脂質の働き・役割と摂取の目安量、脂質と上手く向き合うための食事のポイントを紹介
体脂肪を増やさない、もしくは減らすために、脂質の摂取量を控えている方がいるかもしれません。しかし、脂質はカラダの中で大切な役割をしています。そのため、食事からの脂質の摂取量をコントロールすることが大切だといわれています。
本記事では、脂質の働きと役割、適正な摂取量や食事のポイントを解説します。
脂質の働きと役割とは
食事から摂取した脂質は、カラダの中でエネルギー源として使われます。また、細胞膜やホルモンの材料としても使われるほか、脂溶性ビタミンの吸収を助ける役割もしています。
脂質は、炭水化物やタンパク質とともにエネルギー源として働く栄養素であるため、「エネルギー産生栄養素」と呼ばれています。脂質は1gにつき約9kcalのエネルギーとなります。炭水化物やタンパク質は1gにつき約4kcalですから、エネルギーの発生量を見ると脂質は効率の良いエネルギー源だといえるでしょう。
体脂肪は、マイナスなイメージを持たれやすいですが、大切な働きをしています。食事から摂取したエネルギー量が消費エネルギー量を上回ると、残りのエネルギーは、体温の保持や内臓の保護の働きをしています。しかし、食事から過剰にエネルギーを摂取すると、体脂肪としてカラダに多く蓄えられ、生活習慣病に繋がる可能性があります。
一般的な食生活をしていると、脂質は不足しにくい栄養素だと言われていますので、摂取量を把握することが大切です。
食品に含まれている脂質の種類
脂質は、構成している脂肪酸の種類で分類されます。食品に含まれている脂肪酸は、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の2種類に分けられ、さらに不飽和脂肪酸は一価不飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸に分けられます。主な脂肪酸を含む食品をまとめました。
多価不飽和脂肪酸は、カラダの中で合成できないため、食品から摂取する必要があります。そのため、必須脂肪酸と呼ばれています。
多価不飽和脂肪酸の中で、サンマやサバなどの青魚に多く含まれているDHAやEPAはよく知られているのではないでしょうか。また、近年注目されているアマニ油やエゴマ油にはα‐リノレン酸が多く含まれています。
脂質の適正な摂取量
脂質は、食事からどのくらいの量を摂取したら良いのでしょうか。エネルギー産生栄養素である炭水化物、タンパク質とともに、バランスを取りながら摂取することが大切だといわれています。
厚生労働省では、健康な人の必要なエネルギー量や栄養素などを「日本人の食事摂取基準(2020年版)」で示しています。エネルギー産生栄養素バランスの食事摂取基準は、以下の通りです。
参照日:2021年4月20日
エネルギー産生栄養素の食事摂取基準の値は「%エネルギー」で示されています。つまり、エネルギー摂取量に対して、何%摂取したら良いのかという値です。これは、栄養素の摂取不足の予防と過剰摂取による生活習慣病の発症予防や重症化予防を目的として示されています。
脂質の目標量は、1歳以上で20~30%です。1日に必要なエネルギー摂取量は、個人で異なります。日本人の食事摂取基準の推定エネルギー必要量は以下の通りです。
参照日:2021年4月20日
例えば、25歳の男性で身体活動レベルが“ふつう”の方なら、推定エネルギー必要量は2,650kcalです。この推定エネルギー必要量から脂質の20~30%の値を計算すると、530~795kcalとなります。
つまり、エネルギー摂取量のうち530~795kcalは脂質から摂取することが目標量となるのです。脂質は1g約9kcalですから、脂質量にすると58.9~88.3gとなります。このように、脂質の目標量を把握しておくと、食事から摂取する際の目安量になるでしょう。
脂質が多く含まれている食品
現在の日本人の食事は、、極端に脂質を避けた食事をしていなければ、不足しにくいといわれています。食品にはどのくらい脂質が含まれているのでしょうか。肉や魚など、脂質が含まれている主な食品の脂質量をまとめました。
参照日:2021年4月18日
以上のように、食品によって含まれている脂質の量はさまざまです。また、調理法によっても脂質量は変動します。脂質量は、揚げ物が多いほか、調理油を多く使う中華料理なども多くなりがちです。
洋菓子やスナック菓子、チョコレートなど、お菓子にも脂質は多く含まれている傾向があります。食事のほかに、お菓子を食べる習慣がある場合は、脂質摂取量が過剰になる可能性もあるでしょう。
脂質に気を付けたいときの食事のポイント
運動習慣があり、タンパク質摂取を意識していると、脂質摂取量の多さを気にする方はいるかもしれません。肉や魚、卵など、タンパク質を多く含む食品は、脂質も多く含まれている傾向があるからです。脂質の摂取量を抑えたい場合に、気を付けたいポイントが3つあります。
ポイント1■肉よりも魚を多く取り入れる
肉には飽和脂肪酸が多く、部位によっては脂質摂取量が過剰になってしまう傾向があります。肉よりも魚を取り入れることで、脂質量を抑えつつ、必須脂肪酸を摂取することができます。肉を選ぶ場合は、脂質が少ない赤身や部位を選びましょう。
ポイント2■調理法を工夫する
食品に含まれている脂質は、調理法で減少させることが可能です。豚ロース肉であれば、脂身が分かれているため、包丁で切り落とすこともできます。また、鶏肉は皮に脂肪が多いため、皮を取り除くことで、脂質摂取量を抑えられます。調理法では、下茹でする、蒸す、焼いて余分な油を取り除くなど、工夫することで脂肪を落とすことができるでしょう。
ポイント3■脂質の多いお菓子を控える
脂質が気になる場合は、脂質が多く含まれているお菓子を控えていきたいもの。1日の間食の目安は200kcal以内にすると良いと考えられています。お菓子を食べたいときは、パッケージの栄養表示を確認して量を調整するほか、脂質の少ないお菓子に置き換えるのもおすすめです。
脂質量をコントロールしながらタンパク質を摂取できる栄養補助食品
必要なタンパク質量には個人差があります。脂質を抑えながらタンパク質を摂取したい場合、脂質量が抑えられている栄養補助食品を活用することも選択肢の一つです。森永製菓のプロテインのうち、おすすめの製品をご紹介します。
15gのタンパク質を摂取できる「マッスルフィットプロテイン」
1食分20g当りに含まれている脂質量は0.2~1.2gでありながら、15gのタンパク質を摂取できるプロテインパウダーです。配合されているプロテインは、牛乳由来のタンパク質であるホエイとカゼイン。吸収スピードに違いがある2種類を配合することで、カラダづくりに役立つと考えられています。
植物性タンパク質を摂取できる「おいしい大豆プロテイン」
1食分20g当りに含まれている脂質量は0.7gで、タンパク質を10g摂取できるプロテインパウダーです。大豆タンパク質を配合しており、植物性タンパク質を摂取したい方におすすめです。大豆特有の苦味が抑えられているので、飲みやすいと感じる方もいるのではないでしょうか。
脂質を抑えたお菓子代わりに「inバープロテイン グラノーラ」
1本あたりの脂質量は0.7g、タンパク質は10g摂取できるプロテインバーです。ザクザクとしたグラノーラタイプでドライフルーツも混ぜられているため、歯ざわりが良く、程良い甘味が特徴です。お菓子の代わりに置き換えるのもおすすめです。
まとめ
脂質の摂取量は、タンパク質や炭水化物とのバランスを考慮して調整していくことが大切だといわれています。3種類の脂肪酸をバランスよく摂るために、様々な食品・食材を選んで、調理方法を工夫し、脂質の適正な量を食事からの摂取するように心がけていきましょう。栄養バランスが気になり、脂質の量を抑えたいときは、プロテインパウダーやプロテインバーなどの栄養補助食品も活用してみてはいかがでしょうか。