全製品を持続可能な紙に切り替えることに取り組んできました。2022年度は一部置換できない材料があったため、99.9%の実績となりました。引き続き取り組みを推進していきます。

  • ※1FSC®(Forest Stewardship Council®:森林管理協議会):森林の適切な利用と保全のために活動する国際的な非営利団体。
    https://jp.fsc.org/jp-jp
  • ※2FSC®認証紙とは、環境保全のために森林の管理・伐採が生態系に配慮して適切に管理されているかを評価・認証した原材料や、その他の管理された供給源からの原材料を使用した紙のことです。

その他、原材料について

今後新たにリスクがあるとされる原材料についても、対応を検討していきます。

持続可能なバリューチェーンの実現

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