サステナブルなお仕事No.9

電車とまちづくりの会社のSDGs推進すいしんメンバー

神田かんだ 一也かずやさん


電車とまちづくりの会社のSDGs推進すいしんメンバー

神田かんだ 一也かずやさん

「SDGsトレイン」でGO!
地球と人にもっとやさしい未来へ
関東エリアの鉄道、
東急電鉄で走っているSDGsトレイン
見たこと、乗ったことがある人はいるかな?
持続可能な未来をみんなでつくっていこうという
メッセージが込められているんだって。
神田さんはそんな鉄道会社グループの
SDGs推進担当者だよ。

※2022年9月上旬までの運行予定

Q1.
どんなお仕事クエッ?
鉄道を中心に街づくりを行う会社で、SDGsを知ってもらい、進めるための取り組みをしています。
そのひとつがSDGsトレイン「美しい時代へ号」です。17ゴールの色をデザインした列車で、SDGsの内容と、SDGsに関するぼくらのグループの活動を紹介しょうかいしています。最新の省エネ車両を使用し、走行にかかる電力は、水力・地熱をもとに作った電気などを使い、実質的には100%再生可能エネルギーでまかなっています。もともとは、SDGsトレインと路面電車の世田谷線だけが再生可能エネルギーで走っていましたが、2022年4月からは、東急線を走るすべての列車を再生可能エネルギーで走らせることにしました。
SDGsトレインの目的は、電車に乗る人や沿線えんせんでくらす人にSDGsを広めることです。身近な電車からSDGsへの関心を深め、行動へつなげてほしい、よりよい世界を一緒につくっていきたいという思いで走らせています。

SDGsのことを、電車に乗る人や沿線の人だけでなく、グループ会社の人に伝えるのも大きな仕事です。便利な生活を支える電車は、一度に大勢の人を運べる、地球にもやさしい乗り物。また、大雨による浸水しんすいを防ぐため、駅に雨水をためる所をつくったりするなど、安心して暮らせる街をつくることでも、SDGsのゴール11「住み続けられるまちづくりを」に貢献こうけんしています。だからほこりを持ち、社会の役に立てるアイデアをもっと生み出していこうと呼びかけています。
※太陽光・風力・水力・地熱など、なくなることのない自然の力を利用し、何度もくり返し使えるエネルギーのこと。発電時に地球温暖化おんだんかの原因になる二酸化炭素を出さないのも特徴とくちょう
SDGsトレイン「美しい時代へ号」
SDGsトレイン「美しい時代へ号」。
SDGsの17ゴールのカラーで
デザインされている。
写真提供:東急グループ
SDGsを学べるポスター
車内には、SDGsを学べる
ポスターがはられた。 写真提供:東急グループ
Q2.
なぜ、そのお仕事を選んだクエッ?
小さいころは電車の運転士にあこがれていました。母のおなかにいた時、電車に乗るとよく動いたそうなので、きっと生まれる前からでしょう、電車が大好きでした。
小学校高学年のころは、架空かくうの鉄道会社を作って、路線をひいたり、周りに街をつくったりする遊びをしていて、電車とセットになったまちづくり、そういうのも面白いなと思うようになりました。

今の会社に入るきっかけは、大学生の時、駅とつながる遊園地のようなショッピングモールを見て、感動したこと。その「街」をつくったのが、今、ぼくが働いている東急グループの会社だったのです。SDGsはぼくたちのグループがめざす「美しい生活環境かんきょうづくり」に大事なことだと感じ、今の仕事をがんばっています。
Q3.
仕事で苦労したこと、感動したことは何クエッ?
やりたいことをやっているからか、苦労と思うことはあまりありません。感動したことはたくさんあります。
よく覚えているのが2011年の東日本大震災しんさいの時。関東でも大きな揺れのため電車が止まり、家に帰れない人が駅にあふれました。その日の運行をやめた鉄道もありましたが、東急電鉄は何とか再開し、夜通し電車を走らせました。ぼくも駅に手伝いに行っていて、お客さんから不満を言われることをかくごしていたのですが、聞こえてきたのは「ありがとう」。なみだが出ました。

また、2013年に東急東横線の渋谷しぶや駅が地下になったのですが、地上駅で迎えた最後の日もわすれられません。たくさんの人がお別れに来てくれたのです。自分たちがつくっている鉄道や街が愛されていることを実感しました。
Q4.
どんな子どもだったクエッ?
小4まではこまった子でした。授業は聞かないし、わすれ物は多いし。自分では、「電車より勉強」と言われるのをきゅうくつに感じていました。
それが変わったのは小5。学級担任たんにんの先生に電車好きを認めてもらえたことからです。電車の絵のコンクールを授業に取り入れてくれたこともありました。「このままでいいんだ」と目の前が明るくなって、勉強もできるようになりました。

ちょうど小5ではじめた鉄道会社ごっこ(架空の鉄道会社をつくって運営する遊び)は、最初は同じ電車好きの子と2人でしたが、「楽しそう!」と、他の子もいっしょにやるようになり、10人ぐらいに増えて、会社の数もそれだけ増えました。そのうち野球好きの子が球団ごっこ(鉄道会社が球団を運営する遊び)をはじめたので、ぼくの会社も参加したら、野球に興味がわきました。好きなことを伝え、みとめ合うことで世界が広がりました。

おやつでよく食べたのはチョコボール。金のエンゼル、銀のエンゼル集めもがんばりました。
Q5.
未来の大人たちへ
熱狂ねっきょうできるものがあると、大きな力になります。みなさんもぜひ見つけてください。そして、まずは自分が幸せになること。自分を大切にできると他の人のことも大切にできるからです。そうすれば、世の中はもっとよくなっていくでしょう。
電車の運転士になりたい人は、徹底てっていして電車好きでいてください。自動運転も増えていますが、やはり人は必要で、これからは本当に電車が好きな人の仕事になるはずです。運転士は、たとえばお客さんのなかに赤ちゃん連れの人がいるなと思ったら、ブレーキのかけ方を微妙に変えることがあります。こういうことは、自動運転ではできません。
プロフィール
埼玉県出身。早稲田わせだ大学政経学部に在学中、他の学部の科目だった交通経済学を熱心に学んだ。卒業後、現在の東急株式かぶしき会社に入社。経理を経て、仕事を通じてサステナブルな社会や環境づくりに取り組む部署ぶしょに所属。
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