和菓子の材料として古くから食べられてきたといわれるきな粉。タンパク質が豊富な大豆から作られており「プロテインの代わりになるのでは?」と思う方もいるのではないでしょうか。本記事では、きな粉の栄養素について解説し、プロテインの代用となるのかを解説します。
さらさらとしたパウダー状のきな粉は、炒った大豆を粉砕したものです。炒ることによって大豆特有の臭みが抜け、香ばしい風味になります。一般的に市販されているきな粉は、黄大豆を粉砕した黄褐色のものです。そのほかに青大豆を粉砕した淡い緑色のきな粉もあり、「うぐいす粉」とも呼ばれています。
きな粉が使われている和菓子は甘味があるため、「きな粉は甘い」というイメージを持っている方もいるのではないでしょうか。しかし、きな粉は大豆そのものですから甘味は強くなく、和菓子に使われているきな粉には砂糖が混ぜられています。
きな粉は和菓子に使われるほかに、牛乳やヨーグルトに混ぜたり、トーストに振りかけたりして食べられています。きな粉は炒ってあるため、加熱せずにそのまま食べることが可能です。
【参考】
参照日:2021年11月26日
きな粉は大豆を原料とした食品のため、大豆に含まれている栄養素を摂取できます。大豆には、タンパク質、脂質、炭水化物のエネルギー産生栄養素のほか、幅広いビタミンやミネラルが含まれていることが特徴です。
大豆は「畑の肉」と呼ばれるほどタンパク質を多く含み、含有必須アミノ酸を評価するアミノ酸スコアが優秀な食材です。アレルギーや宗教上などの理由で肉類や魚介類が食べられない場合にも、大豆は良質なタンパク源になります。
また、大豆に含まれている脂質には、カラダで作ることができない必須脂肪酸のリノール酸、α-リノレン酸の含有率が高く、健康維持に役立つといわれています。そのほかに、大豆には食物繊維も多く含まれています。大豆がきな粉に加工されても、さまざまな栄養素を摂ることが可能です。
【参考】
参照日:2021年11月26日
エネルギー産生栄養素、ビタミンやミネラルのほかに、大豆には大豆イソフラボンが含まれています。大豆イソフラボンは、女性ホルモンのエストロゲンと化学構造が似ており、ホルモンバランスに左右されやすい女性のお悩みごとで注目されている成分です。
注目されている反面、大豆イソフラボンの過剰摂取によるカラダへの影響も心配されています。しかし、もともと日本人は、古くから大豆や大豆製品を食べてきており、一般的な食品から食べる範囲であれば問題ないと考えられています。
参照日:2021年11月26日
きな粉にはタンパク質が多く、幅広い栄養素も含まれています。きな粉とプロテインと比べると、摂取できる栄養素や飲みやすさには違いがあるのでしょうか。次に、きな粉がプロテインの代わりになるか見ていきましょう。
プロテインには、水や牛乳に混ぜる粉末タイプ、そのまま飲食できるバータイプやゼリー飲料など、さまざまな種類があります。また、配合されている主なタンパク質には、牛乳由来のホエイプロテインやカゼインプロテイン、大豆由来のソイプロテインがあります。
きな粉と比較するために、粉末タイプのソイプロテインから「ウイダー おいしい大豆プロテイン」をピックアップし、きな粉20gとプロテイン1食あたり20gの栄養素をまとめました。
参照日:2021年11月24日
タンパク質量を比べるときな粉の方が少なく、タンパク質を少しでも多く摂取したい方にとっては、プロテインが良いかもしれません。きな粉には脂質が多く含まれているため、脂質の摂取量が気になる方は注意が必要です。しかし、精製されていない分、きな粉の方が含まれている食物繊維、ビタミンやミネラルが多く、幅広い栄養素を摂取したい場合は、きな粉を取り入れるのも良いのではないでしょうか。
きな粉を粉末プロテインのように利用するなら、溶けやすさや飲みやすさからも比較してみましょう。
粉末プロテインは、飲みやすいようにフレーバーが付いており、水や牛乳などに溶かして飲みます。きな粉は大豆そのものであり、和菓子などでは砂糖で甘味をつけて食べるものです。そのため、きな粉を水に溶かすだけでは香ばしい風味はありますが甘味がなく、飲みにくさを感じるかもしれません。
きな粉と相性が良いのは牛乳です。お好みで砂糖やはちみつを加え、きなこ牛乳にするとおいしく飲むことができます。しかし、液体にきな粉は溶けにくく、よく混ぜてもコップの底にきな粉がたまってしまう傾向があります。
以上のことから、粉末プロテインのようにきな粉を利用しようとすると、飲みやすさでは代用が難しい点もあると考えられます。しかし、ヨーグルトやトーストにかけるなど、きな粉はほかの食材と組み合わせしやすい食品です。粉末プロテインの定番の飲み方とは異なる使い方で、きな粉に含まれているタンパク質を活用できるのではないでしょうか。
ソイプロテインは、大豆を精製してタンパク質を取り出し、パウダー状にしたものです。そのため、大豆そのものに含まれているタンパク質以外の脂質、炭水化物はおさえられています。
活用シーンに合わせ、ビタミンやミネラルを配合したソイプロテインがあり、タンパク質量も異なります。タンパク質を摂取する目的に合わせ、プロテインを選べることが特徴です。粉末のソイプロテインは液体に溶けやすくなるよう工夫されており、加えられたフレーバーや甘味によって大豆特有の風味も抑えられています。
また、ソイプロテインは、牛乳由来のホエイプロテインと比べると吸収スピードが緩やかだといわれ、満足感につながると感じる方もいるかもしれません。プロテインには、ソイプロテインのみを配合したもののほか、ホエイプロテインやカゼインプロテインと一緒に配合されたものがあります。プロテインを購入する際は、吸収スピードの差も考慮してみてはいかがでしょうか。
【関連】
プロテインにはソイプロテインが配合された製品が複数あります。含まれている栄養素や味わいは異なり、さまざまな目的で活用できるのではないでしょうか。森永製菓が取り扱うプロテインの中から、おすすめの製品をご紹介します。
シェーカーに入れて軽く振るだけでさらっと溶ける粉末プロテインです。苦味のあるフレーバーが程よいコーヒー味と、チョコレートの風味が広がるビターチョコ味の2種類の味から選べます。
1食あたりのタンパク質は10g。カルシウムやビタミンD、ビタミンB群を摂取できます。不足したタンパク質を補いたい日や、運動した日の栄養補給など、さまざまな目的で活用でき、家族でもシェアしやすいプロテインです。
ピンク色のパッケージが印象的な、1食あたりでタンパク質を15g摂取できる粉末プロテインです。甘味が程よいソイカカオ味、ミルクが香るソイミルク味の2種類あります。
タンパク質だけでなく、ビタミンC、鉄、ビタミンB群が配合されています。理想のボディラインを目指している方、タンパク質不足が気になる日に活用しやすいのではないでしょうか。
ソイプロテインだけでなく、牛乳由来のホエイプロテインとカゼインプロテインを配合した粉末プロテインです。素早く吸収されるホエイプロテイン、緩やかに吸収されるソイプロテインとカゼインプロテインの特徴から、カラダづくりをサポートします。
1食あたりのタンパク質は21.7g。カルシウム、鉄、ビタミンB群も配合されています。ハードな運動をしたあとの栄養補給や、理想のカラダを目指す目的などに活用しやすいと思います。
大豆タンパク質や大豆パフを混ぜ込んだ、グラノーラタイプのプロテインバーです。朝食に食べられることもあるグラノーラを手軽に食べられるため、間食や外出先での栄養補給などに活用しやすいのではないでしょうか。
1袋あたりのタンパク質は10g。食物繊維、鉄、ビタミンB群も一緒に摂取できます。ドライフルーツが混ぜ込まれていることから、香りがよくて噛みごたえもあり、小腹が空いたときの栄養補給にもおすすめです。
きな粉はタンパク質を摂取できる食品です。粉末プロテインのように液体に混ぜて飲むには、砂糖や牛乳と合わせるなどの工夫が必要なケースがあるかもしれません。しかし、そのままでも食べることができるため、ほかの食材と組み合わせてタンパク質をプラスすることもできます。タンパク質補給をしたい日によって、ソイプロテインときな粉を使い分けてみてはいかがでしょうか。
プロテイン効果