ビタミンDの吸収率を上げるには?ビタミンDと合わせて摂取したい栄養素
ビタミンはカラダの機能を保つために必要な栄養素です。全部で13種類あるビタミンの中で、ビタミンDはどのような働きがあるのでしょうか。本記事は、ビタミンDの働きとともに、吸収率をアップさせる方法はあるのかを解説します。
※記事内でご紹介している森永製菓の製品の栄養成分は、2024年10月15日時点のものとなります。
ビタミンDの働き1)
ビタミンDは脂溶性ビタミンの一つです。ビタミンDの中で、ビタミンD2(エルゴカルシフェロール)とビタミンD3(コレカルシフェロール)はカラダの中で大切な働きをします。ビタミンDは食事から摂取するだけでなく、カラダの中でも作られます。ヒトの皮膚にはビタミンDの前駆体が存在し、日光浴をすることでビタミンDが作られます。
カルシウム・リンの吸収をサポートする1)
ビタミンDと関わりが深い栄養素はカルシウムとリンです。カルシウムとリンは、カラダの中で骨や歯などに存在しており、丈夫なカラダづくりにつながります。ビタミンDは、カルシウムとリンの吸収をサポートする役割があります。
ビタミンDが多く含まれる食品をとる頻度が減っている、日の光に当たる時間が短い日が続いているなど、なんらかの原因でビタミンDが慢性的に不足することがあります。
ビタミンDが不足すると、カルシウムの吸収低下や骨の代謝のバランスが崩れ、子どもでは「くる病」、成人では「骨軟化症」になるリスクが高まります。また、高齢者では、骨がスカスカになり「骨粗鬆症」や「骨折」のリスクが高まるといわれています。
フレイルになるリスクの低下1)2)
フレイルとは、加齢にともなっておこる心身の機能低下のことです。意図しない体重減少、疲れやすさ、身体活動量の低下、歩行速度の低下、握力の低下の5項目で判断されます。フレイルは可逆的であり、健康的な状態に戻ることもできる状態です。
ビタミンDが不足すると、カラダの機能低下、転倒、骨折などのリスクが高くなるといわれています。ビタミンDを摂取できている高齢者は、転倒のリスクが低いという調査結果があり、ビタミンDの摂取を意識することはフレイルのリスク低下につながる可能性が考えられています。
ビタミンDはどの年代の方にも必要な栄養素になります。ビタミンDが多く含まれる食品はどのようなものがあり、日の光に浴びる時間の目安はどのくらいなのでしょうか。
ビタミンDを多く含む食品
ビタミンDが含まれている食品は、きのこ類、魚介類、卵類、乳類があります。主な食品に含まれているビタミンD量を表にまとめました。
日本食品標準成分表2020年版(八訂)を参考に筆者作表
参照日:2024年10月15日
きのこ類や卵、乳類と比べると、特にしろさけやうなぎなどの魚介類に多く含まれていることがわかります。ビタミンDの不足が気になるときは、魚介類を積極的にとることがおすすめです。
日光浴でも作り出せる1)
ビタミンDは日光浴をして紫外線を浴びることで、カラダの中で合成されるビタミンです。日本人の食事摂取基準(2020年版)に示されているビタミンDの目安量は、日光浴によってカラダでつくりだされる分が考慮されています。
しかし、日光浴で気になるのは紫外線ではないでしょうか。紫外線を過剰に浴びると日焼けや皮膚の炎症が起こり、皮膚疾患のリスクが高まります。そのため、日焼け止めを塗ったり、日傘を使ったりなどして紫外線予防をしている方も多いと思います。ビタミンD合成のために、どのくらい日光浴をしたらよいのでしょうか。
紫外線量は、時間帯や季節、地域、標高などによって差があります。紫外線量が多いのは、1日のうちでは正午ごろ、季節では6~8月、地域では札幌よりも那覇、標高が低い地域よりも高い地域です。
ビタミンD合成のために必要な日光浴の時間は、標高や体質など、さまざまな要因によって変動するため一概にはいえません。顔と腕を出した状態での日光浴の目安時間は、つくばの正午の時間帯で7月は約3.5分、12月は約22分、札幌の正午の時間帯で7月は約5分、12月は約76分です。
居住地域や季節などに合わせて無理のない範囲で日光浴をして、食品からのビタミンD摂取を調整する方法も選択肢になるかと思います。
ビタミンDの吸収率を上げるためにできること
先述したように、カラダに必要なビタミンDを補えているかは、食事の傾向や日光浴の時間によって変わります。また、加齢によってビタミンDのカラダでの合成が減少するともいわれています。できる限り吸収率を上げるには、どのような方法があるのでしょうか。
油脂とともに摂取する
ビタミンDは脂溶性ビタミンであるため、水には溶けず油脂に溶けやすい性質があります。油脂と一緒にビタミンDを摂取すると、吸収されやすいといわれています。
きのこ類は炒め物や揚げ物などにすると、吸収されやすくなると思います。また、うなぎや鮭のような脂肪を適度に含む魚介類は、調理で油脂を使わなくても吸収されやすいのではないでしょうか。食品に合わせて調理法を変えると、ビタミンDを効率良く摂取できるかもしれません。
ビタミンDと合わせて摂取したい栄養素
ビタミンDは、丈夫なカラダづくりに関わるビタミンです。サポート役として働くため、合わせて摂取したい栄養素があります。
カルシウム1)
カルシウムはカラダの中で最も多く存在するミネラルであり、骨や歯の材料になるだけでなく、血液凝固や筋肉の収縮など、生きていくために重要な働きをしています。
カラダの中でカルシウムは、濃度が調節されています。食品から摂取したカルシウムが少なかったり、吸収が上手くいかなかったりすると、骨からカルシウムをとりだすなどして濃度を一定に保つのです。このような働きのあるカルシウムの吸収をサポートするのがビタミンDであり、合わせて摂取することでカラダづくりにつながります。
リン1)
カルシウムとともにリンも骨の形成に関わっています。丈夫なカラダづくりに欠かせない栄養素です。リンは多くの食品に含まれていることから、偏った食事をしなければ不足する可能性は低いです。リンの吸収は、ビタミンDやそのほかの要因で調整されています。
ビタミンDを含む栄養補助食品を紹介
食事からの摂取が少ないほか、日光浴の時間が短いなど、どうしてもビタミンDが不足する場合は、栄養補助食品から摂取することも選択肢の一つです。森永製菓が取り扱う栄養補助食品の中から、おすすめの製品を紹介します。
カルシウムも配合「おいしい大豆プロテイン」
大豆プロテインを摂取できる粉末プロテインです。1食あたりタンパク質10.4g、ビタミンD2.2μgを摂取でき、カルシウムも配合されていることが特徴です。飲みやすいコーヒー味とビターカカオ味の2種類があり、健康的なカラダづくりを目的に活用しやすいと思います。
成長期のカラダづくりに「ジュニアプロテイン」
大豆プロテインとホエイプロテインを配合している粉末プロテインです。1食あたりタンパク質8.4g、ビタミンD2.0μgで、成長期に意識して摂取したいカルシウムを500mg配合しています。カラダが大きく成長する時期にも活用しやすいのではないでしょうか。
お菓子感覚で栄養補給できる「inバープロテイン ジュニアプロテイン ココア」
サクッとした軽い食感のウェファータイプのプロテインバーです。1本あたりタンパク質8.6g、ビタミンD0.56~4.2μgを摂取できます。カルシウム560mgも合わせて摂取できることが特徴です。間食や小腹が空いたときの栄養補給にもおすすめです。
エネルギー補給におすすめの「inゼリー エネルギー」
忙しいときや外出先など、さまざまな場所で手軽に飲めるゼリー飲料です。1袋あたりエネルギー180kcal、ビタミンD0.42~1.7μgを摂取できます。運動前や勉強中のエネルギー補給などに活用しやすいのではないでしょうか。
12種類のビタミンを配合した「inゼリー マルチビタミン」
1日分のビタミンを摂取できるゼリー飲料です。1袋あたり90kcal、ビタミンD5.5~16.4μgのほか、ビタミンB群やビタミンCなど全12種類を配合しています。栄養バランスが偏ってしまった日などに活用しやすいと思います。ビタミンAを含むため、妊娠希望の方や妊娠3か月以内の方は過剰摂取にならないように注意が必要です。また、カラダの小さな小児の摂取は避けてください。
まとめ
ビタミンDは丈夫なカラダづくりに欠かせないビタミンであり、カルシウムやリンの吸収のサポート役として働いています。魚介類に多く含まれており、食事から摂取するほか、日光浴をするとカラダの中で合成されます。また、ビタミンDは油脂と一緒にとると吸収されやすいため、油脂を含まないきのこ類などは揚げ物や炒め物などの調理法がおすすめです。ビタミンDの不足が気になる場合は、栄養補助食品を活用することも方法の一つです。
<参考>
- 日本人の食事摂取基準(2020年版) 参照日:2024年10月15日
- 葛谷 雅文(2017) フレイルに対する栄養介入, 日本転倒予防学会誌 Vol.3(3)17-20 参照日:2024年10月15日
- 紫外線環境保健マニュアル2020 参照日:2024年10月15日