人権マネジメント
基本的な考え方
企業は国連「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づき、自社およびバリューチェーンにおいてステークホルダーの人権を尊重するためのマネジメントの実施が求められています。
当社グループでは、2018年に「森永製菓グループ人権方針」を制定し、基本的人権を尊重し、差別やハラスメントのない職場づくりを目指すとともに、原材料調達先のサプライチェーンで児童労働や強制労働の排除を目指すことを、方針として明示しました。本方針を当社グループのすべての従業員と役員に適用するほか、サプライヤーや取引先等のすべてのビジネスパートナーに対しても本方針にご理解をいただき、ともに人権の尊重に努めていただくよう求めています。連携と協力のもと、 責任あるバリューチェーンの構築を目指していきます。
人権マネジメント体制
森永製菓グループは、「森永製菓グループ行動憲章・行動規準」「森永製菓グループ人権方針」および「森永製菓グループサプライヤーガイドライン」を定めています。これらが示す人権に対する考え方については、従業員全員が受講するコンプライアンス研修、またサプライヤーに対する説明会を通して浸透を図っています。万が一人権の尊重を損なう懸念が生じた場合は、下図に示すコンプライアンス委員会とESG委員会にて対応を議論する体制としています。当社グループ内で懸念が生じた場合や匿名での通報が可能なヘルプラインに情報が届いた場合はコンプライアンス委員会へ報告し、また社外で発生した場合や外部通報窓口であるJaCER「対話救済プラットフォーム」に情報が届いた場合はサステナブル経営推進部が情報を取りまとめてESG委員会に報告します。両委員会からこれらの報告・答申を受けた取締役会が、関係部門に対し是正に向けた監督・指示を行っています。
人権マネジメントの強化
森永製菓グループは、自社およびバリューチェーン上におけるステークホルダーの人権の尊重に取り組んでいます。
2018年に制定した「森永製菓グループ人権方針」にて、人権を尊重し、差別やハラスメントのない職場づくりを目指すとともに、サプライチェーンでの児童労働や強制労働を方針として明示しました。また「1チョコ for1スマイル」活動を通じて、カカオ生産国での児童労働ゼロを目指す取り組みやジェンダー平等の啓発活動等を支援しています。これらに取り組むNPO・NGOに現地の実情を学びながら将来の取り組みに向けた意見交換を行うほか、RSPO※とのコミュニケーションを通してパーム油生産地の人権課題の認識を深めています。また、2022年4月には国連グローバル・コンパクトに署名・登録し、その4分野10原則を人権マネジメントの指針として活かしております。また「森永製菓グループサプライヤーガイドライン」の策定および調達アンケートの実施等にも活用し、サプライチェーンの人権課題の把握と対応を進めています。
- ※RSPO:Roundtable on Sustainable Palm Oil (持続可能なパーム油のための円卓会議)の略。持続可能なパーム油の認証スキームを開発・運用している。
従業員の人権への配慮
ハラスメント研修
森永製菓グループでは、人権配慮の考え方に基づき、ハラスメントの撲滅をコンプライアンス活動目標に掲げ、コンプライアンス研修においてはパワーハラスメント、セクシュアルハラスメントに限らず、ハラスメントの啓発・予防を目的とした教育を継続的に実施しています。
森永製菓の全役員を対象とした外部弁護士によるハラスメント研修や、森永製菓の全部門長、事業所長、グループ会社の役員を対象としたハラスメント研修の実施、森永製菓の従業員全員が視聴できる研修動画のウェブ上での公開等、幅広く取り組んでいます。
なお、定期的な研修を通して、ハラスメントに関する通報・伝達を受けた場合にどのように対応するかを、部下を持つ全員が確認しています。
コンプライアンスアンケートによるハラスメント状況把握
森永製菓グループでは、毎年12月に、国内グループ会社で働く全従業員を対象にコンプライアンスアンケートを実施(2022年12月実施のアンケート回答者数:3,730名)し、当社グループのコンプライアンス状況を定点的に把握することに努めています。中でもハラスメント行為は特に重要な項目として、直接ハラスメント行為を受けたか、またハラスメント行為を見聞きしたかをそれぞれ過去1年間について及び過去全体にわたり、それぞれ区分して集計し、当社のコンプライアンスの状況を詳細に調査しています。
また、職場でのコンプライアンスを重視する風土や、会社のコンプライアンス経営への取り組み度合いをどう受け取っているか等も項目に含め、コンプライアンス意識の状況を確認しています。アンケート結果のサマリーはアンケート回答者全員にフィードバックし、当社グループの状況を共有しています。
- コンプライアンスアンケートの設問例
-
- あなたは、(パワー/セクシュアル)ハラスメント行為を受けたことがありますか 。
- あなたの職場では、コンプライアンスに限らず業務上の疑問があれば、上司や同僚に相談、確認していますか、あるいはできる雰囲気(環境)ですか。
さらに、この結果をもとに各事業所へのヒアリングや意見交換、コンプライアンスに関わる問題解決のための対策立案を行い、風土改善に向けて、積極的な活動を行っています。
ウェブによるハラスメント研修
サプライチェーン上のステークホルダーへの配慮
外部通報制度の設置
森永製菓グループは、2022年10月に一般社団法人ビジネスと人権対話救済機構(JaCER)に発足メンバーの一員として参加し、従業員以外の様々なステークホルダーに向けた苦情処理メカニズム(グリーバンスメカニズム)として、外部第三者機関による苦情処理プラットフォームを設置しました。これにより、「国連 ビジネスと人権に関する指導原則」に準拠した非司法的な「対話救済プラットフォーム」を通して苦情を受け付けることで、正当性の担保と苦情処理の実効性・効率性の向上を図り、客観性・透明性を持った対応を行うことを目指しております。なお、通報受付においては、通報者の個人情報の保護、通報者が希望する場合には匿名性と通報内容の秘匿性を確保し、当事者救済に努めます。