「鉄」の食事摂取基準と多く含む食品を紹介!
鉄はレバーに多く含まれていますが、動物性食品だけではなく、植物性食品にも含まれています。食品によって含まれている鉄の種類や吸収率が異なるため、鉄を効率よく摂取するためには、一緒に食べる食事内容も考慮する必要があります。
本記事では、鉄の1日に摂取する推奨量を示しました。また、鉄を多く含む食品と食べるときのポイントをご紹介します。
※記事内でご紹介している森永製菓の製品の栄養成分は、2023年4月21日時点のものとなります。
鉄の1日の摂取目安量は?
鉄は幅広い食品に含まれていますが、食事バランスが偏っていると、不足する可能性がある栄養素です。
カラダに必要な鉄を摂取するには、3回の食事をバランス良く食べることが基本です。鉄の1日の推奨量は、「日本人の食事摂取基準(2020年版)」に記載されている数値を参考にしてください。
鉄の食事摂取基準推奨量
鉄の推奨量は、年齢や性別により異なります。成長期の10~17歳では、ほかの年代に比べて男女ともに推奨量が高く、月経のある女性も、鉄の推奨量が高くなります。
日本人の食事摂取基準(2020年版)を参考に筆者作表
参照日:2023年4月21日
2種類の鉄の特徴 1)
食品中に含まれている鉄は2種類あります。肉や魚などの動物性食品に含まれている「ヘム鉄」と、野菜や豆類などの植物性食品に含まれている「非ヘム鉄」です。ヘム鉄と非ヘム鉄は、それぞれ特徴が異なります。
・ヘム鉄:食品に含まれているそのままの形で吸収され、非ヘム鉄に比べて吸収率が高い
・非ヘム鉄:還元物質や体内の酵素の働きを受けて吸収される
体内の吸収率は、ヘム鉄の方が非ヘム鉄よりも高いですが、非ヘム鉄は、同時に摂取する栄養素によっては吸収率が高まります。動物性食品や植物性食品をバランス良く摂取し、幅広い食品から鉄を補給することがおすすめです。
鉄の吸収率をアップするには?2)
体内での鉄吸収は、同時に摂取する食べ物の成分に影響を受けます。つまり、一緒に調理する食材の組み合わせや、食べ合わせなどで鉄の吸収率は変化します。鉄の吸収率を高めるための、食事のポイントをご紹介します。
ポイント1 ビタミンCを一緒に摂る
ビタミンCは、非ヘム鉄の吸収率を高めるといわれています。無機鉄である非ヘム鉄は、還元物質であるビタミンCを同時に摂取することで吸収されやすくなります。ビタミンCは、オレンジやキウイフルーツ、柿、イチゴなどの果物、パプリカやブロッコリー、キャベツなどの野菜に多く含まれています。
熱や光に弱いビタミンCは調理の過程で失われやすい栄養素です。 そこで、電子レンジを活用して短時間で火を通すほか、副菜のサラダを生野菜にするなどの工夫によりビタミンCを摂取しやすくなると思います。
非ヘム鉄は小松菜やほうれん草などの野菜、納豆や豆腐などの大豆製品の植物性食品に多く含まれています。これらの食品と一緒にビタミンCを含む野菜や果物を食べることで吸収率を高めることが期待できます。
ポイント2 胃酸の分泌を助ける
胃酸が十分に分泌されていると、鉄の吸収が高まるといわれています。口から胃の中に食べ物が運ばれると、胃酸が出て消化を助けますが、胃酸の分泌を促すポイントは2つです。
・よく噛んで食べること
・柑橘類や酢、梅干しなど、酸味のあるものを食べること
胃の調子が気になる方は、酸味のある食べ物の摂取は注意してください。
毎日の食事では時間をかけてよく噛むようにして、柑橘系の果物を取り入れてみてはいかがでしょうか。
鉄を多く含む食品
鉄の吸収率を高めるための食事のポイントをおさえたところで、どのような食品に、どのくらいの量の鉄が含まれているのか、気になる方もいるかもしれません。鉄を多く含む食品をご紹介します。
動物性食品
動物性食品はヘム鉄を多く含みます。そのなかでも、レバーやあさりの水煮には鉄が比較的多く含まれています。また、赤身肉や赤身の魚、貝類なども鉄を多く含む食品です。1食分の目安量を表にまとめました。
日本食品標準成分表2020年版(八訂)を参考に筆者作表
参照日:2023年4月19日
豚や鶏のレバー、あさりの水煮は、1食分で1日の推奨量の1/2以上をクリアできる食品です。鉄不足を感じる場合は、レバーやあさりの水煮を取り入れてみてはいかがでしょうか。しかし、特定の食品ばかり食べると、鉄以外の栄養素が偏る可能性もあります。赤身の肉や魚介類など、鉄を含むさまざまな食品からも取り入れていくことが大切です。
植物性食品
植物性食品のなかで鉄が多く含まれているのは、野菜のほかにも日本食でよく食べられている豆類や海藻類があります。
日本食品標準成分表2020年版(八訂)を参考に筆者作表
参照日:2023年4月21日
1食分の量で考えると、植物性食品から摂取できる鉄の量は意外に多いと感じるのではないでしょうか。葉物野菜はゆでたり炒めたりしてカサを減らせますので、調理方法でとり入れやすくなると思います。
大豆食品にも鉄が多く含まれており、一汁三菜をそろえた日本食は鉄補給におすすめです。
鉄を補えるおすすめの栄養補助食品
カラダに必要な栄養素は食事から摂取することが基本ですが、忙しい毎日を過ごしていると食生活が不規則になることもあると思います。また、暑い時期には食べる量が減ってしまったり、麺類だけの食事になったりすることもあるかもしれません。食事の栄養バランスが偏ってしまうときには、鉄を含む栄養補助食品を活用する選択肢もあります。
一方で、栄養補助食品は手軽に鉄補給ができるものの、注意したいのが過剰摂取です。日本人の食事摂取基準(2020年版)で定められている耐容上限量を目安に、食事から摂取する鉄の量も考慮しながら活用してください。
日本人の食事摂取基準(2020年版)を参考に筆者作表
参照日:2023年4月21日
森永製菓が取り扱う製品のなかから、鉄を摂取できるおすすめの製品をご紹介します。
2種類のフレーバーに鉄が配合「マッスルフィットプロテイン」
マッスルフィットプロテインには4種類の味があり、配合されている栄養素が異なります。このうち、鉄が配合されているのは、森永ココア味とバニラ味の2種類です。1食分で摂取できるタンパク質は約20gであり、鉄は森永ココア味が3.6mg、バニラ味が2.6mgとなります。厚揚げや牛レバーの1食分に含まれている鉄量に近く、鉄不足が気になる場合に活用しやすいのではないでしょうか。
成長期の栄養補給に「ジュニアプロテイン」
ジュニアプロテインは、成長期に意識して摂取したい栄養素を配合しています。1食分で摂取できるタンパク質は8.4g、鉄は4.6mgです。また、カラダを丈夫にするカルシウム500mgも配合されています。鉄の1日の推奨量が成人よりも多い成長期の鉄補給のほかにも、鉄不足が気になる方も活用しやすいと思います。マッスルフィットプロテインと同様に森永のココアを使っており、飲みやすさを感じるのではないでしょうか。
手軽に鉄を摂取できる「inゼリー マルチミネラル」
鉄、カルシウム、亜鉛、銅、マグネシウムの5種類のミネラルを配合しているゼリー飲料です。1日に必要なミネラルの1/3量(※マグネシウム以外)が補給できます。外出先でも手軽に栄養補給できる、持ち運びやすさも特徴です。グレープ味で飲みやすさを感じるのではないでしょうか。運動前後の栄養補給や間食にもおすすめです。
まとめ
鉄は幅広い食品に含まれています。含まれている鉄の種類によってはカラダへの吸収率が低いため、吸収率を高めるポイントを取り入れてみることがおすすめです。忙しい日は食事が簡単になるなど、栄養バランスが偏ってしまうかもしれません。日々の食事で鉄が不足してしまう場合は、栄養補助食品を選択肢の一つにしてみてはいかがでしょうか。
【参考文献】
- 鉄 参照日:2023年4月21日
- 貧血の予防には、まずは普段の食生活を見直そう 参照日:2023年4月21日