人材育成

パーパス・2030ビジョンの実現に貢献する人材育成

「人材育成」については、2030経営計画において事業ポートフォリオの転換や収益力向上に向けた構造改革、経営基盤の強化等を計画しており、様々な業務の進化や変革を実行できる人材の育成が必要と考えています。そのような進化や変革を牽引するリーダーや、各戦略を実行する人材の育成に向けて、積極的に人的資本投資に取り組みます。

あるべき人材像と育成の仕組み

サクセッションプラン

各階層候補者の継続的な育成に向けて、中長期的な視点で取り組みを実施しています。
役員候補者については、外部のプロフェッショナルコーチによる個別コーチングを実施しています。1対1のコーチングを通して、リーダーとしての在り方等、自己理解を深める機会を提供し、リーダーシップをはじめとする当社グループの経営人材要件を備えた人材の継続的な育成に取り組みます。
部長候補者については、他社の同様の人材とともに学ぶ外部研修や問題解決のフレームワークを体得する当社グループ独自の研修を実施しています。
マネジャー候補については、30歳代の選抜社員に対して次世代リーダー研修を実施し、9か月にわたって次世代リーダーに求められる8つの要件開発に取り組んでいます。2019年に開始以降、4期まで実施しており、受講者から職位者も生まれています。

課題形成、課題解決、変革・創造、リスクテイク・成長性、主体性・パイオニアスピリット、説得・影響力、傾聴・対人配慮、指導・育成

専門性の高い人材の確保と育成

当社グループの持続的な成長を実現するためには、各業務領域において、高い専門性を有する人材が必要不可欠であるとの認識のもと、専門性の高い人材の確保と中長期的な育成に取り組みます。2022年度は重点分野としてDX人材、経理人材、グローバル人材を対象とし、人材要件を定義しました。育成・成長フェーズから、高度専門性フェーズまで数段階のレベルで定義しています。2030年まで3年毎に必要人数を設定し、人材育成・確保に向けて取り組みます。
2023年度から人材要件定義に基づいたエキスパート養成メニューの提供も開始しました。e-ラーニングを中心とした継続学習のほか、幅広い知見を得られるメニュー構成になっています。また、キャリア自律の考えに基づき、従業員の主体性を尊重し、受講者の一部公募も実施しています。

「自律型人材」の育成

人材育成のPDCAサイクル

人材育成プログラムでは、一人ひとりの従業員の成長課題を明確にしたうえで育成のPDCAサイクルを現場で適切に実行することを目的とし、アセスメントとそれに基づく育成計画の作成、運用を行っています。アセスメントでは、森永製菓の従業員として職種に関わらず求められる能力定義に沿って、各自の強みや弱みを本人(育成対象者)と上長とで相互に確認したうえでOJT、Off-JTを通じた年間の育成計画を作成します。実行段階では四半期ごとに面談を行い、振り返りや以降の取り組みについて確認することで、育成のPDCAが実行される仕組みとしています。

入社3年間での基礎人材育成

森永製菓では、入社から3年間を基礎人材教育期間とし、若手人材の育成に特に力を入れています。新入社員を対象としたOJTトレーナー制度に加え、定期的にOff-JTとして集合研修と人事によるキャリア面談を実施。人事・人材育成部門が、若手人材の育成をスキル、マインド、キャリアと多面的に支援します。3年間で、自ら考え、行動できる「自律型人材」への成長を目指します。

森永製菓における入社3年間の基礎人材教育

階層別研修

会社における組織上の役割期待に応じて、スキル面、意識面、行動面でのさらなる向上のため、入社後3年間の基礎人材育成期間以降も、等級や職位ごとに研修を実施しています。

テーマ別研修

経営課題や各事業における課題を中心に、次世代リーダー育成研修、各部門における業務に必要な専門的知識やスキルを高めるための教育研修等を実施しています。

OJTによる人材育成

新入社員は、配属された職場で1年間、担当のOJTトレーナーによる指導のもと、経験学習サイクルを回して、業務遂行能力を身につけていきます。また、多くの事業所、従業員を対象に人材育成プログラムが順次導入され、人事評価制度の運用と合わせて、各職場で従業員の成長、能力開発につなげることを意識したOJTが推進されています。

自己啓発研修

通信教育・eラーニング、会社主催の課題別研修、外部セミナーの受講支援等、自由選択型の研修として、従業員一人ひとりの課題テーマに合わせた、従業員の学ぶ意欲を支援する様々なプログラムを用意しています。通信教育、eラーニングでは、多岐にわたる約200の対象コースを自由に選択可能です。森永製菓では受講費用の半額相当の援助金や、グループ受講制度による報奨金等の補助制度を整えており、多くの関係会社でも同様の補助制度で従業員の学習を支援しています。

従業員とのコミュニケーション

定期面談の実施

森永製菓では、人事評価に加え、人材育成プログラム、キャリアデザイン面談等、上長・部下間での様々な面談を行う機会を四半期ごとに設け、従業員の声や意見を聴く機会を確保しています。この中で、目標管理制度に基づく評価はもちろん、目標に到達するまでのプロセスも重視しながら、課題解決や成長のための指導や支援を行って、従業員のスキルとパフォーマンスを高める工夫を行っています。360度評価の対象者には、実施の都度、フィードバックを行うとともに、上長による助言を得ることで、自身のマネジメントスタイルを振り返ることができる体制を構築しています。
加えて、各階層別研修の実施に際して人事部門との個別面談を実施し、従業員の声が直接人事部門に共有される体制をとっています。

労働組合

森永製菓グループ6社と森永乳業グループ3社の労働組合で構成される全森永労働組合はユニオンショップ制をとっており、管理職等を除く正規従業員は全員が組合員で、労働組合を通じて様々な施策が話し合われ、職場環境等の改善に向けて取り組んでいます。

組織・風土改善の取り組み

森永製菓では、全社風土や諸施策について、対処すべき課題を明らかにするために、40年間以上、継続的・定期的に従業員意識調査を行っています。調査項目は、仕事・会社・職場・上司への満足度を問う項目をメインとし、その他、中期経営計画への理解度や制度改正に対する意識を問う項目等の、時代や状況に応じた独自項目の設定も行っています。結果は、経営層や各部署のトップに共有し、経営戦略の策定や各組織における課題解決に向けた重要な情報として参考にしています。
経営トップ層からのビジョン発信への満足度、仕事や会社に対する誇りが高いことが当社の特徴です。

イノベーションを生み出す取り組み

森永製菓では、従業員一人ひとりの多様なアイデアを生かし、イノベーションを生み出すための取り組みを毎年実施しています。

発明やチャレンジングな行動に対する社長賞表彰

発明・発見・考案等により、会社に対して大きな有形の利益をもたらした従業員(チーム)や通常の努力や発想では成し得ない目標に対して、チャレンジングな行動を発揮することにより目標を達成し、成果を上げた従業員(チーム)に対して、社長自らが審査し表彰する制度です。

新規事業部門を通じた取り組み

新規のビジネスモデル創造の取り組みを進める森永製菓の新規事業開発部では、新規事業テーマの社内公募などを実施し、新たなビジネスの芽の探索を行っています。また、新規事業創出に携わることを希望する従業員向けの研修の実施や、外部環境の変化を知り、高い視座や広い視野を獲得するための講演会等を開催し、新しいことに挑戦しようという文化を育んでいます。

多様な人材の活躍