今朝の朝食はなにを食べましたか? …トーストだけですか? それでは「44点」しかあげられません。といっても、学校のテストの採点などではありません。いま話したのは、「アミノ酸スコア」の点数です。
「アミノ酸スコア」の点数と聞いて、首を傾げた方は多いのではないでしょうか。確かに、あまり聞きなれない言葉ですよね。ですが、「アミノ酸スコア」とは、カラダの健康維持にとても役立ってくれるものなのです。
アミノ酸スコアは、食べ物に含まれる「タンパク質」の量と「必須アミノ酸」がバランス良く含まれているかを数字で表した指標となるものです。「必須アミノ酸」は、約20種類あるアミノ酸のうち、体内で作り出せない9種類のアミノ酸(イソロイシン・ロイシン・リジン・メチオニン・フェニルアラニン・スレオニン・トリプトファン・バリン・ヒスチジン)のことです。それぞれに、カラダを作る働きがあり、1つでも不足してしまうと、健康なカラダを維持する事が出来なくなってしまいます。
必須アミノ酸は、カラダのなかで「タンパク質」を作るために欠かせない栄養素。タンパク質は、カラダの材料になるので、必須アミノ酸は必要不可欠です。
しかし、ただタンパク質を食事から摂れば良いと言う訳ではありません。タンパク質を含む食品でも、肝心のアミノ酸が豊富に含まれていなければ、いくら摂取しても、カラダにとって有効な働きをしてくれません。
でも、どの食べ物に、どれだけの必須アミノ酸が入っているか分からないですよね。そこで登場するのがアミノ酸スコアです。アミノ酸スコアについては、先に説明した通り、9種類の必須アミノ酸の含有率を数値化したものです。アミノ酸スコアには計算方法があります。
食品タンパク質の第一制限アミノ酸含有量(mg/g:タンパク質)÷アミノ酸評定パターン当該アミノ酸含量(mg/g:タンパク質)×100
計算式に出てくる「第一制限アミノ酸」ですが、これは最も不足している必須アミノ酸の事を指します。そして「アミノ酸評定パターン」とは、必須アミノ酸の中で、どれが第一制限アミノ酸なのか、いくつあれば良いのかを調べる為に表として表されたものの事です。「アミノ酸評定パターン」は、国際機関のFAO/WHO/UNUによって定義されています。参考に、2007年に改定されたアミノ酸評定パターンを記載します。
アミノ酸評定パターン(2007年,18歳以上)
・イソロイシン:30 ・ロイシン:59 ・トリプトファン:6.0 ・リジン:45
・ヒスチジン:15 ・バリン:39 ・スレオニン:23
・含硫アミノ酸:22 ・芳香族アミノ酸:38
(含硫アミノ酸は、硫黄を含むアミノ酸でありメチオニンとシステインで構成されており、メチオニンは必須アミノ酸ですが、システインは必須アミノ酸ではありません。芳香族アミノ酸はフェニルアラニン、トリプトファン、チロシンで構成されていますが、含硫アミノ酸のシステイン同様、必須アミノ酸ではありません)
以上の数値を計算式に当てはめて算出されたものが、アミノ酸スコアとなります。
例えば、9種類の必須アミノ酸のうち、1つだけが100に到達していないが、残り8つは100に到達していると仮定します。一見、1つだけが100以下であり、残りは100に達しているから問題ないように考えませんか?しかし、残り8つが100に達していても、100以下の1つに合わせて利用されるのです。これでは、せっかく100と言う上限を満たしている必須アミノ酸は無駄になってしまいます。
つまり、アミノ酸スコアを使えば、食品から質の良いタンパク質を摂取する際、9種類の必須アミノ酸すべてが100に到達しているかどうか見極めができ、バランスの良い摂取が可能と言う事になります
これなら、体内で生成出来ない必須アミノ酸を、食品からきちんと摂れているか、一目瞭然です。アミノ酸スコア100で、すべての必須アミノ酸をバランスよく含んでいるという事になります。
アミノ酸スコアによって、食品に含まれる必須アミノ酸の含有量が分かると言うお話をしましたが、アミノ酸スコア100の食品は何か、知っておくと更にバランスの良い摂取になると思いませんか?
以下、食品別にアミノ酸スコアをご紹介します。
【肉類】
・鶏肉(もも皮付き 生):100 ・鶏肝臓(生):100 ・豚肉(ロース 脂身付き 生):100 ・豚肉(ひき肉 生):100 ・和牛肉(もも皮下脂肪なし 生):100 ・馬肉(赤身肉 生):100
【魚介類】
・真アジ(皮つき 生):100 ・シロサケ(生):100 ・カツオ(春獲り/秋獲り 生):100 ・真イワシ(生):100 ・カキ(養殖 生):100 ・ホタテ貝(生):100 ・クルマエビ(養殖 生):100
【乳類】
・牛乳:100 ・ヨーグルト(全脂無糖):100
【卵類】
・鶏卵(全卵 生):100 ・うずら卵(全卵 生):100)
【穀類】
・精白米(うるち米):93 ・玄米:100 ・食パン:51 ・中華めん(生):53
【種実類】
・ごま(乾):73 ・アーモンド(乾):78
【参考】日本食品標準成分表2015年版(七訂)アミノ酸成分表編:文部科学省
https://www.kyoiku-tosho.co.jp/data/correct/teisei_colorchart.pdf
肉類や魚介類に比べると、穀類の数値が低い事が分かります。しかし、アミノ酸が100の食品ばかり摂取していては、栄養のバランスが崩れてしまいます。栄養摂取のポイントは、「不足しているアミノ酸を補う」ことです。アミノ酸スコアが低い食品でも、複数の食品を合わせて摂ることで栄養バランスもアミノ酸スコアも改善できます。
日頃からタンパク質をチャージして筋力を維持するためには、アミノ酸スコアの高い食事を心がけたいところですが、忙しくて取りきれなかったり、食欲がなかったりする時も当然あります。また、アミノ酸スコアは高くても、含まれているタンパク質自体が少ない食品もあり、食べるものに迷うこともあるでしょう。
そんな時に役立ってくれるのが「プロテイン」です。
プロテインを利用している、または手にした事がある方はご存知かと思いますが、ほとんどのプロテイン製品には「アミノ酸スコア100」と記載されています。つまり「質の良いタンパク質」であると言う事です。
●inゼリー プロテイン
ホエイペプチド5,000mg、クエン酸1,000mgを配合しているヨーグルト味のプロテインです。
素早くタンパク質補給ができ、運動後のリカバリーや、次の食事までの間のタンパク質補給におすすめです。タンパク質は5g含まれており、エネルギーは90kcalと低く、体重の増加が気になる人にもおすすめできる商品です。炭水化物、カルシウム、ビタミンB群も同時に摂ることができます。
森永製菓トレーニングラボで契約しているトップアスリートでも、運動後の栄養補給に利用している選手も多くいます。
●マッスルフィットプロテイン
吸収の速いホエイとゆっくり吸収されるカゼインを含んでいるので、効果的なカラダづくりをサポートします。
また、タンパク質と同時に摂取することでより効率的なカラダづくりに役立つといわれているEルチンも配合しております。
その為、摂取が難しい時、必須アミノ酸を補えるプロテインで補うのも一つの手です。カラダ作りを意識されている方は、タンパク質の量だけではなく、質の良いタンパク質を摂る事も大切です。筋肉と必須アミノ酸の関係については以下のページで解説していますので、是非参考にしてみてください。
参考:筋肉に欠かせないアミノ酸:BCAAの効果とは?