鏡に映る自分の姿を見て「あれ、なんだかお腹が出てきたかも…?」と思ったことはありませんか。その“ぽっこりお腹”、もしかしたら「仙骨(せんこつ)」の傾きが原因かもしれません。 仙骨は、骨盤を構成する骨の一つで、背骨を下から支える土台となる骨。この傾きによっては、姿勢が悪くなり、お腹がぽっこりと出てしまうばかりか、全身の不調につながることもあります。 良い姿勢を保ち、若々しい毎日を送りたいなら、仙骨を意識してみましょう。「ながら」でできる、仙骨を立てる座り方もご紹介します。
その不調は「仙骨」の傾きが原因かも?簡単セルフチェック! 仙骨は、背骨と骨盤をつなぐ体の要(かなめ)ともいえる骨。この骨が前や後ろに倒れていると姿勢が悪くなり、その結果、お腹がぽっこりと出ているように見えたり、肩こりや腰痛が引き起こされたりすることがあります。また、長時間の不良姿勢を引き起こし、呼吸が浅くなるなどして、自律神経の乱れや全身の不調につながることもあります。 では、あなたの仙骨はどうなっているでしょうか? 簡単なセルフチェックで、今の状態を確かめてみましょう。 【仙骨セルフチェック】 以下の①②の順に動いてみましょう。 壁に、後頭部、背中、お尻、かかとをつけてまっすぐ立ちます。 腰と壁の間に、手のひらを差し込みます。 <結果> 手のひらがぴったり収まる 状態:理想的な状態です。 手の厚さより隙間が広い 状態:骨盤が前に傾いている可能性があります。 手のひらが入らない、またはきつい 状態:骨盤が後ろに傾いている可能性があります。
「仙骨を立てる」だけで得られる3つの効果 セルフチェックで「仙骨が傾いているかも」と感じたら、どうしたらよいのでしょうか。その解決策は、仙骨を「立てる」こと。たったこれだけで、若々しい毎日を保つために大切な3つの効果が得られます。 効果1 呼吸が整い、代謝もアップ 長時間、仙骨が後ろに傾く姿勢を続けていると、背中が丸まり、呼吸が浅くなりがち。仙骨を立てることで胸が開きやすくなり、深い呼吸ができるようになります。 深い呼吸になると、自律神経のバランスが整い、代謝アップやリラックス効果も期待できます。 効果2 インナーマッスルが刺激され、お腹まわりが引き締まる 仙骨が立つと、体の深い場所にある筋肉(インナーマッスル)が無理なく働き始めます。これらの筋肉は、内臓を支えたり、姿勢を安定させたりする大切なもの。インナーマッスルをしっかり使えるようになれば、お腹も引き締まって“ぽっこり”が軽減します。 効果3 美しい姿勢で、見た目や印象が若々しく 仙骨が立つことで、背骨から頭のてっぺんまで一直線に整い、背筋が自然と伸びます。 無理に胸を張らなくても、立ち姿や座り姿が美しくなり、若々しい印象に。重心が安定するので、疲れにくくもなります。
今日から1分!仙骨を立てる座り方 「仙骨を立てる」ことに難しい動作や筋トレは必要ありません。普段無意識に行っている座り方を、少し見直すだけです。はじめは、1日のうちほんの1分間意識を向けるだけで大丈夫。そのうちに仙骨が自然に立ってくるはずです。 ●椅子に浅く腰かける 背もたれに寄りかからず、椅子に浅く腰をかけます。 足の裏を床に付け、ひざの角度はおよそ90度になるように座りましょう。 ●仙骨を立てて背筋を伸ばす お尻の下に手を入れ、お尻を前後左右に動かしたときに感じる骨が「坐骨(ざこつ)」です。背中を自然に伸ばしてあごを軽く引き、この坐骨のとがった部分がいすの座面に立つように、上体の前後の傾きを調整しましょう。ヨガではよく「坐骨をぐさっと刺す!」と表現します。力を入れすぎたり、無理に胸を張ったりしすぎないことがポイントです。 ●下腹を軽く引き上げて深呼吸 そのままゆっくりと深呼吸してみましょう。胸とお腹が同時に広がり、呼吸がしやすくなっているはず。これを毎日1分間ほど続けるだけで、正しい姿勢が身についてきます。 仙骨は足と背骨を結ぶ大切な骨です。 仙骨の向きをしっかり意識して体幹を支えることが、体の軸を作る上でとても大切。美を追求するバレエダンサーも、仙骨を意識することで美しい姿勢を作っています。 本を読みながら、テレビを見ながら、あるいはデスクワークの合間にもできる「仙骨を立てる座り方」をぜひ習慣にして、若々しく元気な毎日を過ごしましょう。