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自律神経をコントロールして自分の「ゾーン」を見つけよう 牧野講平トレーナー インタビュー

2019/10/04

2004年より「ウイダートレーニングラボ」に所属し、2011年からはヘッドトレーナーを務める牧野講平トレーナー。フィギュアスケートの浅田真央選手をはじめ、様々なオリンピック選手を影から支える日本トップクラスのトレーナーだ。

今回、esports選手向けのトレーニングプログラムを開始するにあたり、牧野講平トレーナーにesportsにおいて大切な「緊張感」「集中力」「リラックス」の3点に注目して、それらは何によってコントロールされているのか、選手自身が向上を目指すためには、どんなトレーニングをすればいいのかお伺いした。


――試合前などの緊張をほぐすためには、どのようなことを心がければ良いでしょうか。

人間の緊張感は「自律神経」によって支配されています。緊張感や興奮に関係してくるのが交感神経、逆に心身をリラックスさせているのは副交感神経となります。

この自律神経をコントロールするためには、まず呼吸法を身に付けることが大事です。吸うときは交感神経が優位に、吐くときは副交感神経が優位になります。人間は呼吸で緊張とリラックスをコントロールしているんです。

僕たちが指導するときには、緊張感を高めたいときは息を吸いなさい、落ち着きたいときは息を吐きなさいと言うようにしています。

――緊張感が高まると集中力も高まるのでしょうか。

集中力も上がります。ただ、緊張感が高まりすぎると、今度は選手自身が心身共に壊れてしまうんです。なので、人によって基準は違いますが、自分がもっとも集中できる「ゾーン」に入るということが大切になってきます。

ゾーンに入っていれば心身ともに程よい緊張感と安定した状態になるのですが、疲労が積み重なってくるとゾーンから外れてしまって結果的に集中力が続かなくなってしまいます。

ゾーンに入るためにはまずは自分がどれくらいの緊張感がベストなのかを探ることが大切です。緊張しやすい人は副交感神経を働かせてリラックスすることが重要になりますし、逆に緊張しない人は、程よい緊張感を出すために交感神経を働かせます。

――瞑想に通ずるものがありそうですね。

ほとんど同じですね。オリンピックにも参加する100m走の選手は、走る前に深く息を吐いて、リラックスしてスタートの合図が聞こえるようにします。フィギュアスケートではポーズを決めて音楽がかかる前に息を吐きます。

esportsの世界でも周りの音が聞こえなくなってしまったり、緊張で腕や指が動かなくなってしまう選手は、呼吸法が上手にできていないことが多いと思いますよ。

大体の人は緊張の方が高くなるので、息を吐いて落ち着くことが多いですね。

――日頃から呼吸法を意識するにはどのようなことをすればいいのでしょうか。

呼吸法っていうのはいわばトレーニング法の一種なので、試合の前だけでなく普段から行うといいですね。トレーニングのチェックポイントとしては、胸とお腹の動きを意識してやりましょう。

→トレーニング方法はこちらから!
寝る前の5分でできる!呼吸を整える簡単エクササイズ ~ブリージング①~

寝る前の5分でできる!呼吸を整える簡単エクササイズ ~ブリージング②~

牧野講平トレーナー

北海道札幌市出身。高校時代は陸上競技において、北海道高校記録を樹立するなど自身もアスリートだった。
イースタン・ワシントン大学にてフィジカルトレーニングの基礎を学び、2004年より「ウイダートレーニングラボ」に所属。
フィギュアスケート・浅田真央選手やスキージャンプ・高梨沙羅選手などをはじめ、数々のトップアスリートを影で支える日本屈指のトレーナー。