気がつけば、今日もスマホをずっと見ていた……なんてこと、ありませんか? 今や、片時も手放すことができないという人も多いスマホ。けれど、使い過ぎは「脳疲労」につながるうえ、「老化」を早めて美容にも悪影響を与えているかもしれません。 この記事では、スマホと老化の関係や、日常生活に取り入れたい対策についてお伝えします。
スマホの使い過ぎが、老化につながる!*1 スマホでWEBサイトやSNSを長時間見続けるなど、一つの作業に集中したり同じことを繰り返したりすると、脳が酷使されます。このとき、細胞ではエネルギーをつくり出すために大量の酸素を消費しますが、同時に発生するのが「活性酸素」です。活性酸素は、増えすぎると酸化ストレスにより神経細胞を傷付け、その結果、脳の情報処理能力が低下する「脳疲労」に陥ってしまいます。 ここで意識しておきたいのが「疲労」と「老化」の関係です。 疲労は、細胞の傷が解消されれば回復します。しかし、疲労が積み重なってダメージが大きくなり、回復できなくなった状態が「老化」だと考えられています。 つまり、疲労をため込んだままにしておくと、老化のスピードを早めることになるのです。
えっ!? スマホの使いすぎで老け顔に? スマホの使用は、肌の老化につながることも。 スマホの画面からは、ブルーライトと呼ばれる光が出ています。ブルーライトは、紫外線と同じように肌の内部で「活性酸素」を発生させ、シワやシミ、たるみなどの原因になることがわかっています*2。特に就寝前の肌は、日中のように紫外線対策をしていない無防備な状態。そのため、ブルーライトの影響を受けやすいと考えられます。 また、寝る直前までスマホを使っていると、覚醒度が高まり、睡眠の質が低下してしまいます*3。眠りの質が落ちると、夜間に行われる肌のメンテナンスやターンオーバーが十分に機能しにくくなり、肌荒れやくすみなどの肌トラブルにつながる恐れがあります。
週末に実践! 「デジタルデトックス」のすすめ 便利な一方で、健康や美容に悪影響を及ぼしかねないスマホ。 そこでおすすめしたいのが、スマホやパソコンなどのデジタル機器から少し距離を置く「デジタルデトックス」です。スマホを使う時間を意識的に短くすることで、脳や肌への負担を減らしましょう。 ★デジタルデトックスのヒント★ ●スマホを手に取らない時間・場所をつくる トイレや寝室など持ち込まない場所や、「食事中はテーブルに置かない」「寝る1時間前からは使わない」などのルールを決めて、スマホを意識しない時間を増やしましょう。 ●アプリを断捨離する 使っていないアプリを削除するなど整理することで、スマホを使う目的が明確になり、意味なく使う時間を減らせます。 ●スマホの機能を活用 スマホには、画面を見ている時間を確認したり、アプリの使用時間を制限したりする機能があります。上手に使って、だらだらと使うことをなくしましょう。 ●自然の中で過ごす 自然の中での散歩、庭でのガーデニング、ハイキングやキャンプ、バーベキューなど、自然の多い場所で過ごすと、リラックスして自律神経のバランスも整いやすくなります。 ●アナログな活動を楽しむ 余裕のある時間には、本を読んだり絵を描いたりして過ごすほか、趣味を楽しむ、ストレッチや瞑想をする、家族でボードゲームやカードゲームを楽しむなどもおすすめです。 無理をする必要はありません。まずは週末だけでも、デジタル機器から少し離れてみる時間をつくってみましょう。
スマホによる疲労に効く! 頭皮マッサージですっきり スマホを長時間使うと、目のまわりや首、肩の筋肉が緊張して血行が悪くなります。ひどくなると、頭痛や肩こり、めまいなどを伴う「眼精疲労」に発展することも。また、顔の血行が滞り、たるみやくすみの原因になることもあります。頭皮マッサージで血行を促し、目や肌をリフレッシュしましょう。 ●側頭部のマッサージ 両手の手のひらの付け根部分でこめかみを軽く押さえ、円を描くように10秒ほどクルクルとマッサージします。力を入れすぎず、気持ちいいと感じる強さで。 ●頭頂部のマッサージ 両手の人さし指から小指までの4本を頭のハチ(側頭部の最も出っ張っている部分)に置き、指先で頭頂部の地肌を軽くつまみ上げるように、ゆっくりマッサージします。 ●後頭部のマッサージ 頭蓋骨と首の境付近にある上天柱のツボに、人さし指、中指、薬指をそろえて置き、円を描きながら5秒間マッサージします。 頭皮マッサージは、脳の疲れを取り除き、心と体の調子を整えます*4。スマホが手放せない時代だからこそ、こういった手軽にできるセルフケアを取り入れて、明るい表情を取り戻しましょう。 *1 梶本修身『隠れ疲労』朝日新書, 2017 *2 J Kumari et al. The impact of blue light and digital screens on the skin . J Cosmet Dermatol. 2023, Vol.22(4), p.1185-1190 *3 Jing-Wen He et al. Effect of restricting bedtime mobile phone use on sleep, arousal, mood, and working memory: A randomized pilot trial. PLoS One.(2020 Feb 10) *4 西川聡「頭皮マッサージで心と体を癒やす ヘッドセラピー入門」マイナビ文庫, 2015 (参考文献閲覧日:2025年12月19日)