50~60代は、更年期に当たる時期でもあり、イライラや不安感に悩まされやすくなります。また、春は新生活や年度初めの環境の変化によって、ストレスを感じやすい季節です。そんな時は、簡単にできる手の「ツボ押し」を試してみませんか?手には多くのツボが集まっていて、ツボを適度に刺激することで、自律神経のバランスを整え、ストレスの緩和やリラクゼーション効果が期待できます。
あっという間にスッキリ!手のツボ押し ツボ押し前の準備 椅子に深く腰かけ、肩の力を抜いてリラックスした状態で行うと効果が高まります。さらに、両手を組んで手首を回すなどして、力を抜きしましょう。 ツボ押しの実践 ストレスに効果があるといわれているツボ、合谷(ごうこく)と落枕(らくちん)です。ぜひ、2つの「ツボ押し」を実践してみてください。 合谷(ごうこく) 頭をスッキリさせて緊張をほぐす効果が期待できるツボです。鍼灸師や指圧師など、専門家の間でよく使われます*1。合谷は、手の甲側で、親指と人差し指の骨が交わる部分から、やや人差し指寄りの上にあります。 反対の手の親指を合谷に当て、ほかの指で手のひらを支えます。「痛気持ちいい」と感じる強さで3秒~7秒かけて押し、3秒かけてゆっくりと離す動作を10回程度繰り返します。 落枕(らくちん) 首の緊張や痛みに対する施術で利用されるツボです*2。パソコンやスマホの操作で日ごろから首に負担がかかっている方におすすめです。落枕は手の甲側で、人差し指と中指の骨が交わる付け根あたりに位置します。 反対の手の親指で落沈を押し、ほかの指で手の甲を支えます。「痛気持ちいい」と感じる強さで、3~7秒間押し、ゆっくり3秒かけて離す動作を10回程度繰り返します。 *1 砂川正隆ほか. 鍼治療がストレス反応に及ぼす影響─円皮鍼の基礎研究より─. 自律神経. 2019, 56巻3号, p.152 *2 松本勅ほか. 手部経穴(合谷、後渓、落枕)置鍼による頸部可動域の変化. 全日本鍼灸学会雑誌. 2017, 67巻1号, p.27
ストレスと体の不調の関係 ストレスが過剰になると、自律神経系に影響を及ぼし、以下のような不調が現れることがあります*3*4。 肩コリや頭痛、腹痛、腰痛などの痛み ストレスにより筋肉が緊張し、これらの痛みを引き起こすことがあります。 睡眠障害 寝付きが悪くなったり、夜中や朝方に目が覚めるなどの症状が見られます。 食欲の変化 食欲が低下して食べられなくなったり、逆に食べ過ぎてしまうことがあります。 消化器系の不調 下痢や便秘などの症状が現れることがあります。 さらに、ストレス反応が慢性化すると、心の健康や体の疾患に至ることがあります。たとえば、高血圧症、胃・十二指腸潰瘍、過敏性腸症候群などが挙げられます*5。このように、ストレスは心の健康に深く関わっているため、日頃からストレスのサインに気付き、場合よっては医療機関での適切な対処を行うことも重要です。 *3 厚生労働省 こころもメンテしよう~若者を支えるメンタルヘルスサイト~「ストレスのサイン」 *4 厚生労働省 働く女性の心とからだの応援サイト 専門家コラム 「ストレスとは」 *5 厚生労働省 働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト 心の耳 「ストレスからくる病」
まずは日常生活のすきま時間に実践! 忙しい日々の中でも、短時間で実践できる「ツボ押し」は、ストレス緩和の強い味方となるでしょう。ぜひ、家事の合間や電車の中など、すきま時間を活用して、「ツボ押し」を日常生活に取り入れてみてください。 (参考文献閲覧日:2025年4月4日)