食品に含まれている五大栄養素のうち、ビタミンは数多くの種類があり、全部で13種類あります。カラダに必要なビタミンの量は微量ではありますが、それぞれ重要な働きをしています。本記事では、ビタミンEの働きと摂取目安量、ビタミンEを含む食品を解説します。
ビタミンを大きく分けると、水に溶けやすい「水溶性ビタミン」と油に溶けやすい「脂溶性ビタミン」の2つに分けられます。ビタミンEは脂溶性ビタミンに分類され、カラダの中の細胞膜に存在し、健康維持のために働いています。
また、脂質の酸化から守る働きがあるといわれており、油脂を含む食品の抗酸化剤として使われることもあります。
日本食品標準成分表を見ると、ビタミンEの項目には「トコフェロール」が記載されています。トコフェロールは、α・β・γ・δの4種類に分類され、植物によって合成されます。このほかに4種類の「トコトリエノール」が存在します。
カラダの中でみられるビタミンEの大部分が「α-トコフェロール」のため、日本人の食事摂取基準には「α-トコフェロール」の数値が用いられています。
日本人の食生活において、食事に極端な偏りがない場合、ビタミンEが不足することはほとんどないと考えられています。また、ビタミンEの摂取量が目安量を満たしていなくても、健康な成人であれば、ビタミンE欠乏の症状が現れることは稀だといわれています。
では、1日にどのくらいの量のビタミンEを摂取したらよいのでしょうか。ビタミンEの摂取目安量は日本人の食事摂取基準に示されています。
参照日:2021年7月28日
日本人の食事摂取基準をみるとビタミンEは年齢、性別によって目安量が異なり、妊婦または授乳婦の目安量も示されています。日本人の一般的な食事からではビタミンEの欠乏症や過剰症は起こりにくいと考えられていますが、過剰症が心配される面も考慮して耐容上限量も示されています。
摂取した栄養素や生活習慣などの状況を調査した「国民健康・栄養調査」の2019年の結果を見ると、ビタミンEの1日あたりの平均摂取量は男性で7.0mg/日、女性で6.5mg/日でした。日本人の食事摂取基準の値と比べると、目安量を満たしていることが分かります。
参照日:2020年7月28日
ビタミンEは動物性食品、植物性食品を問わず、さまざまな食品に含まれています。ビタミンEが多く含まれている主な食品をまとめました。
参照日:2021年7月28日
動物性食品のうち、ビタミンEが多く含まれているのは一部の魚介類です。肉類や卵にも含まれていますが、鶏肉(もも肉)は100g当たり0.7g、卵は1個当たり0.65gと、めかじきやうなぎに比べると少ない傾向があります。ナッツ類には、アーモンドに多く含まれ、果実類にはキウイやアボカドに含まれています。
表にまとめた食品以外にも、幅広い食品にビタミンEは含まれています。一つ一つの食品に含まれているビタミンEの量は少なくても、1日に摂取した量を合計すると、日本人の食事摂取基準の目安量を満たす傾向があります。
また、通常の食品からビタミンEを摂取できている場合、欠乏症や過剰症が起こることはないといわれています。
1日3回の食事で栄養バランスを整えることや、食事が偏ってしまったとしても数日で調整することでカラダに必要な栄養素の摂取量に近づくといわれています。そのため、ビタミンEの目安量を満たすことも含め、さまざまな栄養素を摂取するためには、栄養バランスを考慮した食事は大切だといえるのではないでしょうか。
しかし、栄養バランスを整えるために、食事から摂取した栄養素を詳細に把握するのは大変だと思います。そこで、1日に「何を」「どれだけ」食べたら良いのか分かりやすく示されている「食事バランスガイド」を使用することがおすすめです。
【参照】食事バランスガイドチェックシート
食事バランスガイドでは、エネルギー源となるごはんやパン、麺類などの「主食」、タンパク質を多く含む肉類、魚類、卵などの「主菜」、ビタミンやミネラルを多く含む野菜やきのこなどの「副菜」、「牛乳・乳製品」、「果物」の5つの区分に分けられて、1日の目安量を分かりやすく示されています。これらを揃えることで、ビタミンEを含め、カラダに必要な栄養素を摂取しやすくなるのではないでしょうか。また、同じ食品を食べ続けず、幅広い食品を摂取することも大切だといわれています。
しかし、栄養バランスが整った食事を用意できない日もあるかもしれません。また、食事をとる時間が十分に確保できず、簡単に食事を済ます日もあるかもしれません。栄養バランスが偏ってしまった場合は、栄養補助食品を活用することを一つの選択肢として考えてみてはいかがでしょうか。
食事が偏った場合、不足する栄養素はその日によってさまざまだと思います。また、必要な栄養素は個人差もあります。不足している栄養素を補いたい場合は、主食、主菜、副菜の3つのうち、なにが少なかったのかを把握することから始めてみることもおすすめです。
例えば、主菜が少なかった場合はタンパク質を摂取できる栄養補助食品を、副菜が少なかった場合はビタミンやミネラルを摂取できるものを選ぶなど、摂取量が少なかったものを把握することで、その日に合わせた栄養素を補いやすくなると思います。次に、不足した栄養素を補え、ビタミンEも含む森永製菓の栄養補助食品をご紹介します。
1食22gあたりのタンパク質量は15.5g、ビタミンEは2.6mgを摂取できる粉末プロテインです。そのほかに、ビタミンB群、ビタミンC、鉄も配合されています。摂取できるタンパク質量は豚バラ肉約110gと同等ですから、主菜が不足した日をサポートします。また、水の代わりに牛乳で粉末プロテインを溶かすと、エネルギーやカルシウムも補うことができます。
運動時の減量をサポートする粉末プロテインです。1食15gあたりのタンパク質量は7.5g、ビタミンEは2.6mgを摂取できます。そのほか、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンD、鉄、カルシウムも配合されています。「プロテイン効果」と比べると摂取できるタンパク質量は少ないですが、タンパク質と同時に複数のビタミンとミネラルを摂取できます。
1袋180gあたりで1日分のビタミンを摂取できるゼリー飲料です。ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKの合計12種類のビタミンが含まれ、副菜が少なかった日の食事をサポートします。タンパク質と脂質は含まれておらず、エネルギー量が90kcalとビタミンを摂取したい場合に活用しやすいのではないでしょうか。
なお、ビタミンAの過剰摂取が気になる妊娠中や妊娠希望の女性が飲む場合は、摂取する量に注意してください。また、健康な成人に必要なビタミンの量が含まれているため、必要なビタミン量が成人よりも少ない小児は摂取を避けましょう。
エネルギー量を0kcalに抑え、なおかつ「inゼリー マルチビタミン」と同様に1日分の12種類のビタミンを摂取できるゼリー飲料です。エネルギー摂取量は適度にあっても野菜不足を感じる日におすすめです。エネルギー摂取量を調整している場合などに、活用しやすいのではないでしょうか。妊娠中、妊娠希望の女性は摂取量に注意し、小児は摂取を避けてください。
ビタミンEは、一般的な食事をしていると不足しにくい栄養素だといわれています。栄養摂取は、食品から摂取することが基本です。幅広い食品を食事に取り入れることで、栄養バランスが整いやすい傾向があります。食事が偏ってしまう場合は、数日で調整するほか、栄養補助食品を活用することも考慮してみてはいかがでしょうか。
プロテイン効果