持続的なカラダづくりをサポートする「カゼイン」プロテイン
プロテインに配合されているタンパク質は、カゼインプロテインやホエイプロテインなど数種類あります。タンパク質の種類の違いについて、詳しく知りたいと感じている方もいるのではないでしょうか。本記事では、カゼインプロテインについて解説します。
※記事内でご紹介している森永製菓の製品の栄養成分は、2024年3月20日時点のものとなります。
プロテインの種類
プロテイン製品に配合されているタンパク質は、原材料に使用される食品や製法により分類されます。プロテイン製品に主に配合されているのは、カゼインプロテイン、ホエイプロテイン、大豆プロテインの3種類です。これらはどのような特徴があるのでしょうか。
カゼインプロテイン1)
カゼインプロテインは、牛乳に含まれているタンパク質のカゼインを抽出したものです。牛乳に含まれる数種類のタンパク質は、カゼインとホエイタンパク質の2種類に大きく分けられます。そのうちカゼインは、牛乳中のタンパク質の約80%を占めています。カゼインプロテインは、消化吸収が緩やかなことが特徴です。
牛乳中にカゼインは、カゼインミセルとして分散して存在しており、牛乳の状態からカゼインを取り出すことはできません。しかし、牛乳にレモン汁などの酸性のものを加えると、カゼインが凝固するためホエイと分けることができます。チーズやヨーグルトは、乳酸菌の働きによって凝固するカゼインの特徴を利用した食品です。
ホエイプロテイン1)
ホエイプロテインは、牛乳中のホエイからタンパク質を抽出したものです。ホエイは乳清とも呼ばれており、牛乳からカゼインと乳脂肪分を取り除いたものです。ヨーグルトから染み出ている、黄色がかった透明の液体がホエイで、ヨーグルトを食べる時に見かけたこともあると思います。
ホエイタンパク質は、牛乳タンパク質の約20%を占めており、速やかに消化吸収されることが特徴です。また、ホエイタンパク質がカラダづくりをサポートすると耳にしたこともあるかもしれません。
ヒトのカラダを構成するタンパク質は、20種類のアミノ酸から構成されています。ホエイタンパク質は、20種類のアミノ酸のうち、分岐鎖アミノ酸(BCAA)を多く含んでおり、カラダづくりをサポートするといわれています。
大豆プロテイン
大豆プロテインは、大豆のタンパク質を抽出したもので、ソイプロテインとも呼ばれています。タンパク質を多く含む食品は、肉類や魚介類、卵など主に動物性食品です。しかし、植物性食品からタンパク質を摂取したい方もいると思います。その場合、大豆が選択肢の一つになるかもしれません。
大豆プロテインは、カゼインプロテインと同様に消化吸収が緩やかなことが特徴です。また、大豆には、女性ホルモンに似た構造を持つ「大豆イソフラボン」が含まれており、美容が気になる方に注目されています。
カゼインプロテインのオススメポイント
先述したように、プロテイン製品に配合されているタンパク質は原材料によって特徴があります。プロテイン製品を活用する場合は、目的に合わせて選ぶことがおすすめです。次に、カゼインプロテインの詳しい特徴を紹介します。
カラダへの吸収スピードが遅い1)
牛乳タンパク質であるホエイプロテインとカゼインプロテインは、消化吸収の過程が異なります。吸収スピードが速やかなホエイプロテインに対し、カゼインプロテインはゆっくりと吸収されていきます。そのため、カゼインプロテインは長時間にわたって体内でアミノ酸を供給すると考えられています。
カラダへの吸収スピードが遅いと、カラダづくりにつながりにくいと感じるかもしれません。しかし、カゼインプロテインは持続的にカラダづくりをサポートします。トレーニングの合間の栄養補給や、健康的なカラダづくりを目的としたタンパク質摂取など、さまざまな場面での栄養補給に活用しやすいと思います。
満足感が減量をサポート
ゆっくりと消化吸収されるカゼインプロテイン1)を摂取すると、満足感が持続すると感じる方もいると思います。カラダに必要な栄養素は食事から摂取することが基本です。しかし、どうしても食事量が少なく、栄養素が不足してしまう場合は栄養補助食品を活用することも選択肢の一つになるかもしれません。
例えば、食事量のコントロールをしている減量期間中に、タンパク質不足が気になることもあるかもしれません。そのような場合、カゼインプロテインが配合されたプロテイン製品を活用すると、タンパク質補給ができるとともに、満足感が続くことで減量をサポートします。
ミネラルの吸収をサポート2)
牛乳は、カルシウムの吸収率が高いと耳にしたことはないでしょうか。これは、カゼインの消化の過程で作られる、カゼインホスホペプチド(CPP)が関わっています。
ホエイプロテインとカゼインプロテインの相乗効果
粉末プロテインの購入時には、配合されているタンパク質を確認する方もいると思います。粉末プロテインに配合されているタンパク質がカゼインプロテインのみの製品もあれば、ホエイプロテインや大豆プロテインとともに配合されている製品もあります。
複数のタンパク質が配合されている粉末プロテインを選ぶと、各プロテインの持つ特徴を活用することができます。
カゼインプロテインが摂取できるプロテイン
食事から摂取するタンパク質が不足する場合、栄養補助食品を活用するのも選択肢の一つです。持続的にカラダづくりをサポートするカゼインプロテインが配合された栄養補助食品はどのようなものがあるのでしょうか。森永製菓が取り扱うプロテイン製品のうち、カゼインプロテインが摂取できるものをご紹介します。
3種類のタンパク質を配合した「マッスルフィットプロテイン プラス」
カゼインプロテインとホエイプロテインに、大豆プロテインが加わった粉末プロテインです。3種類のタンパク質の吸収スピードの差で、カラダづくりをサポートします。カルシウムや鉄が配合されており、食事からの摂取量不足が気になる場合にも役立つのではないでしょうか。また、代謝に関わるビタミンB群や、運動で消費されたカラダのメンテナンスに役立つグルタミンも配合されていることが特徴です。
牛乳由来の2種類のタンパク質を配合「マッスルフィットプロテイン」
牛乳タンパク質のカゼインプロテインとホエイプロテインが配合されています。丈夫なカラダに関わるカルシウムや鉄、代謝に関わるビタミンB群、カラダのメンテナンスに役立つグルタミンも一緒に摂取できます。
ホエイプロテインの速やかな吸収と、カゼインプロテインの緩やかな吸収スピードを活用したカラダづくりをしている方、健康的なカラダを目指している方など、幅広い目的で活用できるのではないでしょうか。
まとめ
牛乳由来のカゼインプロテインは消化吸収が緩やかで、持続的にカラダづくりをサポートします。カゼインプロテインの特徴を活かしながら、プロテインをとりいれてみてはいかがでしょうか。ホエイプロテインや大豆プロテインと共に、目的に合わせて使い分ける方法もおすすめです。
<参考>
1)瀬戸 泰幸(2023)牛乳のタンパク質.オレオサイエンス,23(8):415-421.
2)内藤 博(1986)カゼインの消化時生成するホスホペプチドのカルシウム吸収促進機構.日本栄養・食糧学会誌,39(6): 433-439.