前回のコラムでは、フルマラソンへ向けた減量のポイントについてお話しましたが、今回はいよいよ本番前日になったときの食事のポイントについて取り上げます。
レースにおいて、パフォーマンスを阻害する要因になり得る症状は、おおよそ3つに分かれるのではないでしょうか。
①エネルギー源の問題
②水分、および電解質の問題
③胃腸の問題
これらの症状は、全て前日の食事や当日の栄養補給が大きく影響し、これらの要因を減少させる、または症状がみられる時間を遅らせることがレース前日、または当日を含めた食事の目標になると考えられます。
では、これらの症状に対する具体的な対策を確認していきましょう!
前日の食事は最もエネルギー源となる糖質を身体に蓄える準備を行うため、普段食べている
肉や魚、野菜などのおかず(主菜、副菜)を少な目にし、その分糖質の量を多くするということが大切です。
そのためには・・・
・主食の量を普段食べている量よりも増やす
・3食かならず主食を食べる
・午前、午後に糖質を中心とした補食を食べる
・おかずは意識的に控える
といった対策が考えられますね。
水分も電解質も、レース当日だけ摂取していれば良いというものではありません。特にレース前日から、糖質と電解質を含むスポーツドリンクを飲用しておくことは、当日の脱水や低ナトリウム血症、塩分の枯渇等を防ぐために大切なことです。
そのために・・・
・前日に飲用するスポーツドリンクを1000ml程用意しておく
・前日からこまめに補給しておく(一気には飲まない)
・練習やトレーニング前後に体重をチェックし、普段から脱水に気を付けておく特に水分補給に関しては、意識的に行わないと忘れがちになってしまいますので、準備を怠らないようにしたいですね。
●inゼリー プロテイン
クセがなくて飲みやすい、ヨーグルト味のゼリー飲料です。爽やかな風味で、初めてでも飲みやすく、食欲がわかない日の栄養補給にも活用できると思います。粉末プロテインのように溶かす手間はなく、常温で持ち運べるため、手軽にタンパク質を摂取できます。
1袋あたりのタンパク質は5.0gです。エネルギーは90kcalと低く、脂質も0gです。ほかにカルシウムやビタミンB群も含まれています。エネルギーを控えたい間食に活用してみてはいかがでしょうか。
最も起こりがちな問題が胃腸障害です。フルマラソンを走るためには、日常では摂ることのないエネルギー量を補給することになります。
さらに、緊張状態で消化不良になってしまうことも考えられます。そういった点では、特に前日の食事は十分に下記のポイントを実践してほしいですね。
そのために・・・
・生もの(火が通っていないもの)は避ける
・調理後、時間が経ったものを避ける
・揚げ物や脂の多い食べ物、クリーム系の料理は避ける
・普段食べ慣れていないものを避ける
・食物繊維が多いものを避ける
・冷たすぎる食べ物や飲み物を避ける
・一気に水分を摂りすぎない(こまめに飲む)
特に普段あまり糖質を含むエネルギーを摂っていないランナーは、いきなりこういった栄養補給の対策を前日に行うことで、逆に胃腸傷害を引き起こしてしまう可能性もあります。
実践する前に、試走と同じでかならず食事も試してみてください。
むしろ練習と一緒にこういった取り組みも実践しながら、胃腸を強化していくということも、ポイントなので、是非前日の食事を考えながら参考にしてみてください!