プロテインを飲むと太るのか?適切な飲み方とは
アスリートがよく利用するプロテイン。
最近では高齢者の健康増進や女性の美容目的にも利用されるようになりました。プロテインを初めて摂取するときに気になる1つが、「プロテインを飲むと太るのか?」といった、体にどのような影響をおよぼすのかということではないでしょうか。
プロテインの種類、飲み方、タイミング、プロテイン以外の栄養の知識を少しプラスするだけで、よりプロテインを効果的に使うことができます。
体重コントロールとプロテイン摂取
まず、プロテインを飲むことが体脂肪増加の「直接的な」要因になることは、ほとんどありません。
プロテインの飲み方やプロテインに含まれているエネルギー量(カロリー)や他の栄養成分の割合に注目し、その役割を理解すること。
そして食事量をコントロールすることで効率の良いプロテイン摂取に繋がります。
・太る可能性が高い飲み方
プロテインは太ると思っている方、こんな飲み方をしていませんか?
■プロテインのタンパク質量を考えていない
筋肥大を期待して、意識的にボリュームのある主菜を食べている方がさらにプロテインを利用することによって、知らぬ間にタンパク質の過剰摂取となってしまう可能性があります。
食事のみでタンパク質量を増加させるためには、肉・魚・卵などの主菜のボリュームを増やすことも必要です。
しかし、そのデメリットとしては肉や魚などの食材に含まれる脂肪を同時に摂取し、さらに調味料からの脂肪摂取が増えることが考えられます。
そのため、調理法を蒸す・煮るなど油の少ない方法を選ぶことは、脂質コントロールには有効な対策の一つです。その継続が難しい場合や、他の栄養素が不足傾向になってしまう場合等は、プロテインの併用を検討すると良いかもしれません。
全体のタンパク質量を考えてプロテインを利用することは、結果的に料理のレパートリーを増やしたり、適正な糖質や脂質の摂取につながることも考えられます。
■乳脂肪分を考えていない
プロテインを牛乳で溶いて飲んでいる人もいるのではないでしょうか?
牛乳1杯200gは134kcal、タンパク質6.6g、脂質は7.6gです。
この栄養素をふまえて、現在必要としているエネルギー量を考えた時に牛乳ではなく、水で溶かして飲むことでコントロールすることもできます。
・糖質の重要性を知る
体重増加に影響をおよぼす主な栄養素はエネルギー源となる糖質と脂質が考えられます。
プロテインには多くの種類が商品化されていますが、エネルギー源となる糖質が含まれている物もあります。利用するときには、エネルギー量と糖質量を把握することが大切です。
しかし、糖質が含まれているのには理由があります。
トレーニングではエネルギー源として糖質を利用するため体内のグリコーゲンは減少していきます。
その状況でカラダづくり目的にタンパク質を摂取しても、エネルギーが不足しているため十分に合成されず、本来の目的を果たしてくれません。
糖質は重要であることを理解し、脂肪の摂取をコントロールすることで体脂肪の増加を防ぐことにつながるでしょう。
・大豆プロテインも活用してみよう
プロテインは植物性タンパク質の大豆プロテインを選ぶことで大豆ペプチドを摂取できます。
大豆ペプチドも、健康に関連する様々な研究がされています。
タンパク質の種類も増やしてとることで、筋タンパク質の合成も高まります。
・タンパク質は均等に、こまめにとりましょう
タンパク質は一度にたくさん摂取しても効果的ではありません。
下の図は、タンパク質摂取量とタイミングが筋タンパク質の合成に与える影響を示したものです。
筋タンパク質合成を高めるためには、「一食で大量に」ではなく「20~25g前後を頻回に」ということが言われています。
トレーニング前後のタイミングはもちろん、計画的に分けて摂るようにし、1回で摂取量が偏らないように注意しましょう。
プロテインは体重コントロールにも利用できる強い味方
もちろんプロテインはノンカロリーではありません。しかし直接的な太る原因となるものでもありません。
プロテインの役割、他の栄養素の役割をそれぞれ理解し、自分が食べる全体量を把握したうえでプロテインを利用しましょう。
そうすれば、プロテインは体重コントロールの強い味方になってくれるのではないでしょうか。
自分自身で体の変化を感じながら、プロテインと付き合っていきたいですね。