乳製品のタンパク質量、栄養素を解説!
乳製品にはヨーグルトやチーズなど、さまざまな種類があります。どの乳製品も、原料は動物の乳を加工したものですが、形状や味わい、含まれている栄養素には違いがあります。バランスの良い食事になるように食品選びをする中で、乳製品に含まれているタンパク質や栄養素が気になる方もいるのではないでしょうか。本記事では、乳製品に含まれるタンパク質量やその他の栄養素について解説します。
※記事内でご紹介している森永製菓の製品の栄養成分は、2023年1月31日時点のものとなります。
乳製品とは
乳製品とは、牛やヤギなど、動物の乳を加工して作られたものです。日本では、しぼったままの牛の乳である生乳や、生乳を殺菌した牛乳を加工して作られた乳製品などが活用されています1)。
乳製品にはさまざまな種類があり、乳酸菌を加えて発酵させたヨーグルト・乳酸菌飲料・チーズ、水分を蒸発させて濃縮した練乳、遠心分離機で脂肪分を集めたクリーム、クリームを攪拌して作られるバター、牛乳に砂糖や風味を加えて作られたアイスクリーム、乾燥させてパウダー状にした粉乳などがあります。
この記事では、食品の栄養成分をまとめた「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」の「乳類」に掲載されている乳製品からよく食べられている食品をご紹介します。なお、バターは日本食品標準成分表では油脂類に分類されていますが、クリームを加工した乳製品であるため、併せてご紹介します。
乳製品の栄養素のポイント
乳製品の原料となる生乳や牛乳は、タンパク質、脂質、炭水化物を含みます。また、ビタミンやミネラルも幅広く含み、特にカルシウムが豊富です。乳製品も、生乳や牛乳の栄養素を引き継いでいますが、加工方法によって栄養素の量は変動します。
例えば、クリームは生乳に含まれている乳脂肪分を取り出したものです。そのため、生乳よりも脂肪分が多くなり、タンパク質は少なくなります。また、アイスクリームには砂糖が加えられており、炭水化物が多くなります。
以上のように乳製品は、生乳や牛乳と同じようにタンパク質やその他の栄養素を摂取できるものばかりではありません。乳製品の種類によっては、脂質や炭水化物が多くなり、食べすぎると摂取エネルギーが多くなる可能性もあるのです。
乳製品のタンパク質量と含まれている栄養素
乳製品の種類によって含まれている栄養素は異なります。各乳製品に含まれている栄養素はどれくらいなのでしょうか。
ヨーグルト
生乳や牛乳などに乳酸菌を加えて発酵させたヨーグルトは、乳酸菌もとりいれることができる食品です。乳に含まれている乳糖やタンパク質の一部が乳酸菌によって分解されています。ヨーグルト100gあたりの栄養素を表にまとめました。
日本標準食品成分表2020年版(八訂)を参考に筆者作表
参照日:2023年1月31日
脂質の含有量が少なくなるほど、ヨーグルトのエネルギー量は少なくなります。しかし、タンパク質やカルシウムの量に、大きな違いはありません。
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チーズ
チーズは、ナチュラルチーズとプロセスチーズの2種類に分けられます。ナチュラルチーズは、乳に含まれているタンパク質のカゼインを乳酸発酵と凝乳酵素の働きで固め、水分を減らしたものです。チーズの種類によって白カビ、青カビなどの微生物を使って熟成させます。プロセスチーズは、ナチュラルチーズを加工して作られたものです。加熱によって熟成を止めるため、ナチュラルチーズと異なり時間が経っても風味が変わりにくいのが特徴です。主なチーズ20gあたりの栄養素を表にまとめました。
日本標準食品成分表2020年版(八訂)を参考に筆者作表
参照日:2023年1月31日
チーズの種類によってタンパク質量などが異なるのは、含まれている水分が影響すると考えられます。水分の多いクリームチーズ、モッツァレラチーズなどは、同じ重量でも摂取できるタンパク質量が少ないです。含まれる栄養素も考慮して、1食あたりに食べる量や種類を決めるとよいかと思います。
【関連記事】チーズのタンパク質量・栄養素について解説!手軽に作れるチーズ活用レシピも紹介
クリーム
一般的に知られているクリームには、動物性や植物性のクリーム、コーヒーに加えるクリームなどがあります。クリームは、「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(乳等省令)」で分類されており、生乳などから乳脂肪分以外の成分を取り除いたものが「クリーム」であり、それ以外は「乳又は乳製品を主要原料とする食品」に分けられています。この記事では、生乳や牛乳を原料にした乳製品をご紹介するため、乳脂肪のクリームやコーヒー用のクリームなどの100gあたりの栄養成分をまとめました。
日本標準食品成分表2020年版(八訂)を参考に筆者作表
参照日:2023年1月31日
クリームは脂質量が多く、乳脂肪のクリームに砂糖を加えて泡立てたホイップクリームには、炭水化物が多く含まれます。
アイスクリーム
アイスクリームは、「乳等省令」で「アイスクリーム」「アイスミルク」「ラクトアイス」の3種類に分類されています。分類の基準は、乳固形分及び乳脂肪分の量です。一方、かき氷やシャリッとした食感で、この分類にあてはまらないものは「氷菓」に区分されます。
【参考】乳等省令における規定
参照日:2023年1月31日
メーカーによってアイスクリーム1個の容量は異なりますが、200ml(175g)の栄養成分を表にまとめました。
日本標準食品成分表2020年版(八訂)を参考に筆者作表
参照日:2023年1月31日
アイスクリームと比べ、アイスミルクやラクトアイスにも脂質が多く含まれるのは、植物性脂肪も使われているからです。カルシウムは、乳固形分や乳脂肪を多く含むアイスクリームに多く含まれています。
バター
バターはクリームを攪拌し、脂肪球を集めて練り上げて作られます。発酵バターは、乳酸菌の働きで発酵させて作られたバターで、ヨーロッパではよく食べられています。バター10gあたりの栄養素をまとめました。