リスクマネジメント

トータルリスクマネジメントの理念

森永製菓グループは、事業活動に潜在するトータルリスクを把握し、トータルリスクマネジメントの理念のもとリスクに対し適切な対応を図ります。

(1) 企業の社会的責任を果す

  1. 社員等および来訪者の安全の確保
  2. 資産の保全
  3. 業務の早期回復と継続性の確保

(2)企業の社会的信用を確保する

  1. 適時適切な情報開示
  2. 地域社会への貢献
  3. 人道面での配慮

主なリスクと対応

森永製菓グループでは、事業活動に潜在するリスクに対応するため、内部統制システムの一環として2001年度に「トータルリスクマネジメント規程」を制定し、想定されるリスクを分類・評価し、平常時における予防策を実施しています。主な想定されるリスクと対応については下表をご覧ください。
「トータルリスクマネジメント規程」の中では「自然災害クライシス対応要領」をはじめとする各種要領を策定し、クライシス発生時に事業の早期再開を図るための対応を定めています。2017年度からは、こうしたBCP(事業継続計画)を一歩進めてBCM(事業継続マネジメント:災害や事故で被害を受けても事業を中断させない、もしくは中断させても可能な限り短期間で再開させる継続的改善)にも取り組みはじめました。
クライシスが発生した場合は、状況を速やかに評価・判断し、対策本部の設置、情報開示等、必要な対応をとるとともに、原因究明と再発防止対策を行うこととしています。
反社会的勢力に対しては、「不当要求防止責任者」を設置して毅然と対応することを表明するとともに、関係行政機関等からの情報収集に努め、有事の際にはこれら機関と緊密に連携をとり、組織全体で速やかに対応することとしています。

森永製菓グループのトータルリスクマネジメント体系図

■ 短期・中期の視点から事業、業績および財政状態等に影響を与える可能性のある重要なリスク

想定されるリスク 影響度 発生
頻度
森永製菓グループの対応
サイバー攻撃
  • 個人情報、顧客情報及び機密情報の漏えい
  • 生産ラインや物流機能等のサプライチェーンの停止
  • セキュリティオペレーションセンターによる24時間監視の実施
  • セキュリティ診断の実施と結果に対する迅速かつ適切な対応
  • セキュリティに係る各種規程類の適宜適切な更新と、全従業員に向けたセキュリティ教育の徹底
  • システム面のセキュリティ強化
  • インシデント発生時の関係各所との連携による迅速かつ適切な対処・回復
商品欠陥・リコール
  • 商品への異物混入等による規定された品質水準を満たさない商品の市場への出荷
  • 品質方針品質保証規則等の基づく、体系的な品質保証体制の構築
  • 商品開発段階での「品質アセスメントシステム」による原材料及び商品の安全性・適法性その他重要項目の確認
  • 製造委託先の管理、点検
  • 品質事故発生に備えた「クライシス対応要領」の整備
労働災害
  • 従業員の生命身体を脅かす事故の発生よる貴重な人財の喪失(製造などの業務実施中における事故/交通事故)
  • 「森永製菓グループ 労働安全衛生方針」の制定。社内外への周知、安全で快適な職場環境の推進
  • 労働災害に関する情報を共有し、事故を防止するための対策を講じるため安全対策労使会議の実施
固定資産の投資
  • 投資当初に想定・計画した通りの成果が獲得できず、固定資産の減損が発生すること
  • 投資管理規程に則った以下の投資マネジメントの実施
    ▷一定水準以上の投資を行う場合は取締役会決議を得るものとし、定性、定量、リスクアセスメント等の多面的な視点による包括的な評価を実施
    ▷投資回収状況についての継続的なモニタリング、変化点の適時把握と適切なリカバリープランを実行
個人情報等の情報漏えい(持ち出し)
  • 役員、従業員の不正持ち出しによる顧客の個人情報等の機密情報・重要情報の漏えい
  • 個人情報取扱い規程、個人情報取扱い細則、個人情報の取り扱いに関する運用マニュアルの制定・運用
台風・高潮・水害・洪水によるサプライチェーンの停止
  • 工場や倉庫、従業員の被災、物流寸断等による調達・生産・物流・販売活動の停止・工場の浸水による固定資産及び棚卸資産に関する災害損失の発生
  • ハザードマップ、避難場所の確認、防災設備点検、防災訓練、非常食点検等の実施
  • 台風や大雨の襲来が予測される場合の配送センター、製品倉庫等の周辺状況の把握及び関係先への注意喚起
感染症のまん延
  • 従業員の感染症罹患による生産ライン、物流機能等のサプライチェーンの停止
  • 本社、販売事業所の従業員の感染症罹患による間接業務の運用の非効率化
  • 「感染症がまん延した時の対応方針」の更新による未発生時・初期段階(海外発生時)での周知、準備の徹底
  • 社内感染対策としての衛生用品の備蓄

■ 中期・長期の視点から事業、業績および財政状態等に影響を与える可能性のある重要なリスク

想定されるリスク 影響度 発生
頻度
森永製菓グループの対応
原材料調達・資材調達
  • 気候変動・人口動態・政情不安・為替変動等の環境変化による原料不足及び代替原料の調達不能
  • 為替変動をヘッジするための為替予約等の実施
  • 生産地、サプライヤー等調達拠点の分散・多様化・適正在庫水準の維持
  • 重要原材料のサステナブル化、サプライヤーのサステナビリティ取組みの推進
温室効果ガス排出規制への対応コストの増加
  • 温室効果ガス排出規制によるエネルギーに関する追加コストの発生
  • スマートファクトリー化の推進による高効率な生産体制への転換
  • 老朽化した設備の省エネ設備への更新
  • 高崎森永㈱における、オンサイトPPAによる太陽光発電電力の受電開始
  • 再生可能エネルギーの導入の推進
省エネ政策への対応コストの増加
  • 省エネ対応に伴う製造設備投資に起因する追加コストの発生
サクセッションプランの停滞
  • サクセッションプランの適切な作成・運用がなされないことによる経営者の継続的輩出不能
  • 役員候補、部長候補、マネジャー候補を選定及び毎年の見直し、候補者に対する選抜育成と計画配置の実施・内部選抜・育成と並行した外部キャリア採用による多様な人材の確保

 なお、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がある要素は、上記だけに限定されるものではありません。

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