支援活動報告

エクアドル共和国

プラン・インターナショナル(2017年~2018年)

活動内容

プロジェクトは2017年4月に開始し、
2018年3月に活動を無事完了しました。

トレーニングの実施

2017年6月から「私たちにとっての災害リスクを知る」というテーマから始まる「災害リスク管理のはじめの一歩」(教育省発行の学校における災害リスク管理の手引き)を用いて、教師、保護者や対象地域の大人の住民を対象に、トレーニングを実施しました。また、7月末と8月末には保護者や大人の住民向けに追加のワークショップを実施。
このトレーニングを受けた教師たちは、学んだことを活かして児童たちに災害リスク管理について教えました。

パサッへ・コミュニティの児童たちによる災害リスク管理の発表
児童たちが作成したパサッへ・コミュニティの模型。今後、リスクがある場所を模型に反映させていきます。

トレーニングの様子

教師対象のトレーニングの様子。座学だけでなく、グループで身の回りの災害リスクを洗い出すなど、グループワークも多く取り入れました。

保護者や対象地域の大人の住民対象のトレーニングでも、災害リスクの洗い出しや対処法などの グループワークを多く取り入れました。また、「猫とネズミ」という遊びを取り入れ、障害物の中を逃げるネズミの姿から、危機管理の基本的な概念を理解する手法も用いられました。

プロジェクト進捗確認ミーティング

2017年8月から9月、各コミュニティでプロジェクトの進捗を確認・振り返るミーティングを実施し、合計200人(男性16人、女性184人)が参加しました。

防災に関するワークショップ

2017年8月から9月、対象3コミュニティで働く教師を対象に、防災に関するワークショップを実施し、各回計25人(女性21人、男性4人)が参加しました。

防災計画立案ワークショップの様子

基礎的応急処置に関するワークショップでは、参加者は救命の実技も体験しました。

防災および消火器の使用方法に関するワークショップの様子

コミュニティにおける災害対応部隊の結成に ついて打ち合わせるワークショップ参加者たち

学校設備の防災対策の実施

2017年6月、対象校各校において、電気設備やトイレ、窓や扉などの小規模な改修や修繕が必要な箇所を特定し、必要度に応じて優先順位をつけました。
8月初旬に、各コミュニティで小規模修繕用の活動資金管理担当者を選出し、担当者となった計9人(女性7人、男性2人)は、プロジェクト資金の管理についてトレーニングを受けました。
9月には各コミュニティの活動資金管理担当とともに、学校の小規模修繕に購入しなければならない資材や工具等を選定。10月から各コミュニティで対象校における小規模改修・修繕活動を開始し、12月中に無事活動を完了しました!

資金管理について学ぶ活動資金管理担当たち

小規模修繕用の資材や工具について話し合う 活動資金管理担当とプラン職員

フランシスコ・アギーレ・アバッド小・中学校
( エステロ・デ・ビエドラ コミュニティ)

プロジェクト実施前の教室
壁には、窓の代わりに複数の穴が開いていました。
プロジェクト実施後の教室
安全かつ通気性もある構造に変更し、窓に鉄格子を取り付けました。

トレス・デ・ノビエンブレ小学校
(サポタル・ヌエボ コミュニティ)

プロジェクト実施前の多目的広場
緩やかな傾斜がありました。
プロジェクト実施後の多目的広場
観客席と通路用の階段を設置しました。

シエテ・デ・フェブレロ小・中学校
(パサッヘ コミュニティ)

プロジェクト実施前の売店
プロジェクト実施後の売店
壁を塗り直し、屋根を設置。売店に並ぶ子どもたちが日差しに晒されずに済むようになりました。
プロジェクト実施前の教室
壁の傷みが激しくなっていました。
プロジェクト実施後の教室
教室の壁を塗り直しました。

学校における避難訓練と防災計画立案

2017年11月、トレス・デ・ノビエンブレ小学校に緊急時の避難所看板を設置し、対象3校に災害予測地図を配布。12月には各対象校で計25人の教師が防災計画立案ワークショップに参加して防災計画を完成させました。
また2017年12月から2018年1月には、各対象校で屋内での避難訓練を実施。その後、各対象校で地震、火災、爆弾などの脅威を想定した屋外での避難訓練を実施し、訓練には消防局、教育局、住民の代表者たちも出席しました。

避難訓練の様子

危機管理委員会の結成

ロス・リオス県のリスク管理事務局の協力を得ながら、各コミュニティで危機管理委員会を設立しました。

施設の維持管理に関する合意書への署名、危機管理委員会の設立のために集まった住民たち
(写真左・中 サポタル・ヌエボ コミュニティ、 写真右 パサッヘ コミュニティ)

プロジェクトの成果

防災能力が強化されました。

災害リスク管理トレーニングを通じて、対象3コミュニティの教師や保護者、子どもたちの防災能力が強化されました。

防災計画が立案されました。

各コミュニティで危機管理委員会が設立され、防災計画が立案されました。

より安全な学習環境のもとで安心して学べるようになりました。

対象コミュニティにある3校の設備が、防災の観点から小規模修繕・改修され、教師と児童・生徒たちはより安全な学習環境のもとで安心して学べるようになりました。

現地からの声をおとどけ!

災害リスク管理について先生と一緒に活動できて、とてもよかったです。緊急時にどうすべきかを学びました。今では、校内のどこに集合場所があるか知っています。自分を大切にすること、子どもの保護、地震発生時に何をすべきかなど、重要なことを話し合いました。子どもたちは平等で、同じ権利を持っていると学びました。今では学校はより安全になりました。

ジョルディ/11歳

避難訓練に参加するのが大好きです。どのように友だちと教室を出て校内の集合場所に行くべきか、わかるからです。

ガビー/12歳

教師として、学校内外にある脅威を特定することと、子どもたちに何かが起こったときの接し方を学びました。今は、何かが起きたときに対応できるチームが学校にいるので、より安心です。

ヌリ/44歳 教師

保護者の一人として、安全な地域と危険な地域を認識する方法を学びました。トレーニングでは、日常生活でも活用できるような知識も得ました。このプロジェクトのおかげで、この地域で発生する災害についてたくさん理解することができました。母親、教師、子どもたちだけでなく、学校も災害への準備が整っているということはとても重要です。

母親、29歳

私たちのコミュニティに対する今回のご支援に感謝しています。子どもたちは、より安全に学校で過ごせるようになりました。私たち親は、子どもたちがどのような危険に晒されるかを特定する方法を学びました。

セサル/45歳 父親