スティック状のプロテインバーは、タンパク質を手軽に摂取できる栄養補助食品です。さまざまな種類のあるプロテインバーの中で、パッケージに「低脂肪」と記載があるものを見掛けたことがある方もいるのではないでしょうか。本記事では、低脂肪のプロテインバーとはどのようなものかを解説します。
※記事内でご紹介している森永製菓の製品の栄養成分は、2025年3月18日時点のものとなります。
カラダに必要な栄養素であるタンパク質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラルは、食事から摂取することが基本になります。どうしても食事から摂取できない栄養素をサポートするのが栄養補助食品であり、その1つがプロテインバーです。プロテインバーで摂取できる栄養素は製品によって異なります。低脂肪のプロテインバーはどのような特徴があるのでしょうか。
食品のパッケージには、エネルギー、タンパク質、脂質、炭水化物、食塩相当量などの栄養成分が表示されています。食品に含まれている栄養成分のほかにも、パッケージに「低脂肪」「低糖質」「カロリーゼロ」のように、食品の特徴が記載されていのを見かけたことがあるのではないでしょうか。「低脂肪」と記載されている食品は、含まれている脂質量がなんらかの基準に対して低いものを指します。
食品に記載されている表示ルールは「食品表示法」で示されており、「食品を摂取する際の安全性の確保及び自主的かつ合理的な食品の選択の機会を確保し、一般消費者の利益増進を図る」ことを目的とされています。食品表示法に記載されている、脂肪(脂質)の低い旨の表示の基準値は「食品100g当たり脂質3g」の食品です。また、比較対象となる食品よりも「低い」という表示方法もあります。
豚バラ肉や鶏もも肉のように、脂肪を多く含む食品はエネルギー量が高いことが知られています。脂肪はエネルギー源となるほか、カラダの構成成分として必要なものです。一方で、カラダに必要以上の摂取は控えたい栄養素でもあります。
「低脂肪のプロテインバー」を本記事ではパッケージに「低脂肪」と記載されているものとします。森永製菓が取り扱っているプロテインバーのうち、「低脂肪」と記載されている製品は「inバープロテイン グラノーラ」です。このプロテインバーは1本33gあたりで脂質0.6gの製品です。この数値は、食品表示法に記載されている、脂肪(脂質)の低い旨の表示の基準値は「食品100g当たり脂質3g」にも該当します。
体重コントロールをしていると脂肪摂取量だけでなく、糖質の摂取量が気になる方もいるのではないでしょうか。食品のパッケージを見て、糖質量を確認する方もいるかもしれません。では、「低脂肪」と「低糖質」はどのような違いがあるのでしょうか。
糖質とは、炭水化物から食物繊維を除いた栄養成分を指します。脂肪(脂質)と糖質は、どちらもエネルギー源になる栄養素です。食品に含まれている脂肪と糖質の量を抑えることで、エネルギー摂取量を少なくすることにつながります。
先述した通り、「低脂肪」とは食品に含まれている脂質がなんらかの基準を元にして低いものです。同様に「低糖質」とは、なんらかの基準を元にして糖質が低い食品です。低脂肪と低糖質の違いは、基準としている栄養素が脂質なのか糖質なのかということです。
森永製菓のプロテインバーのうち、糖質を抑えた一部の製品には、一般社団法人食・楽・健康協会の登録商標である「ロカボ」マークが記載されています。
なお、食品表示法の低い旨の表示基準値では「食品100gあたり糖類5g、一般に飲用に供する液状の食品100ml当たりの場合2.5g」と示されています。糖類とは、単糖類と二糖類の総称です。糖類、多糖類、糖アルコール、その他(アスパルテーム、ステビアなど)の総称である糖質とは異なります。
森永製菓が取り扱うプロテインバーのうち、低脂肪の「inバープロテイン グラノーラ」とロカボマークがのった糖質が抑えられた「inバープロテイン ベイクドビター」の栄養成分を表にまとめました。
森永製菓の商品情報を参考に筆者作表
参照日:2025年3月18日
1本あたりの重量が異なる点(inバープロテイン グラノーラは1本33g、inバープロテイン ベイクドビターは1本42g)を考慮して比較します。
そもそも、脂質と糖質では1g あたりのエネルギー産生量が大きく異なります。脂質は1gあたり約9kcal、糖質は1gあたり約4kcalです。このため、脂質が多く含まれるとエネルギー量も大幅に増えることになります。
低脂肪タイプの「inバープロテイン グラノーラ」は、脂質がわずか0.6gと非常に低く、1本あたりのエネルギー量も114kcalと抑えられています。一方、低糖質タイプの「inバープロテイン ベイクドビター」は、糖質を抑えているものの、脂質が9.9g含まれていることもあり、1本あたりのエネルギー量は192kcalとなっています。
エネルギー量を1gあたりで換算して比較すると、グラノーラは約3.5kcal/g、対してベイクドビターは約4.6kcal/gとなり、低脂肪タイプのグラノーラの方が低エネルギーであることがわかります。
プロテインバーを活用するとき、低脂肪の「inバープロテイン グラノーラ」とロカボマーク記載の「inバープロテイン ベイクドビター」のどちらを選べばよいのか迷ってしまうことがあるかもしれません。
タンパク質補給を目的とする場合、「inバープロテイン ベイクドビター」は1本で15.9gと、「inバープロテイン グラノーラ」の10.9gよりも多く摂取できます。ただ、その分サイズが大きく、摂取エネルギーや脂質も多くなります。より多くのタンパク質を摂りたい場合はベイクドビターが向いていますが、エネルギーや脂質を極力抑えたい場合は、グラノーラが選択肢になります。
一日の食事内容との組み合わせで選ぶ場合も、それぞれの特徴を意識するとよいでしょう。
食事が揚げ物や中華料理、パンなど、油を使ったものが多くなった日は、低脂肪の「inバープロテイン グラノーラ」を、食事がおにぎりやうどんのみのように、炭水化物中心になった日は「inバープロテイン ベイクドビター」を選んではいかがでしょうか。また、食物繊維をより多く摂取したい場合は、「inバープロテイン ベイクドビター」が選択肢になります。
プロテインバーを生活に取り入れたいと検討していると、どのようなシーンで活用できるのか気になる方もいるかもしれません。低脂肪のプロテインバーは、どのような場面で活用できるのでしょうか。
プロテインバーは、粉末プロテインのように飲料に溶かす手間なくタンパク質を摂取できます。カバンに入れて持ち運びしやすく、スポーツジムや屋外練習場などでトレーニングしたあとの栄養補給にも活用しやすいと思います。
勉強や仕事の合間に小腹が空くこともあるのではないでしょうか。帰宅時間が遅くなる予定の場合は、夕食までになにか栄養補給をしたいと考える方もいるかもしれません。小腹満たしのために手軽に菓子類やパンを食べることも方法の一つですが、含まれている脂質が気になる場合は、低脂肪のプロテインバーを活用することもおすすめです。
ダイエット中は、食事量の調整や運動をして「エネルギー摂取量の減少」と「エネルギー消費量の増加」に取り組むかと思います。ダイエット中、食事からのタンパク質摂取量が減る日もあるかもしれません。脂質を控えながらタンパク質補給をしたい日は、低脂肪のプロテインバーを選んでみてはいかがでしょうか。
森永製菓が取り扱う低脂肪のプロテインバーを改めて紹介します。
ザクザクとした食感のグラノーラを食べやすいバータイプにしています。ドライフルーツも混ぜ込まれており、フルーツの香りと味わいがアクセントとして感じるのではないでしょうか。大豆パフや大豆たんぱく配合しており、植物性タンパク質を補いたい方も活用しやすいと思います。意識して摂取したい鉄も合わせて配合されています。
低脂肪のプロテインバーは、脂質摂取が気になる日の栄養補給に活用しやすいと思います。購入時にはパッケージに記載されている栄養成分を確認しながら選んでみてはいかがでしょうか。
<参考>
1)<事業者向け>食品表示法に基づく栄養成分表示のためのガイドライン 参照日:2025年3月18日
2)ロカボオフィシャルサイト 参照日:2025年3月18日