おいしさの研究

ソフトキャンディの技術

ミルクキャラメル技術 × 新技術から誕生。
世界へ広がるやわらか食感とジューシーな味わい。

森永製菓のキャンディ技術は創業時の「キャラメル」から始まり、特に大正期に発売した「森永ミルクキャラメル」は、上質な甘みとミルクの味わいに、携帯性に優れ日本の多湿な気候下でも品質を維持できる二重紙サックを採用し、大ヒットとなりました。その後も研究を重ね、糖の結晶の安定化や風味のバランス改良により、柔らかくなめらかな品質で110余年のロングセラーとなっています。

その技術にさらなる研究を重ねて1975年に誕生したのが「ハイチュウ」です。「ハイチュウ」最大の特長である柔らかい食感と心地よいチューイング性は、試作により選び抜いたゼラチンや水あめなどの原料と配合バランス、練り上げ時間や温度など製造時の諸条件を綿密に調整することで実現しています。
また噛みだしから食べ終わりまで長続きするジューシー感は、果汁とフレーバリング技術により口中での風味変化と後味のすっきり感まで考慮し設計しています。

工場では各工程でのキャンディの水分や温度、時間などの諸条件を厳しく管理し、工程途中でのキャンディのべたつきや変形を抑え、品質の安定性確保と高速包装による生産を可能にしています。
当社の技術が生み出す高い品質が評価され、「ハイチュウ」は現在アメリカ・中国・アジア・欧州・オセアニアなど世界中へ市場を拡大しています。

ビスケット・スナック技術

素材のおいしさを最大限に活かして焼き上げる。
軽快な食感からコンビネーションまで幅広く。

森永製菓は1923年に「マリービスケット」を発売、1954年には全長70mのバンドオーブンを導入して高品質なビスケットの大量生産を開始し、これまで「マリー」「ムーンライト」「チョイス」「チョコチップクッキー」などバラエティ豊かなビスケット・クッキー商品を開発してきました。

開発では、原材料の厳選から、配合、生地の練り上げ、成型、焼成時間や温度、包装まで諸条件を細かく研究し、各商品に最適の風味や食感の開発に取り組んでいます。例えば「ムーンライト」では、生地を傷めずに丁寧に練り上げ、オーブンでの焼成条件も綿密に設定することにより、卵の風味を豊かに、きめが細かく口どけの良い食感での焼き上がりを実現しています。また、「チョコチップクッキー」では焼いても固くなりにくいチョコチップを開発し、クッキーの食感のよさとチョコレートの満足感を両立させています。現在、「森永ビスケット」シリーズの多くが、最新鋭の設備を導入した工場で安定的かつ効率的に生産されています。
さらに、総合菓子メーカーの強みとして、チョコレートやマシュマロなど他素材との組み合わせ商品も数多く開発し、おいしさはもちろん、油分移行の抑制や長期賞味期間の半生ケーキでのしっとり食感の実現など、品質保持や安定性向上の研究も重ねています。

スナックでは、「おっとっと」が当社独自開発の中空成形技術により実現した軽快な食感と細かくユニークな形状で、お子様を中心に幅広い年齢層から支持をいただいています。

チョコレートの味づくり技術

国産チョコレートのパイオニア、森永製菓。
カカオの味わいと繊細なくちどけを実現。

1918年、森永製菓は大規模な設備を導入しアメリカから技術者を招聘して、日本で初めてカカオ豆からの一貫製造による国産チョコレートの製造販売を開始し、それまで輸入原料が主で非常に高価だったチョコレートが一般にも広まる草分けとなりました。以降、森永製菓では、香りやコクや口どけなど日本人の繊細な味覚に合うおいしいチョコレートを実現するべく研究開発を重ねています。

◇CCX製法(「ダース<ミルク>」他):
日本で年齢層を問わず幅広く愛されるミルクチョコレートでは、カカオの風味とミルクのコクの双方がおいしさの鍵となります。CCX製法はチョコレートを『調理』することにより、カカオの香り・甘さのキレ・口どけのよさ・ミルクのコクを実現する森永製菓独自の製法です。

◇ハイカカオチョコレート技術(「カレ・ド・ショコラ<カカオ70>」他):
カカオ分の高いチョコレートは、カカオ豆特有の酸味や渋みなどが出やすくなります。森永製菓では、原料のカカオ豆の品種選定と配合に加え、製造工程でのローストや細粒化、コンチング(練り込み)などでの製造条件を細かくコントロールすることで、カカオ豆の本来の香りとおいしさを逃がさずに雑味は抑え、食べやすくおいしいハイカカオチョコレートを実現しています。

ベイクドチョコレート技術

斬新な発想が生んだ新技術「焼きチョコ」。
進化を続けるチョコレート技術。

森永製菓では、日本初のカカオ豆からの一貫製造開始(1918年)以降、「日本のチョコレートのパイオニア」として、従来の常識を超えてお客様に新しい価値と感動をご提供するべく、常に新技術・新品質の研究開発に取り組んでいます。例えば、成型技術による繊細なチョコレート「小枝」、軽快な食感のクリスプ層とパンワーク技術による「チョコボール」など多数の商品が長くご愛顧をいただいてきました。

最新技術のベイクドチョコレート技術は、研究者が別商品の試作の途中でチョコレートを『焼く』という斬新な発明したことに端を発しています。チョコレートの油脂や配合の研究や、カカオの風味を保っておいしく焼き上げる生産技術の開発により、表面はパリッとした食感で内側はふんわりとろける二重構造のチョコレート「ベイク」誕生へつながりました。夏季など高温下でも溶けず手を汚さないという点も、チョコレートの可能性を広げるこの技術の大きな特長です。

さらに、森永製菓では、ベイクドチョコレートをケーキやクッキー、乳製品など他の素材と組み合わせることにより、チョコレートでありながらケーキのような新しい味わいと食感を実現するなど、菓子全体での新たな価値創造にも活用していきます。

「チョコモナカジャンボ」の技術

パリパリ食感とアイス&チョコの三位一体。
冷菓技術と菓子技術のコンビネーション。

森永製菓は、総合菓子食品メーカーとして菓子食品・冷菓・健康の分野を超えて技術を融合させ、新たな品質価値の創造に取り組んでいます。同時に、その価値を損なうことなくお客様のお手元に届けるための品質維持の技術開発や活動にも日々研鑽を積んでいます。
モナカのパリパリ食感と中央のチョコレートの食感や食べごたえあるボリュームの冷菓主力商品「チョコモナカジャンボ」の品質も、その両方により実現したものです。

外側のモナカが中のアイスからの水分移行で吸湿してモナカのパリパリ感が失われるのを防ぐため、モナカ裏面にチョコレートをムラなく均一にスプレーし、薄いチョコレートの層で守っています。同時に、時間経過や保管状態でも食感の変化が発生するため、工場から物流まで一貫した生産計画と管理を徹底しています。
また、中央のチョコレートは、パリッと厚みのある板チョコのような食感と、アイスで冷えた口中でもチョコレートらしい口どけとおいしさが感じられるように、菓子の研究開発で培った技術も活用し、専用の特殊なチョコレートを使用しています。

「ジャンボ」シリーズだけではなく、周囲の食べごたえあるチョコレート層が特長の「パキシエル」、アイスの中で幾重も層になったチョコの食感が楽しめる「パリパリバー」「サンデーカップ」など多くの商品に、菓子技術と冷菓技術の融合が生かされています。

「inゼリー」の技術

栄養 × おいしさ × 食感 × 腹もち × 手軽さ。
最新技術でアクティブな毎日を幅広くサポート。

「inゼリー」は、アスリートが過酷なトレーニングや試合の合間でも必要なエネルギーや栄養を素早く摂取できることを目的に1994年に生まれた商品で、今では数多く市場に並ぶゼリー飲料の先駆けでありトップシェア商品です。現在では、その品質と利便性の高さにより一般にも広がり、多忙な時や体調不良時の食事代替や栄養補給、スポーツ後のからだづくりなど幅広く活用されています。

「inゼリー」の技術的優位性は、独特の食感(ゼリーの弾力、かたさなど)の形成と、飲みやすい風味のバランスにあります。研究開発では、摂取目的や特徴に合わせ、種類ごとに原料の選定も配合もすべて細かく変えています。例えば「エネルギー」では適度な食べごたえとマスカットらしい果肉感も感じられるバランス、「マルチビタミン」「マルチミネラル」「プロテイン」などでは栄養素特有の苦みやクセを抑えたみずみずしく飲みやすい味づくりなど、各種各様に最適なゼリーの食感と風味になるよう工夫を重ねています。
特に重要なゼリーの食感は、研究では電子顕微鏡で組織の状態をチェックし、工場では独自の方法で数値化したデータを用い常に安定した品質で製造できるよう、厳密な管理を行なっています。また、ゼリーの離水(ゼリーから水分が出てしまうこと)を抑えておいしく飲みやすい食感が維持できるような配合や製造技術を独自に開発しています。

スクイーズ可能で携帯にも便利なストロー付パウチの容器も「inゼリー」が最も早くゼリー飲料に採用したものです。現在は飲用層の拡大に合わせ、ストローの形状や易開封性を向上したキャップへなど、品質・包装ともに常に進化へ取り組んでいます。

研究成果外部発表

森永製菓では、日々の研究の成果を様々な場所で発表しています。これまでに発表した論文及び学会発表をご紹介します。