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冬の眠れないを考える

睡眠の質を高める正しい3つの方法

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朝起きてすぐ体が重い、気分が憂鬱…。それは、実は冬特有の“睡眠の質の低下”が関係しているかもしれません。この記事では、冬に注意したい落とし穴と、今日からできる快眠の工夫を紹介します。

冬の「睡眠の質の低下」が招く意外な不調とあなたの睡眠の質をチェック!

寒くなる時期に感じる「体がだるい」「眠気がとれない」等の不調は、冬特有の睡眠の質低下が関わっているかもしれません。

寝起きに伸びをする女性

●寝ているはずなのに「朝がだるい」

十分に眠ったはずなのに「朝がなんだかだるい」と感じたことはありませんか?これは、スムーズな入眠ができずに深い眠り(ノンレム睡眠)の割合が少なくなった時に起こりやすい感覚です。

また、冬は日照時間の短さや室内外の寒暖差によって自律神経が乱れ、深い眠りに必要な「深部体温のリズム」が乱れやすくなります。

●日中に「なんとなく気分が沈む」

日照時間が短い冬は、体内時計が後ろにずれて夜に眠気が起こりにくくなります。そこに、浅い眠りが重なることで、セロトニンやメラトニンといったホルモンの分泌が乱れます。これが、日中の気分の落ち込みを引き起こすのです。

●冬になると「体重が増える・むくむ」

一般的に、睡眠の質が下がると代謝が落ち、消費エネルギーは少なくなります。
また、冬の日照不足などが原因で睡眠不足が続くと、ホルモン分泌のリズムを乱し、食欲を抑えるホルモンである「レプチン」が減少し、食欲を増進させるホルモン「グレリン」が増加します*1。結果、甘いものや炭水化物が欲しくなりやすくなるのです。

加えて、乾燥や浅い眠りが血液やリンパなど循環の低下も招き、余分な水分が溜まってむくみが出やすくなることもあります。

もしこれらに心当たりがある場合は、睡眠の質に影響している可能性があります。まずは、自分の睡眠の質をチェックしてみましょう。

【睡眠の質チェックシート】

※当てはまる数が多いほど、睡眠の質の見直しが必要になります。

今日からできる!冬ならではの睡眠の質を高める快眠ルーティン

冬特有の不調は、ちょっとした工夫で和らげることができます。ここでは、専門家の視点からすぐできる睡眠の質を高める快眠習慣を紹介します。

●足元を温めて体の中心を“冷めやすく”

実は、眠気がくるのは「体の深部体温が下がった時」です。熱いお風呂や入浴直後に寝ようとすると、入眠を阻害してしまいます。寝る1~2時間前に入浴をすると、ゆるやかに体温が下がり、眠気が訪れやすくなります*2

また、就寝時には足元をじんわり温めることで末端の血管が広がり、体の内側の熱が外へ逃げ体の中心部が自然に冷めるため、眠りやすくなります*2

【対策】

  • 湯たんぽを布団の足元に入れておく
  • 締めつけないレッグウォーマーを履いて寝る
  • 寝る前に足首だけシャワーをする
レッグウォーマーを履く女性の足

●朝の光を浴びて“夜の眠気”を作る

夜に眠気を作るホルモンであるメラトニンは、日中に光を多く浴びることで分泌量が増加します*2。朝からしっかり光を浴びることが、その日の夜の睡眠につながります。

【対策】

  • 起きたらまずカーテンを開ける
  • 外出しない日はリビングの照明をできるだけ明るくする
  • 寝る1時間前までにはスマートフォン等の光を控える

●乾燥を防いで“脳を休みやすく”

冬、乾燥によって喉が渇いて定期的に目が覚めてしまうという人も多いです。喉が乾くと、脳が「危険」と判断し覚醒しやすい状態になります。寝室の湿度は50-60%が快適です*3。湿度を保つだけでものどの乾燥が緩和され、脳も休まります。

【対策】

  • 加湿器で室内の湿度を50-60%にする
  • ぬれタオルを枕元にかける
  • 加湿にアロマ等を加えると、更に脳のリラックスにつながる

※人工的な香りではなくアロマオイルがおすすめです

ベッドサイドに置いた加湿器

眠れない原因はズバリこれ!冬の睡眠を阻む~3つの落とし穴~

掛け布団をめくったベッド

①:布団の中を温めすぎ

布団の重ねすぎや電気毛布をつけたまま眠ると、寝ている間に汗をかき、布団の中に熱や湿気がこもって逆に体を冷やしてしまいます。吸湿性と通気性の良い寝具や綿のパジャマを選んだりする等、体温調整しやすい環境に整えることが大切です。

②:日照不足と運動不足で眠気が起きにくい

冬は日照時間が短くなり、外に出る時間も減りがちになります。寒さも加わって体を動かす時間が減ると、体温リズムが崩れて夜になっても自然な眠気が訪れにくくなります。
日中は少しでも太陽の光を浴び、体を動かす習慣を心がけましょう。

③:更年期による体温調整の乱れ

更年期を迎える40~50代の女性は、女性ホルモンの減少で自律神経が乱れ、体温調節が不安定になることが多いです。夜に急にのぼせたり、発汗・動悸がきっかけで、眠れなくなることがあります*4。毛布を一枚抜き差しできる状態にしておく等、寝具を調整しやすい工夫をしておくと良いでしょう。

冬は気付かないうちに睡眠の質が下がり、心や体に小さな不調が積み重なりやすい季節です。本記事で紹介した方法のなかから今日からできることを取り入れることで睡眠の質を高めて、充実した快眠を手に入れてください。

*1 厚生労働省 健康日本21アクション支援システム「睡眠と生活習慣病との深い関係」
*2 厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」
*3 松本美栄「誰でも簡単に疲れない体が手に入る 濃縮睡眠®メソッド」かんき出版, 2019, p.159
*4 厚生労働省「健康日本21アクション支援システム」女性の睡眠障害

(参考文献閲覧日:2025年11月21日)

  • この記事の監修者 松本 美栄|一般社団法人 濃縮睡眠協会代表理事
    この記事の監修者 松本 美栄|一般社団法人 濃縮睡眠協会代表理事

    睡眠デトックス・姿勢美矯正サロン「プロスパービューティー」を運営する。サロンとスクール経営の他、企業での講演やセミナーも行っており、延べ6,000人以上の睡眠に関する悩みを解決してきた。脳科学、解剖学、行動理論の各分野から疲れの本質にアプローチする「濃縮睡眠メソッド」を開発し、経営者や士業など、多忙を極めるビジネスパーソンの間で評判となる。著書に 『誰でも簡単に疲れない体が手に入る 濃縮睡眠メソッド』(かんき出版)と『パフォーマンスを劇的に変える!快眠習慣』(自由国民社)がある。

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