持続可能な水資源の利用推進
基本的な考え方
近年、気候変動の影響により干ばつや洪水などの自然災害が頻発、また、世界人口が増加する中、水資源が不足するリスクが地域により高まると言われています。当社グループでは、全社的な取組みとして、グループのすべての主要生産拠点において、設備冷却水の循環利用、仕込み水を含めた原料ロス削減等に努め、水資源使用量の削減を図っています。水不足が生じる可能性が高い地域を特定して対応を検討するため、取水量調査とWRI(世界資源研究所)のAqueduct Water Risk Atlasを使用した国内外の生産事業所の水ストレス評価を実施するとともに、水資源のさらなる効率的利用を目指します。森永製菓グループの取水量の大半を占める生産拠点がある地域において、水ストレスが極めて高い地域が無いことを確認しており、水ストレスが高い地域にある拠点については現地の状況把握に努めています。2024年度の水ストレスの極めて高い地域における総取水量は森永製菓グループ全体のうち0%で0㎥です。
- ※水ストレス:水需給が逼迫している状態のこと。人口一人当たりの最大利用可能水資源量が1,700m3を下回ると水ストレス下にある状態とされている。
※2022年度以降の国内グループ連結・2023年度以降の海外グループ連結の数値はLRQAリミテッドによる第三者保証を受けています。
・対象:森永製菓工場4カ所(神奈川県横浜市、栃木県小山市、静岡県三島市、愛知県安城市)、グループ会社4カ所(群馬県高崎市、神奈川県大和市、佐賀県鳥栖市、兵庫県尼崎市)、海外生産事業所3カ所(米国ノースカロライナ州、台湾台北市、中国浙江省)
水関連の規制への取り組みと自治体との連携
当社グループでは、ISO14001環境マネジメントシステムに基づき、毎年各生産拠点で法令や規制の要求事項リストを見直し、水関連の規制を確認しています。特に排水の品質や量は地域の皆様の生活に大きな影響を与えることから、地域の基準よりも厳しい自主基準を設けて管理しています。
また、国内製造拠点では、毎年井戸水の使用量を報告する一方で、地域の給水状況や使用水量等に関する情報を得ることで、自治体との連携を図っています。地域住民や河川の流域保護協会との定期的なエンゲージメントにおいて、排水処理や干ばつによる取水制限などの水に関するお申し出を頂いた際には、適切に対応しています。
水使用量削減の取り組み
森永製菓グループでは、主要生産拠点での水使用量の削減に継続的に取り組んでいます。これまでの主な取り組みとして、仕込み水を含む原料ロスの削減に向けては、工程の見直しや投入量管理の強化を進め、水使用量の低減につなげています。
中京工場では水冷式空調機からエネルギー効率の高い空冷式空調機への切り替えにより、冷却水の使用量に加えて冷却水循環に要する電力も低減しています。
2024年度の取り組みの一例として、森永エンゼルデザート株式会社では、冷菓製品の需要増に対応した高効率な生産を目指し、冷凍機で使用する冷却水の運用を改善しました。従来の井戸水のかけ流し方式から、冷却塔を新たに導入した循環利用方式へ切り替えたことで、4〜6月の3か月間で約3万5千m³の水使用量を削減しました(前年同時期比)。これにより、地下水の取水抑制を通じて水域の保全に寄与するとともに、需要増に対応できる高効率な生産体制を実現しています。
今後も、設備の高効率化と循環利用の拡大、原料ロス削減の徹底を通じて、水資源の有効活用に取り組んでいきます。
中京工場の水冷式空調機用の冷却塔(集約後)
森永エンゼルデザート株式会社の冷凍機用の冷却塔(新規導入)