子どもの苦手な食べ物が多くて、毎日の食事をどうするか悩んでいる親御さんも多いのではないでしょうか。
完食してもらいたいのに残されてしまうと、どのような料理で子どもが喜んでくれるのかと考えてしまうかもしれません。
本記事では、子どものごはんを作る際のポイントと、成長に欠かせないタンパク質をしっかり摂れるレシピをご紹介します。
グチャグチャに盛り付けられた料理に食欲がわかないことがあるように、料理は舌で味わうだけではなく、食べ物の色、香り、歯ざわりや舌触り、温度など、五感をフルに使って食べているのです。
五感で心地良さを感じられる料理が、子どものごはんを作る際のポイントの一つです。
大人であれば、お皿にのった料理を見て味の予測ができますが、食べる経験が少ない子どもはそれができません。そのため、料理の見た目で不快だと感じると、食べないことがあります。子どもが喜ぶごはんのポイントは、まず箸を伸ばしたくなる見た目にしましょう。
・さまざまな食材を使って彩りを良くする
・苦手な食べ物は小さく切って分からなくする
・食が細い子どもには盛り付けでボリュームを少なく見せる
甘味、塩味、苦味、酸味の中で、苦味と酸味は敏感に感じ取れるようになっています。これは、苦味や酸味のある食べ物がヒトの体に害をおよぼす可能性があり、口に入れても避けられるようになっているからと考えられています。
そのため、子どもが苦味のあるピーマンやゴーヤ、酸味のある酢漬けなどを好まない傾向があると考えられます。敏感に感じる味を抑える工夫をすることで、子どもが食べやすい味わいになります。
・苦味や酸味は甘味をプラスすると和らぐ
・ピーマンやゴーヤなど苦味のある野菜を油でコーティングすると苦味を感じにくくなる
・緑のピーマンではなく甘味のあるカラーピーマンを使うと食べやすくて栄養も摂れる
料理は口に入れる前に、香りが鼻から入ってきます。口の中に入ってからも、食材の匂いが鼻を抜けていくので、香りは料理のおいしさに大きく関わっています。
野菜の青臭さや、肉や魚の臭味が残っていると、苦手になる原因の1つになりやすいです。臭味を取り除く方法は食材によって異なりますが、主に「臭味を消す」か「香りをプラスする」ことで匂いを隠します。
・野菜は塩もみや下ゆでで青臭さが和らぐ
・肉や魚の臭味は水に溶けやすいため、塩を振って染み出てきた水分をペーパータオルで拭き取るか、下ゆですると臭味が和らぐ
・ショウガ、ニンニク、ネギなどの香味野菜やハーブを活用して臭味を隠す
食材の大きさや固さは食べやすさに影響します。子どもの口の大きさに合わせて切りそろえたり、柔らかく仕上げて歯で噛み切りやすくしたりしましょう。
塊肉は長時間コトコト煮込むと柔らかくなりますが、薄切り肉は火を入れすぎると固くなります。魚も薄切り肉と同様に高温で加熱しすぎると固くなるため短時間で加熱しましょう。
・食べやすい大きさに食材を切りそろえる
・魚の骨は取り除くか、骨取り魚を活用する
・固い食感を活かす料理以外は、食材を柔らかく仕上げる
温度はおいしさを左右する要因の1つです。
例えば、焼き立てのお餅が冷めると固くなり、おいしさが半減してしまうように、料理に合わせた温度が一番おいしく感じます。
食べる時間がゆっくりの子どもは、食べ切るまでに温かい料理が冷めてしまうこともあります。そのような場合は、電子レンジなどで再度加熱するなどの工夫をすると、食べ進めやすくなるかもしれません。
・冷たい料理は冷蔵庫でしっかりと冷やす
・温かい料理はできたてを提供するか、再加熱する
小学生の子どもが喜ぶ、タンパク質をしっかりと摂れるレシピをご紹介します。子どもの好みに合わせ、食材をアレンジして作ってみてください。
食材(2人分)
豚肩ロース肉(ショウガ焼き用) 160g
塩、コショウ 少々
小麦粉 適量
サラダ油 大さじ1/2
玉ねぎ 1/2個
トマトケチャップ 大さじ2
水 大さじ2
作り方
①玉ねぎは薄切りにする
②豚肉は塩、コショウを振り、小麦粉をまぶす
③フライパンにサラダ油を入れて熱し、豚肉に焼き色が付いたら取り出す
④フライパンで玉ねぎを炒め、ケチャップを加えて香りがでるまで焼き炒める
⑤④に水を加えて混ぜたら、③の豚肉を入れて炒め合わせる
ポイント
・トマトケチャップを炒めることで香りが良くなる
・豚肉を一度取り出すことで、加熱しすぎを防ぐ
・トマトケチャップの鮮やかな色合いで食欲を刺激する
食材(2人分)
厚揚げ 2枚
トマトケチャップ 大さじ1
ピーマン 1/2個
玉ねぎ 1/4個
ピザ用チーズ 40g
作り方
①厚揚げはザルに並べ熱湯をかけて油抜きをし、包丁で厚みを半分にする
②ピーマンは輪切り、玉ねぎは薄切りにする
③①に②を並べ、ピザ用チーズを散らす
④オーブントースターで10分焼き、チーズに焼き色を付ける
ポイント
・とろりとしたチーズで食欲を刺激する
・苦味のあるピーマンは甘味のあるケチャップと、旨味のあるチーズを組み合わせると食べやすくなる
食材(2人分)
合ひき肉 160g
玉ねぎ 1/2個
ニンジン 1/2個
赤ピーマン 1個
ニンニク 1片
カレー粉 大さじ1
ウスターソース 大さじ1/2
トマトケチャップ 大さじ1/2
サラダ油 適量
塩、コショウ 適量
ごはん 200g
ゆで卵 1個
作り方
①玉ねぎ、ニンジン、赤ピーマン、ニンニクはみじん切りにし、ゆで卵は半分に切る
②フライパンにサラダ油を熱し、ニンニクを炒めて香りがでたら、玉ねぎ、ニンジン、赤ピーマンを加えてしんなりするまで炒める
③合びき肉を加えて炒め、カレー粉、ウスターソース、トマトケチャップを加えて混ぜ合わせる
④味見をして、塩、コショウで味を調える
⑤お皿にごはんとキーマカレー、ゆで卵を盛り付ける
ポイント
・野菜をみじん切りにして苦手な野菜を分かりにくくする
・ニンニクやカレー粉で風味を付けると食材のクセが和らぐ
・ゆで卵を添えると、さらにタンパク質をしっかり摂ることができる
食材(2人分)
サワラ切り身 3切れ
塩 少々
醤油 大さじ1
砂糖 小さじ1/2
すりおろしショウガ 小さじ1/2
片栗粉 大さじ3
青のり 小さじ1/2
揚げ油 適量
作り方
①サワラの切り身を一口大に切り、塩を振って5分置き、水分をペーパータオルで拭き取る
②①をポリ袋に入れ、醤油、砂糖、すりおろしショウガを加えて揉み込む
③②に片栗粉、青のりをまぶし揚げ油で揚げる
ポイント
・サワラに塩を振り掛け、染み出てきた臭味を取り除く
・すりおろしショウガで風味付けると同時に臭味を和らげる
食材(2人分)
豚コマ切れ肉 100g
キャベツ 2枚
もやし 1/3袋
塩、コショウ 少々
卵 3個
片栗粉 小さじ1/2
水 小さじ1/2
マヨネーズ 小さじ1/2
サラダ油 適量
中濃ソース 適量
マヨネーズ 適量
削り節 適量
青のり 適量
作り方
①豚コマ切れ肉は一口大に切り、キャベツは千切りにする
②ボウルに卵を割って溶き、片栗粉、水、マヨネーズを混ぜたものを加え、混ぜ合わせる
③フライパンにサラダ油を入れて熱し、豚肉に焼き色が付いたら、キャベツ、もやしを加えてしんなりするまで炒め、塩、コショウで味付けして取り出す
④フライパンにサラダ油を熱し、卵を流し入れてフライパン全体に広げ、半熟になったら③と④を中央にのせる
⑤卵の両端を折り畳んで具を包むようにしてお皿に盛り付ける
⑥中濃ソース、マヨネーズ、削り節、青のりをお好みでかける
ポイント
・甘辛い中濃ソースの味付けで野菜も肉も食べやすい
・卵に水溶き片栗粉を加えると卵が破れにくくなる
食が細いなど、食事からタンパク質を十分に摂取できないときの間食などに、ウイダージュニアプロテインを取り入れてみてはいかがでしょうか。
成長期に意識して摂りたいタンパク質のほか、カルシウムやビタミンDを配合しています。1食分20gのタンパク質量は8.4gです。味は、森永のココアを使った「ココア味」と爽やかな味わいの「ヨーグルトドリンク味」の2種類。どちらも飲みやすく、飽きない味わいです。水で割るほかに牛乳で割って味を変えることもできます。
子どもに無理に苦手な食べ物を食べさせると、その体験からより苦手になってしまう可能性があります。
苦味や酸味のある食べ物を大人が好むように、味覚は変化していきます。子どもの時期に食べられないものがあっても心配はいりません。食べる機会を失わないように気を付けながら、ポジティブな食体験を蓄積できるような工夫をしていきましょう。
また、子どもと一緒に大人が食事を楽しんでいることも大切なことと考えられます。食事を通して、「おいしい」「楽しい」を伝えてあげましょう。