- Top
- なごやか演出ノウハウ
- 展示会出展費用の勘定科目は?費用別の仕訳方法と注意点を解説
展示会出展費用の勘定科目は?費用別の仕訳方法と注意点を解説

展示会への出展にはさまざまな費用が発生します。出展料やブース施工費、ノベルティの制作費など支出の種類が多岐にわたるため「経理上は何の勘定科目で処理すればよいのか」と迷う担当者は少なくありません。勘定科目の選定を誤ると決算書の精度が下がるだけでなく、税務調査で指摘を受けるリスクも生じるため正確な処理が不可欠です。
本記事では展示会出展費用に使われる主な勘定科目の種類と使い分け、費用別の仕訳例、そして仕訳時に押さえておきたい注意点を解説します。
展示会出展費用に使われる主な勘定科目

展示会出展に伴う支出は性質に応じて複数の勘定科目に分類されるのが通例です。ここでは代表的な6つの勘定科目とそれぞれの適用範囲を整理します。
広告宣伝費
広告宣伝費は展示会出展費用の中で使用頻度の高い勘定科目です。展示会への出展目的が「自社の商品やサービスを不特定多数に広く認知させること」である場合、出展料をはじめとする費用は原則として広告宣伝費に分類されます。
具体的には出展料(小間料)やブース装飾にかかる外注費、パンフレット・ポスターの制作費、不特定多数の来場者に配布するノベルティの費用などが該当します。展示会出展の主たる目的が宣伝・PR活動であれば、関連費用は広告宣伝費で統一して処理するのが一般的です。
販売促進費
販売促進費は特定の顧客層や取引先に対して購買行動を直接促す目的の支出に適用する勘定科目です。広告宣伝費が「広く知らせる」目的であるのに対し、販売促進費は「購入・契約を後押しする」目的の費用を処理する点で異なります。
展示会における販売促進費の例としては、商談相手に渡すサンプル品の費用やブース内で実施するキャンペーンの費用などが挙げられます。ただし広告宣伝費との線引きは企業や業種によって異なるケースが多いため、社内で基準を定めておくことが重要です。
旅費交通費
旅費交通費は展示会会場までの移動にかかる費用を処理する勘定科目です。スタッフの電車代やタクシー代、航空券代、宿泊費などが該当します。
遠方で開催される展示会の場合は交通費と宿泊費が高額になるケースもあるため、事前に概算を把握しておくと経費精算がスムーズに進みます。またスタッフが自家用車で移動した際のガソリン代や高速道路料金も旅費交通費として処理するのが一般的です。
会議費・研修費
会議費や研修費は展示会への「参加」が主な目的である場合に使われる勘定科目です。自社が出展する側ではなく他社ブースの視察や業界動向の情報収集を目的として展示会に参加する際は会議費として処理できます。
一方で展示会に併設されるセミナーや講演会への参加が社員教育やスキルアップを目的とする場合は研修費が適切です。出展目的と参加目的が混在する展示会では、費用の内訳を目的別に分けて処理する必要があります。
消耗品費
消耗品費はブース内で使用する備品や小道具のうち少額かつ使用期間が短いものに適用する勘定科目です。筆記用具や養生テープ、名札ホルダー、簡易的な装飾品といった消耗品がこれに該当します。
注意すべき点は使用期間と金額による区分です。使用期間が1年を超え金額も高額な備品は消耗品費ではなく固定資産として計上し、減価償却の対象とする必要があります。展示会で使うディスプレイ什器やモニターなどは金額に応じて処理方法が変わるため、経理担当者と事前に確認しておきましょう。
雑費
雑費は他の勘定科目に分類しにくい少額かつ一時的な支出をまとめる科目です。展示会会場での駐車場代や急な備品購入費など、既存の科目に当てはまらない支出が発生した際に使用されることがあります。
ただし雑費を多用すると経費の内訳が不明瞭になり、税務調査時に説明を求められる可能性も否定できません。可能な限り他の適切な勘定科目に振り分け、雑費は最終手段として扱うのが望ましい処理方法です。
なお展示会の予算全体の考え方については下記の記事で詳しく解説しています。
https://www.morinaga.co.jp/okashiprint/column/2602no19/
展示会出展費用の勘定科目別の仕訳例

ここでは展示会出展で発生する代表的な費用について、勘定科目ごとの仕訳例を紹介します。実際の処理にあたっては自社の会計方針に照らし合わせて適用してください。
出展料の仕訳
展示会の出展料(小間料)は広告宣伝費として処理するのが基本です。出展料は自社の商品やサービスを不特定多数の来場者に周知する費用であり、宣伝活動に直結する支出と見なされます。以下は出展料を銀行振込で支払った場合の仕訳例です。
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 広告宣伝費 | 300,000円 | 普通預金 | 300,000円 |
なお展示会の開催前に出展料を前払いするケースも珍しくありません。その場合は支払い時点で「前払金」または「前払費用」として計上し、展示会の開催時に広告宣伝費へ振り替える処理も可能です。
| 【前払い時】 | |||
|---|---|---|---|
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
| 前払費用 | 300,000円 | 普通預金 | 300,000円 |
| 【展示会開催時】 | |||
|---|---|---|---|
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
| 広告宣伝費 | 300,000円 | 前払費用 | 300,000円 |
ブース装飾・施工費の仕訳
ブースの装飾や施工にかかる費用は金額や使用期間に応じて勘定科目を使い分ける必要があります。装飾業者への外注費や1回限りの施工費であれば広告宣伝費として処理するのが一般的です。
| 【装飾業者への外注費を振込で支払った場合】 | |||
|---|---|---|---|
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
| 広告宣伝費 | 500,000円 | 普通預金 | 500,000円 |
一方で装飾に使った什器や機材を今後の展示会でも継続利用する場合は、消耗品費や固定資産として計上する判断が求められます。少額かつ短期使用の備品は消耗品費で処理し、高額で複数年にわたり使用するものは資産計上のうえ減価償却する形になります。
| 【少額のブース装飾品を現金で購入した場合】 | |||
|---|---|---|---|
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
| 消耗品費 | 30,000円 | 現金 | 30,000円 |
ブースの設計・施工を外部業者に一括発注する場合は見積書の内訳を確認し、費目ごとに仕訳を分けておくと後の管理が容易です。
ノベルティ・配布物の仕訳
ノベルティや配布物の勘定科目は配布対象と目的によって変わる点に注意が必要です。不特定多数の来場者に自社の認知拡大を目的として配布する場合は広告宣伝費に分類します。
| 【来場者向けノベルティを振込で発注した場合】 | |||
|---|---|---|---|
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
| 広告宣伝費 | 100,000円 | 普通預金 | 100,000円 |
これに対し特定の顧客に購買を促す目的で渡すサンプル品は販売促進費が適切です。なお特定の取引先への贈答や接待を目的とした菓子折りなどは、接待交際費として処理する場合もあります。
| 【商談相手向けのサンプル品を現金で購入した場合】 | |||
|---|---|---|---|
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
| 販売促進費 | 50,000円 | 現金 | 50,000円 |
| 【取引先への贈答用の菓子折りを現金で購入した場合】 | |||
|---|---|---|---|
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
| 接待交際費 | 10,000円 | 現金 | 10,000円 |
このように同じノベルティであっても「誰に」「何の目的で」渡すかによって科目が異なるため、配布計画の段階で用途を明確にしておくことが肝要です。展示会で配布するノベルティの選び方については下記の記事で詳しく解説しています。
https://www.morinaga.co.jp/okashiprint/column/2602no2/
スタッフの交通費・宿泊費の仕訳
展示会に参加するスタッフの交通費と宿泊費は旅費交通費として処理します。以下はスタッフが立て替えた交通費・宿泊費を後日精算した場合の仕訳例です。
| 【スタッフが立て替えた交通費を精算した場合】 | |||
|---|---|---|---|
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
| 旅費交通費 | 15,000円 | 現金 | 15,000円 |
| 【宿泊費を会社の口座から直接支払った場合】 | |||
|---|---|---|---|
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
| 旅費交通費 | 20,000円 | 普通預金 | 20,000円 |
交通費の範囲には電車・バスの乗車賃だけでなく、タクシー代や航空運賃、自家用車使用時のガソリン代なども含まれます。また出張に伴う日当を支給している企業では日当分も旅費交通費に含めて処理するケースが一般的です。領収書は交通手段ごとに分けて保管しておくと精算時の確認が円滑に進むでしょう。
展示会出展費用の仕訳・勘定科目における注意点

展示会出展費用を正確に処理するためには仕訳のルールだけでなく、社内体制や証拠書類の管理にも配慮が欠かせません。ここでは実務上押さえておきたい3つの注意点を取り上げます。
勘定科目の選定基準を社内で統一する
展示会出展費用の仕訳で最初に取り組むべきことは勘定科目の選定基準を社内で統一する作業です。同じ性質の支出であっても担当者によって異なる科目で処理すると経理業務が煩雑になり、決算書の信頼性も損なわれかねません。
例えばノベルティの費用をある担当者は広告宣伝費で処理し、別の担当者は販売促進費で処理するといったケースは実務で起こりがちです。こうした混乱を防ぐには「展示会費用の勘定科目一覧表」のような社内ガイドラインを作成し、費用の種類と対応する勘定科目を明文化しておく方法が有効です。加えて税務上は一度決めた基準は期中に変更せず、過去年度との一貫性を維持することも求められます。
領収書にメモ・補足資料を残しておく
展示会出展費用は同じ支出でも目的によって適用する勘定科目が異なるため、領収書には支出の目的や背景を記録しておくことが不可欠です。領収書の裏面や付箋に「展示会名」「参加目的」「配布対象」などをメモしておけば、後日の経費精算や税務調査の際に根拠を示しやすくなります。
また展示会の招待状や出展申込書の控え、ノベルティの配布リストなど関連する書類も領収書と一緒に保管しておくと経理処理の正確性が高まります。電子帳簿保存法の改正に伴い領収書の電子保存を進めている企業も増えているため、社内の保存ルールに合わせた管理体制を整備しておきましょう。
税理士・会計士に相談しながら処理する
勘定科目の判断に迷う場合は自己判断で処理を進めず、税理士や会計士に相談することを推奨します。展示会出展費用は広告宣伝費と販売促進費の境界が曖昧なケースや、消耗品費と固定資産の区分が微妙なケースが少なくありません。
専門家に相談することで税務上のリスクを事前に把握でき、適切な勘定科目の選定が可能になります。特に初めて展示会に出展する企業や出展規模が大きい企業は事前に税理士と打ち合わせの場を設け、想定される費用項目と勘定科目の対応表を作成しておくと安心です。展示会の準備全体の進め方については下記の記事もあわせてご確認ください。
https://www.morinaga.co.jp/okashiprint/column/2602no20/
まとめ

展示会出展費用の勘定科目は支出の性質や目的に応じて使い分けることが重要であり、社内基準の統一と領収書の適切な管理が正確な仕訳の土台となります。判断に迷う費用は税理士に相談し、税務リスクを未然に防ぎましょう。
展示会で来場者に配布するノベルティをお探しであれば、森永製菓の「おかしプリント」をご検討ください。ハイチュウやラムネ、ミルクキャラメルといった人気のお菓子にオリジナルデザインを印刷でき、ノベルティとしての配布はもちろん来場者との会話のきっかけづくりにも役立ちます。最小ロット100個から注文可能で、デザイン入稿後は約2週間で納品されるため展示会の準備スケジュールにも組み込みやすいのが特長です。ノベルティの費用は用途に応じて広告宣伝費や販売促進費として計上できますので、お気軽にお問い合わせください。