ゴルフをしたことがない方は、ゴルフという競技が栄養補給のタイミングが難しいというイメージが沸かないのではないでしょうか。
簡単にゴルフの競技特性を検討すると、以下のような栄養補給戦略が挙げられます。
・気温や湿度、春先の寒暖差や夏の紫外線、冬の冷え込みなど外的な環境要因の影響により、栄養補給の量や種類を変える必要がある。
・1ラウンド18ホール回るためにおおよそ4時間かかるため、集中を継続させるために、エネルギー源となる糖質と水分を持続的に補給する必要がある
・飛距離を伸ばすために、増量を行うことも考えられる
・特に夏場は4時間以上強い紫外線を浴びることになるので、熱中症の対策を徹底しなければならない
・シーズン期間中は毎週のように試合が行われており、試合日では、早朝から夕方まで競技を行うため、競技時間に合わせた食生活リズムを普段から整える。
これらの問題にアプローチできれば、ゴルフの競技力向上の一助になり得ると考えられます。では具体的にどのような対策が望ましいのでしょうか?
表 ゴルフにおけるエネルギー補給、水分補給、疲労回復のポイント
表にまとめたポイントを徹底していただければ、競技力の向上にも繋がるのではないでしょうか。
18ホール回る際の栄養補給について、図のようにまとめましたので、是非参考にしていただければと思います。
スタートの2時間以上前であれば、基本的には糖質を多めにとることを意識した通常の食事(主食・主菜・副菜がそろった食事)にしましょう。
糖質を積極的にとる理由は、エネルギー源となるグリコーゲンを蓄えるためです。前日の夕食で補った分は睡眠中に徐々になくなっていくと考えられるので、朝の糖質補給は大切です。この時、「パンと果物」「ごはんと芋」など、2 種類以上の炭水化物を組み合わせるの も一つの方法です。炭水化物の種類によって消化に時間差が生じます。長い時間にわたってエネルギーが体内に供給できると考えられ、試合時間が長いゴルフには適しているのではないでしょうか。
2~3時間前に食べた食事の量で増減しますが、1時間前に食事を取るタイミングがあればバナナやカステラ、オレンジジュースなど消化のよい炭水化物を取り、エネルギーを蓄えておきましょう。
ゼリーやドリンクで糖質を補いましょう。inゼリーエネルギーのような消化吸収のスピードが考えられた商品を選んでみてはいかがでしょうか。水分補給にもなるので一石二鳥です。
前半が始まったら、スタート前に蓄えたエネルギー源を絶やさないよう、こまめな糖質補給が鍵となります。さらに体内の栄養面では後半のことを考えはじめましょう。後半に力を発揮できるようにするためにも、エネルギ源の糖質をバナナなどで補いましょう。また、筋疲労を少しでも抑えるためにタンパク質、筋肉をスムーズに働かせるためにカルシウムやマグネシウムのミネラルを補給していきましょう。豆乳、ヨーグルト、きな粉などはカルシウムやマグネシウムに加えタンパク質が含まれていますが、ラウンド中に摂るのは難しい思います。そういう場合は、大豆が原料のホエイプロテインは吸収しやすいタイプなのでこちらを活用してみてはいかがでしょうか。
ハーフ終了時は昼食という考えではなく、補食となるチャージ食です。気をつけたいのは食べすぎです。摂取したエネルギーが消化のために使われたり、また運動に使われたとしても消化が思うように進まず、お腹の調子を崩し、試合に集中できなくなる恐れもあります。量は控えめに、後半のラウンドが開始されるまでの時間を考慮しながら、麺類など消化の良いものを選んで補いましょう。また、inバープロテインやinゼリーなどもおすすめです。
前半の9ホールを終え、残り9ホール。前半での疲労が溜まり、集中力や判断力が低下すると考えられます。最終ホールまで集中力を維持するために糖質をこまめに補給していきましょう。
リカバリー食を摂りましょう。回復のためのリカバリーのタイミングは3回と考えられています。1回目はホールアウト後20分以内。2回目は2時間後。3回目は就寝時です。このタイミングで糖質3:タンパク質1の割合で摂取するのが目安です。中でも最も重要なのは1回目の20分以内です。筋肉と同時に胃腸も疲れている可能性があるので、糖質とタンパク質を含むプロテインパウダーやドリンクタイプのプロテインなど摂り入れやすいものを選んでみましょう。
●リカバリーパワープロテイン
糖質とタンパク質の黄金比3:1で配合されているため、運動後のエネルギー補給とリカバリーに適しており、カラダづくりに必要な栄養素やビタミンCを配合しております。
●inドリンク プロテインPET
すっきりとした味わいのプロテインドリンクです。タンパク質を補いながらも脂肪量はゼロ、エネルギー量も抑えられ、手軽にタンパク質を補給したい方におすすめのドリンクです。
明日へつなげるためのコンディション食です。糖質でエネルギーチャージ、タンパク質で筋肉のリカバリー、ビタミンやミネラルはからだの調子を整えるサポートとなるため、合わせて補いましょう。
試合の疲れなどで食がすすまない時も、次の日に影響が出ないよう夕食は必ずとりましょう。
そして、パフォーマンスの向上のために、朝~夕までは糖質中心の食事をしているので、夜ご飯のタイミングではの野菜を必ず取り入れましょう。
またクエン酸(柑橘類、梅干し、酢、キウイフルーツ、パイナップルなど)をプラスすることでグリコーゲンの蓄積がよくなると考えられています。夕食後のデザート、就寝前に食べてみるのもよいかと思います。
一般のゴルフ愛好者の方も、ゴルフ場に着く前に、コンビニ等に立ち寄った際にはinゼリー エネルギーやスポーツドリンク、小さめのカステラやバナナ等、エネルギーと水分を持続的に補給できるようなものを用意していきましょう!
【参考】
スポーツ選手のための食事400レシピ 石川三知著 学研 2015
アスリートのためのスポーツ栄養学 柳沢香絵監修 学研 2014