仕事や家事・育児、またはその両方で朝は忙しく、朝食を食べる時間を確保するのが難しい方もいるのではないでしょうか。毎日とは言わなくても、平日は特に時間の確保が難しいという方も多いかもしれません。本記事では、忙しくて朝食を食べる時間がない方へ向けた、食事の工夫点を紹介します。
※記事内でご紹介している森永製菓の製品の栄養成分は、2025年5月3日時点のものとなります。
1日3回の食事の中で、食事をとらない割合が多いのは朝食といわれています。厚生労働省の国民健康・栄養調査報告(令和5年)によると、朝食の欠食率は男性15.7%、女性11.7%でした。国民健康・栄養調査で欠食はなにも食べないだけでなく、「菓子・果物などのみ」「錠剤などのみ」を含みます。
年代別では男女ともに20代の欠食率が最も高く、男性36.4%、女性30.6%、次いで男女とも働き盛りといわれる30代となり、男性28.5%、女性20.8%です。栄養バランスを1日2回の食事で整えられているのか、不安に思いながらも朝食を抜いてしまう人もいるかもしれません。朝食を摂ることは多くのメリットがあります。
朝食を食べることは、健康的なカラダを維持していく上で大切だといわれています。1日2回の食事になると、1日で食べられる量が限られると感じる方もいるのではないでしょうか。朝食を欠食すると、カラダに必要なエネルギー源をはじめとした栄養素が不足し、午前中の集中力低下やカラダの不調につながる可能性があります。
また、ヒトのカラダは一定のリズムを刻んでおり、朝食によって体内時計がリセットされることも注目したい点です。朝食を食べることでカラダの代謝がスムーズに行われ、カラダの健康維持にもつながるといわれています。このように、朝食は健康的なカラダを維持するためや、1日を元気にスタートするために重要な要因の一つです。
カラダづくりと朝食の関連については「筋トレをするなら意識したい「朝食」のこと」で詳しく解説しています。
カラダに必要な栄養素は、タンパク質・脂質・炭水化物・ビタミン・ミネラルです。1日3回の食事で、カラダに必要な栄養素を摂取します。朝食を欠食すると、1日に摂取したいカラダに必要な栄養素が不足する可能性があります。
朝食以外の食事内容によりますが、カラダづくりの材料となるタンパク質も不足する傾向がある栄養素の一つです。タンパク質は、肉類や魚介類、卵のような動物性食品に多く含まれています。定食のような食事では、主菜1皿分でタンパク質約20gを摂取できます。しかし、1日2回の食事では、1日に必要なタンパク質量が不足するかもしれません。
朝食を食べる時間がない人にとって、主食・主菜・副菜が揃った朝食を食べることはハードルが高いのではないでしょうか。まずは、調理せず、すぐに食べられるものからチャレンジしてみることがおすすめです。
バナナやみかん、イチゴなどは包丁を使わずに手で皮を剥くことができ、切り分けることなく食べられる果物です。果物はカリウムやビタミンCが多く含まれており、カラダの調子を整える働きがあります。熱に弱い性質のあるビタミンCは、果物からだと摂取しやすくなるためおすすめです。
日本食品標準成分表2020年版(八訂)を参考に筆者作表
参照日:2025年5月3日
牛乳、チーズ、ヨーグルトなどを冷蔵庫に常備しておけば、調理の必要がなくすぐに摂ることができます。牛乳に主に含まれている栄養素は、タンパク質とカルシウムです。牛乳や乳製品を摂取すると、野菜からカルシウムを摂取することと比べると、吸収率が高いといわれています。
日本食品標準成分表2020年版(八訂)を参考に筆者作表
参照日:2025年5月3日
忙しい朝食には、調理なしで手軽にタンパク質を補うことができる納豆や豆腐は重宝します。納豆や豆腐は、タンパク質やカルシウムや鉄、ビタミンB2が多く含まれるほか、そのほかのビタミンやミネラルも含まれています。
日本食品標準成分表2020年版(八訂)を参考に筆者作表
参照日:2025年5月3日
ちくわや魚肉ソーセージは、調理なく食べられるタンパク質を多く含む食品です。カルシウムや鉄も含まれています。一方で、含まれている食塩が多いことは注意したいものです。下記の1食あたりの目安量ではどちらも食塩相当量1.5g含まれています。
日本食品標準成分表2020年版(八訂)を参考に筆者作表
参照日:2025年5月3日
卵はタンパク質を摂取できる食品です。手軽に食べられるものに卵豆腐や厚焼き卵があり、コンビニでも取り扱いがあります。通勤時間が長く、早めに出社してからしか朝食が食べられない場合でもコンビニによることが可能であれば、卵豆腐や厚焼き卵も選択肢になるのではないでしょうか。
日本食品標準成分表2020年版(八訂)を参考に筆者作表
参照日:2025年5月3日
自宅で手軽に食事を摂りたいときは、シリアルを活用することも方法の一つです。製品によって摂取できる栄養素は差がありますが、エネルギー源となるだけでなく食物繊維も摂取できます。シリアルには、牛乳や豆乳をかけるのではないでしょうか。これらと合わせると、タンパク質やカルシウムなども摂取できます。
日本食品標準成分表2020年版(八訂)を参考に筆者作表
参照日:2025年5月3日
コンビニで購入できて手軽に食べられるものがおにぎりです。主にエネルギー源となり、午前中の集中力低下を予防できます。表に示したシンプルな塩むすびや焼きおにぎりだけでなく、タンパク質も摂取するなら鮭やツナ、そぼろなどの具が入ったものも選択肢になります。
日本食品標準成分表2020年版(八訂)を参考に筆者作表
参照日:2025年5月3日
パンの種類は多く、食べる種類によって摂取できる栄養素が異なります。調理なしで食べやすいロールパン、あんパン、メロンパンに含まれている栄養素を表にまとめました。菓子パンは炭水化物や脂質摂取が多く含まれるものもあります。食べる個数や頻度によっては体重増加につながりやすくなるため、注意したいものです。卵や肉、野菜なども摂取したい場合はサンドイッチを選んでみてはいかがでしょうか。
日本食品標準成分表2020年版(八訂)を参考に筆者作表
参照日:2025年5月3日
カラダに必要な栄養素は、食事から摂取することが基本です。しかし、食事を買いに行く時間さえない場合もあるのではないでしょうか。朝食が用意できない日は、栄養補助食品を活用することも選択肢になります。森永製菓が取り扱う栄養補助食品から、忙しい朝におすすめの製品を紹介します。
水や牛乳に溶かすだけで、エネルギーやタンパク質、ビタミンB群などを摂取できます。牛乳に含まれているホエイプロテインやカゼインを配合しており、1食あたりタンパク質23.3gを摂取できます。
植物性タンパク質の大豆プロテインが配合されています。1食あたりタンパク質15.6gを摂取できるほか、ビタミンB群やビタミンC、ビタミンE、鉄も合わせて摂取できることが特徴です。
製品名の通り大豆プロテインを配合しています。1食あたりタンパク質10.4gを摂取でき、ビタミンB群、丈夫なカラダづくりにつながるカルシウムやビタミンDも摂取できます。大豆プロテイン特有の苦味を抑えており、飲みやすさを感じるのではないでしょうか。
しっとりとした食感のベイクドタイプのプロテインバーです。1本あたりタンパク質15.9gのほか、ビタミンB群、食物繊維も摂取できます。森永製菓が取り扱うプロテインバーの中では糖質が抑えられていることが特徴です。
グレープフルーツ味のゼリー飲料です。ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンCなど、12種類のビタミンを摂取できます。野菜や果物の摂取量不足が気になる日などに活用しやすいのではないでしょうか。ビタミンAを含んでいるため、妊娠3か月以内の方や妊娠を希望している方は過剰摂取に気を付けてください。
ヨーグルト味のゼリー飲料です。1袋あたりタンパク質5gを摂取できます。脂質0gでエネルギー35kcalと低めであるため、タンパク質を補いたい場合に活用しやすいのではないでしょうか。ビタミンB群やカルシウムも配合されています。
朝食を抜いてしまうことにより、カラダの代謝バランスが崩れ、体重増加につながる可能性があります。朝はなにか少しでも食べることがおすすめですが、どうしても食べられなかった場合は、どのようにしたらよいのでしょうか。
朝食で摂取できなかった栄養素は、昼食や夕食の量を増やして摂取することを考えるかもしれません。では、単純に主菜に使われる肉や魚の量を2倍に増やせばよいのでしょうか。
例えば、昼食で2食分のタンパク質を摂取しようと、鶏むね肉200g用意したとします。別の方法として、鶏むね肉100g、生鮭100gを用意したとします。これらの主な栄養素を比較するために表にまとめました。
「日本食品標準成分表2020年版(八訂)を参考に筆者作表
参照日:2025年5月3日
鶏むね肉を2倍量にするよりも、鶏むね肉と生鮭を組み合わせることで、カルシウムや鉄、ビタミンB1の摂取量は増え、エネルギーと脂質を抑えられる結果となります。品数を増やすことで、幅広い栄養素を摂取できる可能性が広がります。
朝食の分をカバーしようと、品数を増やして対応することは方法の一つです。一方で、食品の組み合わせによっては、エネルギーや脂質の量が増える結果になることもあります。また、1回の食事量が多くなると、その後の活動で使い切れない余分な栄養素もでてきます。夕食を食べすぎると体重が増えやすい傾向があるように、1回の食事量を増やすことは、体重コントロールが難しくなる可能性もあるため注意が必要です。
忙しくて朝食の時間がなかった場合、昼食までの合間に補食としてなにかを食べる方法もあります。先述したような、朝食で手軽に食べられる食品が活用しやすいと思います。朝食を抜いた日は、空腹が続き昼食で食べすぎてしまうこともあるかもしれません。補食を摂ると食べすぎ予防にもつながります。
栄養バランスの整った食事を朝も食べることが理想的ですが、通勤前の準備や家事・育児などで忙しい場合もあると思います。手軽にできることから始め、朝食を食べる習慣を継続してみてはいかがでしょうか。
<参考>