おいしさの秘密

チョコレートの口どけの良さの秘密

20ミクロンの秘密

チョコレートのなめらかさには独特のものがあります。
液体のようにさらりとした感じではなく、トロリと舌で十分感じ取れるなめらかさです。
このなめらかさには科学的な理由があります。チョコレートの粒子は20ミクロン程度(1ミリメートルの1/50)と大変小さいものですが、実は、この粒子の大きさが舌で感じられるザラツキの最小単位と言われています。
この小さな粒子を作り出すために行う磨砕工程(磨りつぶすこと)は、最終的には5本のスチール製ロールを重ねた5段ロールの機械で行います。

上下から押し付けられたロールは互い違いに逆回転し、その回転数は上段のロールに行くにしたがって高くなっています。
こうすることにより、チョコレートの原料を上に引っぱり上げると同時に、チョコレートの生地を磨砕します。このとき、チョコレートの原料は押しつぶされるのではなく、引きちぎる力によって磨砕されています。
上へ上へと引っぱられた原料は、ロールの間を通りながらさらに細かく磨砕されます。
この間に原料の粒子の表面積は大きくなり、なんとチョコレート粒子1g当りの表面積の合計は1㎡にもなります。
初めは耳たぶ程度のやわらかさだったチョコレート生地は、磨砕工程により油分が除かれるため、パサパサのフレーク状になってロールから出てきます。ロールを1本1本詳しく見ると、中央が眼では見えない程度にふくらませて作ってあることがわかります。これは、ロールの中央部と端の部分とで均一に圧力がかかるようにするためです。このような「裏ワザ」が、口どけの良さの決め手となるのです。

半日も練り上げられるチョコレート

ロールから出てきたフレーク状のチョコレートは、次に練る作業へ進みます。この工程は「コンチング」と呼ばれ、1880年にロドルフ・リンツによって発明され、その効果の偉大さが認められて以来、100年以上の間、まさにチョコレート製造の心臓部といわれています。
発明当時の形に近い旧式のコンチングマシンでは、なんと72時間も練り続けなければならず、今日のマシンでも約半日を費やさなければなりません。
これほどまでにチョコレートを練り続けるコンチングの役目は2つあります。ひとつは、ローラーにかけられパサパサになったチョコレートフレークから不要な水分や、くせのある臭いを取り除くことです。成分中の油分がにじみ出て徐々にやわらかくなるまで、4時間から5時間の間、強力に練られます。不要な成分がこの間に取り除かれるため、チョコレート本来の香りが引き立ってきます。
もうひとつは乳化です。油脂分(ココアバター)を加え、高速で5時間以上練り続けます。
こうして、不要な水分や臭いがなくなり、フレーバーが形成され、トロリとした口どけ良いチョコレートが完成するのです。
もし、このコンチングという工程がなかったらチョコレートはザクザクとして口どけが悪く、原料の生臭さが残り、なめらかさも十分ではないものとなるでしょう。味や香りもあまり良好なものにはならず、「口どけの良い、おいしいチョコレート」が出来なかったかもしれませんね。

こちらから、チョコレートの製造工程のアニメーションがご覧になれます。