チョコレートに含まれているカカオポリフェノールが注目され、さまざまな研究が行われています。スーパーマーケットの店頭でも、高カカオチョコレートをよく見かけるようになったと感じる方もいるのではないでしょうか。また、高カカオチョコレートのほかにも、タンパク質や乳酸菌などを配合した、チョコレートも増えてきていると思います。本記事では、健康チョコの種類と特徴をご紹介します。
※記事内でご紹介している森永製菓の製品の栄養成分は、2023年2月5日時点のものとなります。
チョコレートは、カカオ豆を加工して粉末状にしたカカオマスや、カカオ豆の脂肪分であるココアバターを主原料にし、砂糖や香料などを加えて練り固めたものです。嗜好品としての側面も持つチョコレートですが、原料となるカカオ豆にはポリフェノールが多く含まれており、世界中でカラダへの効果の研究が行われています。
日本でもポリフェノールに注目が集まり、カカオ分の高い「高カカオチョコレート」が販売されました。現在では、さまざまな種類の高カカオチョコレートが製造されています。
また、高カカオチョコレートが定着するにつれ、嗜好品としてだけでなく、カラダへのアプローチが期待されたチョコレートも発売されています。タンパク質を補えるもの、乳酸菌を配合したものなど、種類はさまざまです。本記事では、高カカオチョコレートやカラダへのアプローチが期待された成分を配合したチョコレートを「健康チョコ」として解説します。
食べると気分転換にもなるチョコレートですが、おいしく食べながら、不足した栄養素などを補えるチョコレートには、どのような種類があるのでしょうか。
チョコレートのパッケージに「カカオ70%」のようにカカオ分の含有率が記載されている製品を見かけたことがあるのではないでしょうか。高カカオチョコレートの具体的な定義はないといわれています。一般的なチョコレートよりもカカオ分の高い、カカオ分60〜70%を超えるチョコレートは高カカオと考えられるでしょう。
カカオ分とは、チョコレートの原料になるカカオニブ、カカオマス、ココアバター、ココアケーキおよびココアパウダーの水分を除いた合計量のことです。カカオ分の含有率が高いチョコレートほど、ポリフェノールが多く含まれているといわれています。
ポリフェノールは植物に含まれている成分で、カカオ豆に含まれているカカオポリフェノールだけでなく、さまざまな種類が存在します。数年前から、赤ワインに含まれるポリフェノールのカラダへの働きが注目された記憶がある方もいるのではないでしょうか。
ポリフェノールは苦味や色素の成分でもあります。高カカオチョコレートの苦味が強いと感じるのは、ポリフェノールが多く含まれているからです。しかし、カカオ豆の産地や加工方法などで、出来上がるチョコレートの風味が異なるため、さまざまな味の高カカオチョコレートが製造されています。
森永製菓の「カレ・ド・ショコラ」には、カカオ分70%と88%の2種類の高カカオチョコレートがあります。味わいの違いを比べてみるのもおすすめです。
理想のカラダを目指す方や健康づくりのために、タンパク質摂取を意識している方もいるのではないでしょうか。チョコレートにタンパク質を配合した製品も登場しています。
森永製菓の「inショコラプロテイン<クリスピーパフ>」はサクッとしたパフが入った、キューブ型のチョコレートです。1袋に小袋が標準10個入っており、食べ切りやすいと思います。小袋1個で摂取できるタンパク質は3g。チョコレートでエネルギーもチャージしながら、食事から不足したタンパク質を補えます。
乳酸菌とは、糖類から乳酸を作り出す微生物のことです。乳酸菌の働きを活用し、ヨーグルトやチーズ、漬物などが作られています。乳酸菌と聞くと、どのようなイメージが思い浮かぶでしょうか。近年では、乳酸菌のカラダへ働きが研究されており、その働きを活かした乳酸菌配合チョコレートも販売されています。
森永製菓の「プラズマ乳酸菌チョコ」は、プラズマ乳酸菌を1,000億個配合しています。プラズマ乳酸菌は、健康な人の免疫機能の維持をサポートする報告がされている乳酸菌です。プラズマ乳酸菌チョコは、小さめのキューブ型をしているチョコレートで、封を閉じられるチャック付きの袋に入っています。
食事からの野菜摂取量が少ない日は、食物繊維不足が気になるのではないでしょうか。食物繊維は、食品に含まれているヒトの消化酵素で消化されない成分です。食物繊維は野菜だけでなく、穀物やきのこ、海藻、豆、いもからも摂取できます。日本人の食事摂取基準(2020年版)によると、18~64歳の食物繊維の1日の目標量は男性で21g以上、女性では18g以上です。
令和元年の国民健康調査の食物繊維の摂取量と日本人の食事摂取基準を比較すると、男性と女性の20~59歳では、どちらも目標量を下回った摂取量となっています。食事からの食物繊維摂取量が少ない日には、食物繊維を含む栄養補助食品を活用するのも一つの選択肢です。また、チョコレートから食物繊維が補える製品もあります。
難消化性デキストリンを配合したチョコレートや、大豆パフやグラノーラとチョコレートを組み合わせて食物繊維を摂取できる製品などがあり、好みに合わせて食物繊維配合チョコレートを選べると思います。
健康づくりのために使う油に気を付け、MCTオイルに注目している方もいるのではないでしょうか。MCTオイルの「MCT」とは、油脂の中で脂肪酸のつながりが短い中鎖脂肪酸のことです。中鎖脂肪酸は、ココナッツやパームフルーツなどに多く含まれています。
一方で、大豆油やオリーブ油など、一般的に炒め油やドレッシングなどに使われる油脂は、脂肪酸のつながりが長い長鎖脂肪酸です。中鎖脂肪酸と長鎖脂肪酸を比べると、中鎖脂肪酸はエネルギーに変わりやすいといわれています。
MCTオイルを配合したチョコレートに、森永製菓の「MCTスタイル<ベイクドショコラ>」があります。外側はサクッとした食感で、内側は舌触りなめらかなベイクドタイプです。チョコレートから摂取する脂質にもこだわりたい方におすすめです。
さまざまな成分が含まれているチョコレートをご紹介しましたが、ここでは摂取する際の注意点を解説いたします。
チョコレートには炭水化物や脂質が多く含まれています。そのため摂取エネルギーも高く、ミルクチョコレート50g(板チョコレート1枚分)では275kcalです。これは、ごはん180gの摂取エネルギー281kcalとほぼ同じです。このように、チョコレートは手軽にエネルギー補給ができる食品であり、なおかつ軽くてかさばらないため、登山などの栄養補給としても使われています。
一方で、チョコレートを食べ始めると、ついつい止まらなくなり、摂取エネルギー量が気になる場合もあるかもしれません。今回ご紹介したような、カラダにアプローチする成分の入ったチョコレートも、必要以上に食べすぎると摂取エネルギー量過多になる可能性があります。特に、高カカオチョコレートの場合、従来のチョコレートよりも脂質が多く含まれているものもあるため、食べすぎには注意したいものです。
厚生労働省と農林水産省が示している食事バランスガイドでは、間食の目安は200kcalとしています。食事からの摂取エネルギー量や栄養素などを考慮しつつ、チョコレートを食べる場合の目安にしてみてはいかがでしょうか。
高カカオチョコレートには、テオブロミンやカフェインといった成分が従来のチョコレートよりも多く含まれているといわれています。そのため、国民生活センターは「高カカオチョコレートは嗜好品として楽しむ分には問題ないが、テオブロミンやカフェイン等の生理作用のある物質も多く含まれるため、これらの成分に敏感な人やテオフィリン等の医薬品を使用している人は摂取に注意が必要」としています。食べる際の参考にしてください。
チョコレートには、高カカオチョコレートのほか、タンパク質や乳酸菌、食物繊維などが配合された商品があります。さまざまな種類のチョコレートから、健康維持やカラダづくりなどの目的に合わせて商品を選んでみてはいかがでしょうか。
【参考】
参照日:2023年2月5日
inバープロテイン ザクザクチョコ
inバープロテインGOLD クランベリー&ストロベリー
inバー プロテイン ベイクドチョコ