いまや、女性アスリートの活躍は当たり前の光景となりました。レスリングやスキージャンプ、卓球、フェンシング、もちろんフィギュアスケートなどなど……例を挙げればキリがありません。
素晴らしい心がけですが、気を付けていただきたいことがあります。
それは、スリムボディを目指すスポーツ女子が陥りがちな「FAT」と呼ばれる症状。
もちろん、FATといっても「肥満」ではありません。
ここで挙げる「FAT」とは、「Female Athlete Triad」の略語で、日本語では「女性アスリートの三主徴」という意味。
難しそうな病名ですが、簡単に言うと、活発に運動する女性が特に陥りやすい「利用可能なエネルギー量の不足、無月経、骨粗しょう症」という3種類の症状を示すものです。
FATの原因には、下記のリストにあるように「オーバートレーニング」や「心理的ストレス」、「月経周期の乱れ」など、さまざまな要因がありますが、とりわけ日本女性が気を付けたいのが「食生活の乱れ」。
というのも、20~29歳の日本女性は、摂取エネルギー量が平均値より1,700kcalも下回っていて、これは国際的に見てもかなり低水準。
つまり、日本女性は自覚のないまま、栄養不足になっていることが多く、そのぶんFATになりやすいと言えます。
エネルギーをしっかり補給しないまま運動をすると、FATになりやすいのはもちろん、貧血やいらつき、集中力不足なども引き起こすこともあります。
健康や美容のためと思って運動した結果、かえってカラダを害してしまうのは、とても怖いことですね。
また、10代前半の女子の場合は、「初潮」の問題も絡んできます。実は月経を迎えたあとの「10~15歳」は、女性にとって骨が強く育っていく大切な期間。
その時に、過度な運動によって初潮が遅れてしまったり、あるいは疲労骨折をしてしまったりしたら、骨の成長の影響も深刻です。
若い女性は体重を気にして、過度な食事制限や激しい運動など、無理なダイエットをしてしまいがち。しかし、こうした行為は「百害あって一利なし」です。
女子アスリートとはいえ、普段は一般の女性と変わりません。審美系スポーツ競技者はもちろんのこと、美しく見られたい・太りたくないと感じることもあると思います。
ただ、その気持ちが栄養不足につながり、パフォーマンスが上がらず、努力が報われない結果になってしまうことや、健康維持が難しくなることも考えられます。
そこで大事になるのが、食事です。
意識したい栄養素は、タンパク質・鉄・カルシウム。この3本柱に鉄の吸収やコラーゲンの生成を助けると言われているビタミンCに注目した食事を意識しましょう。
特にタンパク質は筋肉維持のためにも摂取を心掛けたい栄養素です。
食事量を減らし糖質・脂質の摂取量が減ったところに、トレーニングを重ねることで体内のタンパク質がエネルギー源になってしまいます。
スリムボディになるかもしれませんが、アスリートとしてのパフォーマンスは落ちてしまいます。
では、最後に「FAT」を意識した食事を具体的に紹介します。
料理が苦手な方でも手軽にできるレシピですので、是非作ってみてください。
食材(2人分)
小松菜 200g
しめじ 100g
イカ 1はい
A 酒 小さじ2
塩 少々
片栗粉 小さじ1
にんにく 1片
油 少々
B 鶏がらスープの素 少々
コショウ 少々
酒 大さじ2
作り方
コメント
・魚介類は低カロリーでタンパク質を補いやすい食材です。冷凍のイカを使うとさらに手軽につくれます。
・小松菜にはカルシウムが豊富です。常時使いたい食材です。
食材(2人分)
焼き鳥レバー串 2本
青ネギ 40g
卵 2個
ごはん 400g
塩コショウ・豆板醤 少々
醤油 少々
油 大さじ1
ごま油 少々
作り方
コメント
・生レバーは扱いづらいですが、焼き鳥レバーを惣菜コーナーで購入して活用すると簡単にレバーを美味しく食べられます。
・ご飯の量は自分に合った量に調節しましょう。
食材(2人分)
鶏手羽 4本
大根 150g
A 昆布 3cm角
酒 大さじ1
水 100ml
みりん 醤油 各大さじ1
砂糖 小さじ1
作り方
コメント
・材料をいれて電子レンジにかけるだけの簡単レシピです。
・手羽先の良質タンパク質(コラーゲン入り)と大根のビタミンCを同時に補えます。
FATを意識するなら、やはり普段の食事で栄養をしっかり取るのが一番です。食欲があまりないときは、タンパク質やミネラルを含む「栄養補助食品」も利用することも考えてみてください。
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美しいカラダ作りの秘訣は「栄養補給と運動のバランス」にアリ。そのことを忘れずに、FATに負けないスポーツ女子を目指してくださいね。
参考文献:海老久美子著 女子部活食 ベースボールマガジン社 2014