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認知行動療法を自分で!簡単なやり方を解説|イライラ・不安を軽くする4つの方法

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ちょっとしたことでイライラしたり、先のことを考えて不安になったりしていませんか。そんなときにおすすめなのが、自分の「考え方のクセ」だけでなく、「行動や反応のパターン」にも気づくことができる認知行動療法です。本記事では、専門知識がなくても自分でできる簡単なやり方をわかりやすく解説します。今日から実践できる方法で、イライラや不安を少しずつ和らげ、心を楽にしていきましょう。

認知行動療法(CBT)とは?「考え方のクセ」に気づく方法

考え事をする女性

認知行動療法(CBT)は、物事の受け取り方(認知)と行動の両方に働きかける心理療法で、考え方や行動のパターンを見直すことで、気分の落ち込みや不安の軽減を目指す方法の一つです。私たちは強いストレスを感じると、「自分はだめだ」「きっとうまくいかない」といった極端な考えに偏りやすくなります。こうした考え方のクセに気づかないままでいると、不安や落ち込みがさらに強まってしまいます。

認知行動療法では、その場の出来事と自分の考えを切り分け、「ほかの見方はないか」とやわらかく問い直します。考えの見方や角度を変えてみると、気持ちは軽くなり、行動は変わっていきます。特別な道具がなくても、日常生活の中で取り入れ、練習できます。

自分でやるから意味がある!セルフ認知行動療法の効果

ノートに出来事や考えを書いている手

自分でできるセルフ認知行動療法の大きな魅力は、思い立ったときにすぐ取り組める手軽さです。また、通院の時間や費用をかけず、自分のペースで続けられるため、「自分で自分をケアできる」という自信につながる点にも意味があります。
ノートに出来事とそのときの考えを書き出すことで、自分の思考の傾向に気づきやすくなります。小さな気づきを積み重ねることで、気持ちの波に振り回されにくくなるというメリットがあります。

さらに、自分自身で考え方を整える経験は、大きな自信につながります。「どうせ無理だ」と思っていた場面でも別の見方ができるようになり、前向きな行動を選びやすくなります。くよくよ悩む時間が減り、気持ちの切り替えが早くなることで、心に余白が生まれるという効果を実感できるはずです。

自分で取り組める点が大きなメリットですが、一方で、症状が強い場合やうまく進まない場合には、専門家のサポートを受けることも大切です。

【簡単】セルフ認知行動療法の4つのやり方

星が書かれた木製の積み木を4つ積み上げる手

ここからは実践編として、セルフ認知行動療法の具体的な方法を紹介します。少し立ち止まって自分を観察したり、体をゆるめたり、考え方を整理したりするだけでも、心の負担は軽くなります。「これなら自分にもできそう」と感じられるシンプルな方法ばかりです。できるところから、気軽に試してみてください。

①まずは「書くだけ」:セルフモニタリング法

日々のストレスに上手に対処するために、最初にできることは「自分の状態に気づくこと」です。どれほど良い対処法を知っていても、自分が疲れていると気づかなければ使うことはできません。まずは今の心と体の様子を、そのまま観察してみましょう。

セルフモニタリングは、自分を実況中継するように「今日はなんとなく重だるい」「会議のあとにイライラした」などと書き留める方法です。評価や反省は必要ありません。ただ事実をメモするだけで大丈夫です。

続けるうちに、自分がどんな場面で疲れやすいのか、どのくらいストレスがたまっているのかが見えてきます。気づけるようになると、早めに休む、誰かに相談するなど、適切な行動を選びやすくなります。まずは1日1行から、気軽に始めてみてください。

ノートにその日の出来事を書く男性

②不安に体からアプローチする:リラクセーション法

認知行動療法では考え方へのアプローチに加えて、リラクセーション法などを用いて身体の緊張を調整する方法が、補助的な技法として併用されることがあります。
不安や緊張が強いとき、頭の中だけで何とかしようとしても、うまくいかないことがあります。心と体はつながっているので、体がこわばると気持ちも張りつめやすくなります。認知行動療法では、この心身のつながりを大切にし、体の面からも心に働きかけます。

代表的なのが「漸進的筋弛緩法」です。これは各部位の筋肉に10秒ほど力を入れ、その後15~20秒かけてゆっくり力を抜く方法です。手、肩、顔、足と順番に行い、力が抜けた感覚を味わいます。緊張と弛緩の差を体で覚えることで、自然とリラックスしやすくなります。

もう1つの方法が「自律訓練法」です。静かな場所で目を閉じ、「手足が重たい」 「手が温かい」などの言葉を心の中で繰り返し、落ち着いた状態をつくります。練習を重ねることで、不安や緊張をやわらげ、心身をリラックスさせる効果が期待できます。

目を閉じて、顔を上に上げて深呼吸する女性

③考え方のクセを知る:認知再構成法

認知再構成法は、出来事をきっかけに瞬間的に浮かぶ「自動思考」に気づき、それが本当に妥当かどうかを見直す方法です。気分が落ち込んだり不安が強くなったりしたとき、私たちは現実よりも悲観的に考えてしまうことがあります。その考えを少し客観的にとらえ直すだけで、気持ちや行動は大きく変わります。

代表的な方法が「7コラム法」です。7コラム法は、出来事から気分の変化までを7つの項目に分けて書き出し、自分の考えを客観的に検証していくワークシート形式の方法です。

ここで用いる「0~100%」は、その時点で自分が感じている感情の強さを主観的に数値化したものです。

数値にすることで、「なんとなくつらい」という曖昧な状態をより具体的にとらえやすくなります。

表1:気分の例とその強度 出典:認知行動療法の共通基盤マニュアルp92より作成

★「7コラム法」の7項目★

  • 状況:いつ、どこで、何があったか
    例)月曜の朝、会社の廊下で上司に挨拶したが、ほとんど反応がなかった
  • 気分:そのときの感情と強さ(0~100%)
    例)悲しみ80%、不安60%
  • 自動思考:頭に浮かんだ考え
    例)嫌われているに違いない。自分は評価されていないのかもしれない
  • 根拠:その考えを裏づける事実
    例)上司がこちらを見なかった。最近あまり会話がない
  • 反証:それに当てはまらない事実
    例)上司は忙しそうだった。昨日は普通に話していた。ほかの人にもそっけなかった
  • 適応的思考(バランス思考):より現実的で柔軟な考え
    例)たまたま急いでいただけかもしれない。今すぐ嫌われていると決めつける必要はない
  • 気分の変化:考え直した後の感情の強さ
    例)悲しみ40%、不安30%に下がった

たとえば「上司に挨拶したのに反応が薄かった」という状況で、「嫌われているに違いない」と考えて落ち込んだとします。しかし、「上司は忙しそうだった」「昨日は普通に話していた」という事実に目を向けると、「たまたま余裕がなかったのかもしれない」と別の見方ができます。すると悲しみや不安が減ることがあります。

大切なのは、自分を責めることではなく、考えを検証することです。無理に前向きに考えるのではなく、事実に基づいて捉え直すことがポイントです。書き出すことで思考のクセが見え、必要以上に自分を追い込まずにすむようになります。

自分の感情を数値化して紙に書く手

④小さな行動で気分を上げる:行動活性化療法

行動活性化療法は、気分の落ち込みを「考え」だけで変えようとするのではなく、「行動」から整えていく方法です。行動によって得られる達成感や楽しさ(報酬)を増やすことで、気分の改善につながると考えられています。
落ち込んでいるときは何もしたくなくなり、家にこもりがちになります。しかし活動量が減ると楽しみや達成感も減り、さらに気分が下がるという悪循環が生まれます。行動活性化は、この流れを小さな一歩で断ち切る方法です。

ポイントは、その日の気分で行動を決めるのではなく、「どんな生活を送りたいか」を基準に動くことです。たとえば「人とのつながりを大切にしたい」と思うなら、短いメッセージを送るだけでも一歩になります。「健康を大事にしたい」なら、5分の散歩から始めてもかまいません。

まずは気分と行動の関係に気づき、自分にとって大切なことを整理します。そして実行できそうな行動を決め、やってみた結果を振り返ります。難しければハードルを下げて調整します。小さな行動の積み重ねが、楽しみや自信を取り戻すきっかけになります。

セルフ認知行動療法の注意点

セルフ認知行動療法は、日常に取り入れやすい一方で、万能な方法ではありません。自分の力で心を整えることは大切ですが、無理をしたり完璧を求めすぎたりすると、かえって負担になることもあります。安全に、そして長く続けていくためには、「少しずつでいい」「できる範囲で取り組む」という気持ちが大切です。

ここでは、自分で実践する際に知っておきたい注意点を解説します。

■効果を実感するまで時間がかかる

認知行動療法は、長年身についた考え方のクセに働きかける方法です。そのため、数回で劇的に変わるものではなく、一定の時間をかけて取り組む必要があります。ただし、書き出したり見直したりするだけでも「少し気持ちが軽くなる」と感じることはあります。

この小さな変化こそが大切な一歩です。気分の強さを記録しておくと、以前より落ち込みが和らいでいることに気づける場合もあります。完璧を目指さず、小さな改善を積み重ねる意識が、挫折を防ぐコツです。

■精神疾患がある場合は主治医に相談する

うつ病や不安障害などの精神疾患がある場合、自己判断で進めるとつらさが強まることがあります。特に気分の落ち込みが強い場合は、考えを見直すこと自体が負担になることもあるため、そのような場合は必ず主治医や専門家に相談し、指導のもとで取り組むことが大切です。医療機関では症状や状態に合わせた進め方を提案してもらえます。

今日から実践する認知行動療法の心の整え方

考え事をする女性

認知行動療法は、日常の中で少しずつ実践できる心の整え方です。書き出す、体をゆるめる、考えを見直す、小さく行動する。その積み重ねで、気分の波に振り回されにくくなっていきます。

いかがでしょうか。気になった方法に少し触れてみる、そんな始め方もあります。小さな気づきが得られて変化を実感しながら、自分のペースで試してみてください。

  • この記事の監修者 松島 雅美|臨床心理士/公認心理師
    この記事の監修者 松島 雅美|臨床心理士/公認心理師

    Je respire株式会社 代表取締役社長・国際メンタルビジョントレーニング協会 代表理事
    京都女子大学大学院修了。
    日本各地の被災地でのPTSD支援、精神科クリニック、就労支援センター、教育福祉現場でのべ3万人以上をカウンセリング。
    オリンピック選手などアスリートのべ2000人以上をサポート。
    「メンタルケアは病んだ人がするもの」という日本の文化を変えるために2012年に起業。

    視覚と認知を活用してメンタルを鍛える『メンタルビジョントレーニング』を開発・提供している。
    最近では、性格診断や適性検査とは異なる視点から、個々の“得意な頭の使い方”を数値化する新概念【利き認知®】を開発。
    本手法は、人間工学・認知科学分野の国際学会での発表・採択実績がある。

    【著書】
    アタマとココロがすっきりする眼球体操(セブン&アイ出版)
    メンタル強めになる習慣(フォレスト出版)

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