冷たく乾いた風に、心までもきゅっと縮こまってしまいそうな季節ですね。体調がゆらぎやすいうえに、日々の慌ただしさも追い打ちをかけて、夕方になるとぐったりと疲れてしまっているという方も多いのではないでしょうか。 そんな「ちょっと一息ついて元気を出したいな」というときにピッタリなのが“甘酒”。やさしい甘みとやわらかな香りの温かい一杯は、すこやかさと美しさの土台を整えてくれる飲み物でもあります。 今回は、まるであなたに寄り添い応援してくれるかのような“甘酒”のおすすめの飲み方と、すぐにできる簡単アレンジレシピをご紹介。ぜひ、元気な毎日のパートナーとして取り入れてみませんか?
昔から人々の健康と美を支えてきた甘酒の力 甘酒は、実はとても歴史の古い飲み物です。奈良時代に作られた『日本書紀』には、現在の甘酒に近いと考えられている甘いお酒が登場します*1。 甘酒が庶民にも広く親しまれるようになったのは江戸時代だといわれています。江戸時代の風俗を記録した『守貞謾稿(もりさだまんこう)』という書物には、甘酒の入った釜をかついで売り歩く「甘酒売り」の姿が描かれています。 この書物によると、当時、京都や大阪では夏に飲まれることが多かったよう*2。甘くて栄養価の高い甘酒は、暑さをのりきるための栄養ドリンクのようなものだったのかもしれません。 このように、古くから私たちの暮らしとともにあった甘酒ですが、さらに近年の研究で、健康や美容に良い影響を与える働きが次々と明らかになってきています。うまく日々の暮らしに取り入れて、その力を役立てたいものですね。
甘酒を暮らしに上手に取り入れるヒント 私たちのすこやかな毎日にぴったりの甘酒。飲む量やタイミング等のポイントを押さえると、より効果的に日常生活に取り入れることができます。 ■どれくらいが適量? 甘酒の1日の目安量 甘酒には糖分が含まれており、エネルギーになる一方で、カロリーもそれなりにあります。健康的な食生活の指針となる「食事バランスガイド」では、お菓子や嗜好飲料の目安量は1日200kcal以内とされています*3。間食全体でこれを超えないよう、甘酒はコップ半分~1杯(100~200ml)程度を飲むのがおすすめ。カロリーが気になる方には、糖質・カロリーオフタイプの商品もあります。 ■あなたはいつ飲む?甘酒を飲むタイミング 【 朝 】 甘酒に含まれている糖分は、脳と体のエネルギーになります*4。これから1日を始める朝には、栄養バランスの良い朝食に甘酒をプラスすると、すっきり目覚めることができそうです。 【 午後 】 昼食後数時間たって集中力がなくなってきたなと感じたら、甘酒でエネルギー補給を。甘酒は間食としてもおすすめです。 【 夜 】 寝るまでにリラックスできるルーティンを行うと、スムーズに眠りにつくことができます*5。例えば、夕食後にホットミルクを飲むとリラックスできることが知られていますが、牛乳の代わりに甘酒はいかがでしょう?温かさとやさしい甘さに、ほっと一息つけることでしょう。ただし、寝る直前の飲食は睡眠の質を低下させることもあるようなので、避けたほうがよさそうです*6。
ふだんの一杯が楽しみに!甘酒のおすすめアレンジレシピ 甘酒は、そのままでもおいしいけれど、少しだけアレンジを加えると、ぐっと楽しみが広がります。 ここでは手軽にできる簡単アレンジレシピをご紹介。ご自身の好みに合ったアレンジ方法を見つけて、毎日の「甘酒時間」を自分らしく楽しんでみませんか? ●まろやかな甘み「ホット甘酒豆乳チャイ」 甘酒に豆乳を加えるだけでもまろやかでおいしいですが、寒い冬におすすめなのがこの飲み方。鍋に甘酒と紅茶の葉、ショウガ、砂糖を入れて煮込んだ後、豆乳を加えて沸騰したら出来上がり。お好みでシナモン等を加えてもおいしいですよ。 ●香ばしさがふわっと広がる「きな粉甘酒」 甘酒にきな粉を溶かすだけで、香ばしさとコクがふわっと広がる、ほっと落ち着く味わいに。温かくしても冷たくしてもおいしい、どの季節にも合う手軽なアレンジです。 ●スッキリ爽やかな香り「ほっとレモン甘酒」 甘酒にレモン果汁(レモン1/4個分くらいがおすすめ)を加えてよく混ぜ、電子レンジで温めます。スッキリとした味わいで、リフレッシュしたいときにおすすめ! このほか、ショウガやココア、抹茶等を混ぜたり、牛乳や炭酸水で割ったりと、楽しみ方はあなた次第!ドレッシングや料理に使うのもおすすめです。 1日をスタートする朝に、午後のひと息に、夜の自分時間にーーあなたのライフスタイルや好みに合わせた楽しみ方で、甘酒を暮らしに取り入れてみませんか? *1 農林水産省WEBサイト「にっぽん伝統食図鑑」 *2 喜田川季壮尾張部守貞 誌『守貞謾稿』巻6,写. 国立国会図書館デジタルコレクション *3 農林水産省『カッコいい中高年をサポートする 食事バランスガイド』 *4 田地陽一編『栄養科学イラストレイテッド 基礎栄養学 第5版』羊土社,2025 *5 柳沢正史監修『快眠法の前に 今さら聞けない睡眠の超基本』朝日新聞出版, 2024 *6 Su I Iao et al. Associations between bedtime eating or drinking, sleep duration and wake after sleep onset: findings from the American time use survey. British Journal of Nutrition. 2022,Vol.127, p.1888-1897 (参考文献閲覧日:2026年1月27日)