暑い夏は、どうしても冷たい飲み物や食べ物をとる機会が多くなります。冷たいものをとり過ぎると腸が冷えて体がダメージを受け、夏バテの原因になることも…。冷えた腸は、気軽にできる腸活マッサージでケアしましょう。今回は、腸活マッサージの効果や手順を詳しく解説します。
「腸の冷え」は、夏バテの原因の1つ 昨今の夏は年々暑さが厳しく、外の猛烈な暑さと室内の涼しさとの温度差が大きくなっています。このような温度差は、自律神経のバランスを崩しやすく、体調を崩す原因の一つになります。また、クーラーの風にあたり過ぎたり、冷たい食べ物や飲み物をとり続けたりすると、腸が冷え、便秘や下痢のほか、疲労感や不眠といった夏バテの原因になることもあります。腸の冷えからくる夏バテ対策として「腸活マッサージ(腸もみ)」がおすすめです。自分の手で小腸と大腸を心地よくマッサージして、お腹のケアを毎日の習慣にしましょう。
腸活マッサージの手順*1 腸活マッサージ(腸もみ)に挑戦するにあたって「興味はあるけれど、やり方がわからない」「痛そうでこわい」と思うかもしれません。今回紹介する腸活マッサージは、誰でも簡単にできて痛みもありません。自分の腸とコミュニケーションをとりながら実践しましょう。 ●︎腸活マッサージの基本姿勢 以下のいずれかの姿勢からスタートします。 背もたれのある椅子に浅めに寄りかかる 椅子に座り前かがみになって背中を軽く丸める 仰向けになり、膝を立てる 軽く膝を立てて座る ●︎腸活マッサージ方法 【小腸もみ】 おへそを覆い隠すように両方の手のひらを重ねて置く(どちらの手を上にしても大丈夫です) 手の位置はそのまま、手のひらの外側に順に力を入れ、自然な呼吸でおへその周りを時計回りに押し回す。 1周6秒前後、1分で10周が目安です。10~20周で1セット、1日1セット以上行いましょう。 ■ポイント手のひらをお腹に密着した状態で回転させた時、お腹に痛みや苦しさ、圧迫感、不快感がないことを確認しましょう。 【大腸もみ】 利き手を下にして、人差し指、中指、薬指の3本の指を重ねる 手のひら全体をお腹につけ、3本の指の腹が重なり合った部分で、右骨盤の内側を押す 右骨盤の内側→右肋骨の下→みぞおちの下→左肋骨の下→左骨盤の内側の順に5ヵ所を息を吐くタイミングで押す 5ヵ所目の左骨盤の内側は、小さく円を描きながら回し、押し揉みする 1~5ヵ所目まで押して1セット、1日1セット以上行いましょう。 ■ポイント指の腹で押して、痛みがある場所は力を抜きます。反対に、強めに押しても痛くない場所は、しっかり刺激しましょう。 ●︎腸活マッサージの注意点 ここからは、腸活マッサージの注意点です。 時間帯 腸活マッサージは、食後1時間は避けましょう。おすすめのタイミングは、起床時、就寝前、食事と食事の間、入浴中、入浴後等です。ソファでくつろいでいる時や、トイレの中でもできるのが腸活マッサージの魅力です。 服装 腸活マッサージは、締めつけ感の少ない服装で行ないましょう。ベルトやボタンがある場合はゆるめて行ってください。 強さ 腸がリラックスできる“心地いい〜痛気持ちいい”程度の強さが目安です。ツボ押しと同様、痛みを伴う強さのマッサージは腸と周辺の筋肉が過度に緊張し、不快感やお腹の調子が悪くなるなど逆効果になります。 リズム 息を止めず、ゆっくりとした呼吸に合わせて行うのが気持ちいい腸活マッサージのコツです。 回数 1日1セット以上が目安です。一度にたくさんもむよりも、短時間でいいので毎日続けることが理想です。 腸活マッサージを控えてほしい人 妊娠中、産前産後、妊娠の可能性がある人は腸活マッサージを控えましょう。また、病気や療養中の人は腸活マッサージをはじめる前に、かかりつけ医の指示を仰いでください。
腸もみを1日2分からはじめてみましょう! 今回紹介した腸活マッサージは、小腸もみと大腸もみを1セットずつなら、2分程度でできます。小腸もみ、大腸もみは別々のタイミングで行っても構いません。初めて腸活マッサージを行う人でも、1~2週間続けると感覚やコツがつかめてきます。腸活マッサージを習慣にして、夏バテ知らず、冷え知らずの腸と体を目指しましょう! *1 真野わか「日本一の腸もみプロが教える、腸もみで腸そうじ」大和書房, 2013, p.38-47 (参考文献閲覧日:2025年6月24日)