ビタミンCやビタミンBは何かと耳にする機会も多い栄養素かとは思いますが、ビタミンEは聴き馴染みがないという方も多いのではないでしょうか。
本記事では、ビタミンEのはたらきや、ビタミンEが豊富に含まれる食品を紹介します。
ビタミンEのはたらきを解説します。
使いおきした古いサラダ油は色が濃くなり、嫌な臭いも感じられるようになります。これは油が空気に触れることで、酸化し、油の劣化がおこっているからです。
実は体内でも同様のことがおきてしまいます。脂質を含む細胞膜にはビタミンEが溶けて存在しています。これにより、細胞膜が酸化するのを防止しています。
人体の細胞数は60兆個といわれますが、それらを守ることで人のカラダは若々しく、健康な体を保つことができています。その秘訣のひとつがビタミンEなのです。
食事摂取基準2015年版(厚生労働省)ではビタミンEの一日の摂取目安量は成人男性6.5mg/日、成人女性6.0mg/日です。
平成28年度国民健康・栄養調査報告ではビタミンEの平均摂取量は成人男性、6.9mg/日、成人女性、6.4mg/日と摂取量はまかなえているのが現状です。
しかし、運動後は血中過酸化脂質の増加を抑えるビタミンEの補給が大切であるといわれています。また、生活習慣の乱れから引き起こされる不調にもビタミンEの効果が期待されています。また、ビタミンEの効果をさらに高めるには摂取目安量の10~50倍必要(「体づくりのための栄養と運動」大野秀樹著 ナップ 2011 p.96)という考え方もあります。
これは1日当たり100~300mgの摂取に相当します。積極的なビタミンE摂取がポイントの様です。
では、摂り過ぎによる危険はないのでしょうか。
骨や血液凝固への影響について懸念されていますが、耐容上限量(食事摂取基準)は年齢・性別で幅はありますが、650~900mg/日です。
ビタミンEは実際のところ摂取した量の3分の2は便として排泄され、脂溶性ビタミンの中では比較的体内に蓄積されにくいです。食事で摂取する範囲では過剰症の心配はまずありませんね。
( )内は100g中のビタミンE(α-トコフェロール)含有量。◎は10g中とする。
そんなEことばかりのビタミンEを手軽に摂るには、アーモンド(◎3.0mg)、ピーナッツ(◎1.1mg)などの『ナッツ類』がお勧めです。ただし、ナッツ類は脂質が多く、エネルギー量が高い食品です。1日に10粒くらいの量を摂るのが理想的とされています。思わず一袋食べてしまった・・・という事のないように、小さなお皿にあらかじめ用意して食べるなど食べ過ぎを防ぐ工夫も忘れずにして下さい。
また、緑黄色野菜にも多く含まれ、中でもモロヘイヤ(6.5mg)と赤ピーマン(4.3mg)には同時に補いたいカロテンやビタミンCも豊富なため、ビタミンE摂取には是非取り入れたい食材です。
赤ピーマンは炒め物やサラダなどに手軽に利用できますが、モロヘイヤはどのような食べ方があるかわからず、手を出しづらい食材ではないですか。
モロヘイヤはアラビア語で “王様の野菜”。葉のぬめりには食物繊維が含まれています。火を通す時間はさっと短く、油と一緒に食べるのがおすすめです。
<モロヘイヤレシピの紹介>
食材(2人分)
モロヘイヤ 50g(1/2袋)
ベーコン 20g(1枚)
だし汁 300ml
醤油 小さじ1/2
塩 少々
作り方
コメント
・モロヘイヤの茎は固いので葉を使う
・ベーコンを入れることで油と一緒にモロヘイヤのビタミンEを摂取できる
食材(2人分)
卵 2個
モロヘイヤ 50g(1/2袋)
だし醤油(めんつゆ) 小さじ1
水 大さじ2~3
みりん 小さじ1
油 適量
作り方
コメント
・モロヘイヤの茎は固いので下茹でをするとよい
魚介類ではうなぎの蒲焼(4.9mg、)とはまち(4.6mg)にビタミンEが豊富に含まれます。はまちには出世したブリ(2.0mg)の2倍以上含まれています。
ビタミンEは油と一緒に摂取することで吸収が良くなり、ビタミンCやβカロテンを同時に補うことで、さらなる力を発揮してくれます。ウイダープロテインで唯一ビタミンEが含まれているのが、ウエイトダウンです。1回あたりのビタミンE含有量は2.6mgです。
毎日の食事にプラスしてビタミンEを無理なく取り入れられますので、この夏のアイテムとして、是非ご活用ください。
参考
ビタミン・ミネラルの本 吉川敏一著 土屋書店 2009
食材の栄養素を最大限にひきだす便利帳 五十嵐ゆかり監修 永岡書店 2016