温かいお鍋がおいしい季節。皆さんはどんなお鍋が好きですか?
野菜をたっぷり摂れるお鍋は、栄養バランスが良く、ヘルシーなイメージがあると思いますが、お鍋によっては栄養素が偏りがちなものもあります。
栄養素が偏りがちなお鍋でも、「〆の雑炊やうどん」としてご飯や麺類を加わるだけでぐっと栄養価が変化します。
本記事では、お鍋の栄養バランスを比較し、栄養バランスを考えたお鍋の選び方・レシピをご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
鶏肉でしっかりとタンパク質を、ごぼうやまいたけで食物繊維を摂取できます。
きりたんぽはお米で作られるためエネルギー源である糖質を同時に補えるメニューです。
一方でビタミン・ミネラルが全体的に不足しがちでありますので、これを補うために普段使いしない食材かもしれませんが、きりたんぽ鍋には“せり”を入れてみましょう。鉄分やβ−カロテンをプラスできます。せりの独特の風味が強すぎると感じる方は、一度下ゆでしてから鍋に入れてみましょう。
野菜の種類を豊富に入れられるちゃんこ鍋は比較的バランスよく栄養素を摂ることができるお鍋メニューです。
炭水化物を補うために〆のうどんや、お餅を加えましょう。ちゃんこ鍋は〆にラーメンやうどんを入れますが、塩分の摂りすぎが気になるときは、具材に餅を入れて、野菜などと一緒に食べましょう。
あとはビタミンDをプラスしたいところですよね。鮭やしいたけなどを追加する他に、変わり種できくらげを入れてみましょう。特に味噌味のちゃんこ鍋に合うという人も多いようです。コリコリとした食感も一緒に楽しんでみましょう。
豚肉や豆腐、きのこ類、ニラや白菜などを利用したキムチ鍋は、比較的バランスよく栄養素を摂ることができるお鍋メニューです。
豚肉が入ることでビタミンB群もしっかりと補えます。しかし、豚バラは脂質が多い部位のため、脂質が気になるときは、豚ロースや豚モモの薄切り肉へと部位を変えるのを忘れないようにしましょう。
キムチ鍋には韓国餅がピッタリです。炭水化物を補いたいときは切り餅を幅1.5cmに細長く切って入れることで本場の味に近づきます。
脂質が多く、ビタミン・ミネラルが不足しがちな食事になりやすいのがもつ鍋です。
もつ鍋のシンプルな食材だけでは栄養バランスを取りにくいので、副菜やおつまみをプラスすることをおすすめします。
もつ鍋にプラスする食材としては隠し味に使われるごぼうを入れてみましょう。食物繊維も補えて、深みのある味になります。その他には豆苗もおすすめです。カルシウムや鉄も少量ではありますが摂取でき、ミネラルを効率よく補えます。
エネルギーを抑えながらも微量栄養素を補いやすいのが野菜鍋の特徴です。タンパク質源は豚肉もいいですが、魚介類を活用することで、脂質を抑えることができます。ホタテやカキなどを入れてみてはいかがでしょうか。
たくさんの具材を入れる寄せ鍋におすすめの食材は春菊です。ビタミンの補給量がぐっとアップします。苦手な人はサラダ用の春菊を使いあまり煮すぎずに食べることで苦味を抑えられます。それでも春菊が苦手な人は、小松菜を追加することで、鉄やビタミンの摂取量を高めることができます。
鉄分不足の時にぜひおすすめしたい豆乳鍋です。植物性のタンパク質もたっぷり補えるのが特徴です。きくらげはビタミンD、カルシウム、食物繊維をカバーしてくれるので是非取り入れてみましょう。大根をピーラーで薄く長く切って加えると、豆乳が絡み、おいしく食べられます。
最近ではお鍋の素の商品数も増え、たくさんの味つけで楽しめるようになった鍋料理ですが、ここでは栄養補給を考えたレシピの選び方を紹介します。
鍋料理の特徴は一品でバランスのとれた食事を完成させやすいところです。しかしこれまでに紹介した鍋料理の中には栄養の偏りがみられるものもありました。それを改善させるためにも次のポイントをおさえておきましょう。
豚肉と豆腐、鶏団子と海老というように2種類以上組み合わせることで、タンパク質を補えるだけでなく、ビタミン・ミネラルといった微量栄養素のバランスが整いやすくなります。
白菜やキャベツといった淡色野菜を野菜のメインとして使いがちですが、緑黄色野菜は、βカロテンをはじめ、栄養価が高い食材が多いため、水菜、春菊、人参、豆苗、ニラ、小松菜などの緑黄色野菜を意識して鍋の具に選びましょう。
えのきやしめじも鍋に合う食材ですが、これらにまいたけかきくらげを加えましょう。
ビタミンDはどうしても不足しがちになってしまいますが、まいたけときくらげをプラスすることで補いやすくなります。干ししいたけもいいですが、旨味が強すぎて鍋のスープに合わないことがあるので、淡白な味わいのまいたけときくらげがおすすめです。
お皿に取り分けた時、毎回汁まで飲み干してしまうと、1回ごとに約1.5gの塩分を摂取しています。3回お代わりすると約4.5gとなり、1日の塩分摂取目安量の半分以上になってしまいます。お皿に取った汁は残すように心がけましょう。
豚とブリのしゃぶしゃぶ
【候補④】
食材(2人分)
豚肉ロース極薄切り 120g
ブリ薄切り 80g
白菜(芯の部分は削ぎ切り)1/8個
大根(ピーラーで長さ約15cmに薄切り)100g
人参(大根同様)1/3本
水菜(長さ5cmに切る)1/2袋
長ネギ(斜め薄切り、緑の部分も全部使う)1本
えのきだけ (小房に分ける)1/2袋
まいたけ(小房に分ける) 1/2パック
昆布(出汁用)10cm
ポン酢しょうゆ・ごまだれ 適量
〆の雑炊
ごはん茶碗1杯 卵1個 焼き海苔1/4枚
※食材量は目安量です。
作り方
1.鍋に水(分量外)を入れ、布巾で汚れを落とした昆布をいれ、弱火にかけ、沸騰したら昆布を取り出す
2.白菜からまいたけまでを準備し、①に入れ火を通す
3.豚とブリを食べる直前に入れて、白っぽく色が変わったら、野菜と一緒につけだれに付けて食べる
4.残った昆布だしにご飯を入れて沸騰させ、ご飯が軟らかくなったら火を止める
5.溶き卵を回し入れ、1〜2分蓋をして海苔を散らして出来上がり
6.茶碗に入れたら、ポン酢しょうゆを適量入れて食べる
ポイント
・お鍋レシピの改善ポイントの2種のタンパク源(豚・ブリ)にすることでビタミンB群、鉄分のバランスが良くなる
・水菜や人参の緑黄色野菜、まいたけをプラスすることで、β−カロテン、ビタミンDをアップできる
・鍋の汁を昆布だしにすること、〆の雑炊の味付けはポン酢しょうゆで行うことで塩分をコントロールしやすくなる
いかがでしたか?
〆の雑炊や麺類は栄養バランスを整えるためには必要ですが、摂取量が多いとエネルギー過多になる可能性があるため、量のコントロールと塩分の調整には注意してください。
食事だけでは栄養素が補いきれない場合はプロテイン等の栄養補助食品も試してみてください。
「おいしい大豆プロテイン」は食事で不足しがちな「カルシウム」と、カルシウムの吸収を助ける「ビタミンD」、糖質やタンパク質の代謝に関わる「ビタミンB群」も配合されています。
ぜひ参考にして、お鍋シーズンを楽しんでくださいね!