お菓子と虫歯の関係

お菓子と虫歯

わが国では昔から砂糖が虫歯の元凶だと信じられてきました。 そして誰もが「虫歯になりたくなかったら、甘いお菓子を食べない ように!」と、子どもの頃に言われていたことでしょう。

でもこれは全くの迷信。事実、砂糖の摂取量と虫歯の発生率は 比例しないという研究事例もあります。

虫歯発生のメカニズム

虫歯になるかどうかのポイントは何でしょう?それは食べ方です。私たちは食べものを食べると、その食べかす(糖質)が酸性になり、それがだ液で中和され、また食べて酸性になるということを6時間ごとに繰り返しています。このとき食べかすが長時間口中に残ると虫歯菌(ミュータンス菌)が歯垢をつくり、歯垢が歯の表面に残ると細菌を増やし、細菌が歯の表面のエナメル質を溶かすことで虫歯になるのです。

虫歯予防のための食育

虫歯予防には「長時間食べかすが口中に残らないような習慣」を身につけることが大事です。おやつの時間をきちんと決めて、いつまでもだらだら食べないこと。食べた後は歯を磨くか、口をすすぐようにしましょう。

おやつ、とりわけ甘いお菓子を食べることでホッとしたり、気分転換ができたり…おやつには脳を元気にする大切なはたらきもあります。そんな「おやつ文化」を残していきたいものです。

子どものおやつと肥満

子どもは3度の食事だけでは栄養不足

おやつの役割のひとつに、「栄養補給」があります。特に育ち盛り、伸び盛りの子どもたちは消化器官が未発達なため、3度の食事だけではすこやかに成長するために必要な栄養や、活発な運動に必要なエネルギーが充分に摂取できません。1日に必要な食事量の1〜2割(150〜300kcal)をおやつでとることが望ましいのです。おやつは、そうした不足分を補うものとして、とても大切な意味をもっています。「10時と3時のおやつ」は、食べる時間や適量を考慮したことなのです。

食習慣は幼児期に決まる

健康のために食習慣を見直そうと思っても、なかなか改善できない…このような経験があるかと思います。それもそのはず、生涯の食習慣の大部分が形成されるのは小学校入学前の幼児期だからです。この時期の食習慣の良否は一生の健康に大きく関与します。

昼間遊び疲れて夕食を食べずに寝てしまうことなど、生活のリズムが乱れると食習慣も乱れがちです。規則正しい生活のリズムを身につけることが大切です。

早食いの子は肥満

「おやつを食べると太る」と思い込んでいる方は大変多いと思います。 でも実はおやつが悪いのではなく、食べ方にも原因があるのです。

「早食いをする子どもは、ゆっくり食べる子どもに比べて肥満度が高い」という研究報告もあります。さらに「一口で食べる量が多い子どもほど肥満傾向にある」との結果も出ています。子どもの肥満の予防策は「ゆっくりとよく噛んで食べる」といった、正しい食習慣を早くから身につけさせることが一番なのです。