年齢とともに「体力が落ちた」「昔より痩せにくくなった」と感じることはありませんか?健康維持やダイエットには有酸素運動が効果的だと分かっていても、「どんなメニューを何分やるべきか」が分からないと、つい後回しになってしまいますよね。この記事では、有酸素運動の時間の目安や続けるコツをご紹介します。
有酸素運動は通勤・買い物を含めてもOK!1日20分~40分が目安 成人の有酸素運動の目安は、中強度の運動を「週に合計150〜300分」で、1日に換算すると、おおよそ20〜40分です*1。 中強度の運動は、「ちょっと息が弾むけれど、笑顔のまま会話ができる」くらいの強さを指します。 ポイントは、一度にまとめて行う必要がないことです。通勤や買い物で歩く時間も含めてよいので、わざわざ運動のための時間を作らなくても日常生活の中で無理なく積み重ねられます。目安時間は目的によっても変わります。 健康維持・ダイエットで変わる!有酸素運動の時間の目安 目的 1日の目安 週の合計 強度・運動例 健康維持 約20~30分 週150分~ 中強度 ダイエット 約30~45分+日常の活動 週250~300分 中強度を長め・多めに 体力・持久力アップ 約30~60分 ー やや高強度〜高強度 引用元:WHO身体活動・座位行動ガイドライン p2 /American College of Sports Medicine Position Stand. Appropriate physical activity intervention strategies for weight loss and prevention of weight regain for adults /American College of Sports Medicine position stand. Quantity and quality of exercise for developing and maintaining cardiorespiratory, musculoskeletal, and neuromotor fitness in apparently healthy adults: guidance for prescribing exercise 【健康維持を目指したい】 1日20〜30分・週150分を目指しましょう。この時間は一度にまとめる必要はなく、通勤や買い物で歩く時間も含めて構いません。 ウォーキングや軽いサイクリングを続けることで、生活習慣病予防や体力維持が期待できます*1。 【減量(ダイエット)を目指したい】 目標をもう少し引き上げて週に250〜300分を目指してみましょう。こちらも日常の動きを活かしつつ、1日30〜45分の運動を足すイメージです。動いた分だけ消費カロリーが増えるので、ダイエットを後押ししてくれます。また継続して運動を行うことは痩せた後の体重維持にも役立つと考えられています*2。 【体力・持久力アップを目指したい】 やや高強度〜高強度の運動を1日30〜60分程度行いましょう。ランニングや水泳、サイクリングなどを継続することで、心肺機能の向上が期待できます*3。 ただし、これらはあくまでも目安です。現在の体力や運動習慣に合わせて無理のない範囲から始めましょう。特に運動習慣がない方は、まず1日20~30分、週150分を目標に取り組むとよいでしょう。 実は【1回10分の分割でもOK】「20分以上やらないと脂肪は燃えない」常識をアップデート! 「有酸素運動は20分以上続けないと脂肪は燃えない」という話を耳にしたことがあるかもしれません。実は、この説は今では見直されています。実際には、体を動かし始めたその瞬間から脂肪はしっかり燃え始めています。そのため、「20分続けなければ意味がない」と考えて運動を始めないよりも、5分でも10分でも、まずは体を動かしましょう*4。 もちろん、30分連続で運動した場合と細切れの運動がすべて同じ効果になるとは限りません。それでも、細切れの運動にも効果は期待できるため、運動習慣がない方にとって、まず活動量を増やすことが重要です。最初からがんばりすぎるのではなく、5〜10分程度の運動を日常生活に取り入れながら、無理なく続けていきましょう。
有酸素運動にオススメの時間帯は朝と夜どっち? 有酸素運動は、時間帯によって多少の違いはありますが、朝・昼・夜のどのタイミングに行っても健康効果が期待できます。大切なのは続けること。自分のライフスタイルに合わせて、無理なく続けられる時間を選びましょう。 脂肪が使われやすいのは朝食前 朝一番は、体内の糖質が少ない状態になっています。そのため、運動時のエネルギー源として脂肪が利用されやすいと考えられています。実際に、空腹状態で朝の運動を行うと、運動中や運動後に脂肪がエネルギーとして利用される量が多かったという研究報告もあります*5。 ★注意★ 起床直後の運動は脱水状態になりやすく、空腹による低血糖にも注意が必要です。運動前にはコップ1杯の水を飲み、必要に応じてバナナやゼリー飲料など軽い糖質を補給するとよいでしょう。 パフォーマンス重視なら夕方〜夜 運動パフォーマンスを重視する場合は、夕方から夜の時間帯がオススメです。人の体温は夕方頃に高くなりやすく、関節の可動域や筋力も高まるため、体が動かしやすい状態になります。また、体が十分に温まっているため、ケガのリスクを抑えやすくなります*6。 ★注意★ 就寝直前の激しい運動は、体が興奮モード(交感神経が優位な状態)になって寝付けなくなり、睡眠の質が落ちることがあります。夜に運動する場合は、就寝の3時間前までを目安に終えるようにしましょう*7。
オススメの有酸素運動5選【消費カロリー比較表】 有酸素運動にはさまざまな種類があります。まずは無理なく続けられる運動を選びましょう。 ここでは、初心者でも始めやすい有酸素運動を紹介します。あわせて、15~59歳の体重60kgの方が30分実施した場合の推定消費カロリーもまとめたので、参考にしてみてください。 運動種目 METs 30分の推定消費カロリー(体重60kg) 掃除(カーペットやフロアの掃き掃除) 3.3 99kcal 食料品の買い物 3.3 99kcal 踏み台昇降(10cm) 5.5 165kcal ウォーキング(やや速歩) 4.3 129kcal 水泳(ゆっくり泳ぐ) 6.0 180kcal サイクリング(通勤、自分で選んだペースで) 6.8 204kcal ジョギング(全般、自分で選んだペースで) 7.5 225kcal ※「メッツ(METs)」とは運動の強さを表す単位です。安静時を1とし、その何倍のエネルギーを使うかを示します。数字が大きいほど運動強度が高く、消費カロリーも多くなります。 ※エネルギー消費量(kcal)= METs × 体重(kg) × 運動時間(hour)で算出した推定値です。実際の消費カロリーは年齢や性別、運動強度などによって異なります。 引用:改訂第2版 『身体活動のメッツ(METs)表』 成人版/健康づくりのための運動指針2006 ~生活習慣病予防のために~ ①踏み台昇降 踏み台昇降は、自宅で気軽に始められる有酸素運動です。天候に左右されず、テレビを見ながらでも取り組めるため、運動習慣がない方でも続けやすいでしょう。専用の踏み台がなくても大丈夫です。階段や玄関の段差を利用して始めてみましょう。 毎日の「踏み台昇降」で効果的に健康づくりの記事をみる > ②ウォーキング ウォーキングは、特別な道具もいらずに今すぐ始められる、一番手軽な有酸素運動です。「会話はできるが、歌うのは少しきつい」くらいのペースが、運動強度としてちょうどいい目安です。日頃歩いている歩数から、まずは1,000歩増やすところから。慣れたら1日8,000歩前後を目指しましょう。 ウォーキングの効果的な時間帯はいつ?継続時間別の効果についても解説の記事をみる > ③水泳 水の浮力が体重を支えるため、関節に不安がある人や体重が気になる人でも、負担をかけずに動けるのが強みです。泳ぎが苦手な方は、水中ウォーキングでも十分な運動になります。 ④サイクリング サイクリングはランニングよりも膝への衝撃が少ないため、関節への負担を抑える運動になります。通勤や買い物の移動を自転車にするだけで、日常生活の中に無理なく、運動習慣を組み込むことができます。季節や景色の変化を楽しみながら続けやすく、運動が苦手な人でも始めやすいのが魅力です。 ⑤ジョギング ジョギングはウォーキングよりも消費カロリーが高く、短時間でも効率的に運動量を増やせます。一方で、膝や足首への負担は大きくなるため注意が必要です。まずは週2回くらいから、気楽に始めてみましょう。 ★まずは週3日から始めてみよう★ 運動時間の目安の週150分は、あくまで「最終的な目標」です。始めは週70〜90分を目標にしてみてください。慣れてきたら、少しずつ150分へ近づけていきましょう。 また、休養日をしっかり挟むことも大切です。疲れが残る日は無理せず休み、調子のよい日はウォーキングやストレッチなど軽い運動で調整しましょう。
有酸素運動の効果を高める3つのコツ 健康維持に役立つ有酸素運動ですが、ちょっとした工夫でさらに効果を引き出せます。 ここでは、脂肪燃焼をサポートする方法やケガ予防のポイント、運動を習慣化するコツについて解説します。 ■筋トレと組み合わせる 「少しでも効率よく効果を実感したい」という方には、筋トレを行った後、有酸素運動をするのがオススメです。先に筋肉を動かすと脂肪が使われやすい状態になり、続く有酸素運動で脂肪の燃焼を後押しできると言われています。さらに筋肉量が保たれると基礎代謝の維持にもつながり、筋肉量低下やリバウンドの予防にも役立ちます*8。 ■水分補給と準備運動を忘れない 運動中は汗で水分が失われます。運動前後だけでなく運動中もこまめな水分補給を心掛けましょう。特に暑い季節は脱水症状になりやすいため注意をしましょう。 運動前に肩を回す・足を振るなど5分ほど体を動かして温めておくと、筋肉や関節が動きやすくなり、ケガをしにくくなります。 ■三日坊主にならないための小さな工夫 ちょっとした工夫で、続かない運動を習慣化することができます。 おすすめなのが、運動アプリやスマートウォッチで記録に残すことです。数字として成果が見えると達成感が積み重なり、「昨日より少し多く歩けた」「今週は3日できた」といった小さな手応えがやる気につながります。 また「前夜にウェアを用意し、玄関に靴を出しておく」といったちょっとした準備を先に済ませておくだけで、気が乗らない日でも動き出しやすくなります。
有酸素運動で、無理なく続く健康習慣を 有酸素運動で大切なのは、長時間頑張ることではなく、自分のペースで続けることです。一度に完璧を目指す必要はありません。短い運動でも、積み重ねていけば確かな力になります。 迷っているなら、まずは今日の数分から始めてみませんか?お気に入りの音楽を聴きながら1〜2曲分歩くだけでも、十分です。無理のない一歩を積み重ねることが、これからのすこやかな毎日へとつながります。 *1 WHO身体活動・座位行動ガイドラインP2 *2 American College of Sports Medicine Position Stand. Appropriate physical activity intervention strategies for weight loss and prevention of weight regain for adults *3 American College of Sports Medicine position stand. Quantity and quality of exercise for developing and maintaining cardiorespiratory, musculoskeletal, and neuromotor fitness in apparently healthy adults: guidance for prescribing exercise *4 協会けんぽ 20分以上運動しないと 体脂肪が燃えない *5 Acute effects of exercise timing and breakfast meal glycemic index on exercise-induced fat oxidation *6 Is there a diurnal variation in flexibility in extreme morning and evening-types *7 厚生労働省 健康日本21アクション支援システム ~健康づくりサポートネット~ 快眠と生活習慣 *8 Effects of resistance exercise on lipolysis during subsequent submaximal exercise (参考文献閲覧日:2026年8月24日)