タンパク質を摂取することは筋肉づくりには欠かせませんが、鍛えた筋肉の力を発揮するためには、体を支える丈夫な骨をつくることも大切です。
骨の主成分はタンパク質とカルシウムです。この記事ではカルシウムに注目し、骨を丈夫にするポイントを栄養面から解説します。
カルシウムが足りないと、肉体的に困るのは骨。人間の基ともいえる大事な器官なので、丈夫な骨なくして、健康的なカラダは考えられません。骨の健康を考えて、運動や栄養を意識することが大切ですが、おろそかになってしまうと「骨粗しょう症」という症状を招く恐れがあります。
骨粗しょう症は、骨の中身がスカスカになって強度が弱くなり、骨折などを起こしやすくなる「骨の病気」です。高齢者に多くみられるほか、特に閉経を迎えた女性は、女性ホルモンの分泌が減り、骨合成が起こりにくくなるため、骨粗しょう症にかかりやすいと言われています。さらに最近では、運動不足や食生活の偏りから、若い世代でもリスクが増えています。
骨の強さは、骨の密度と骨の質で表されます。様々な栄養素が骨の密度の維持、骨の質を守るためにはたらいています。
【骨の密度の維持】
カルシウム・マグネシウム・ビタミンD・ビタミンK・タンパク質
【骨の質を守る】
タンパク質・ビタミンC・ビタミンB6・ビタミンB12・葉酸
インスタント食品に多く含まれるリン、コーヒーやお茶に含まれるカフェイン、食塩、アルコールは過剰摂取によりカルシウムの吸収を低下させる恐れがありますので、注意することが大切です。
骨を強くするには、まず適度な運動が必要です。骨は刺激(負荷)を与えられることによって強度をあげようとします。
骨に刺激を与えやすい運動の一つに、ジャンプなどの動作があります。着地をする時に大きな負荷がかかり、それに耐えようと骨は強くなります。
しかし、高齢者の場合、ジャンプはかなりの大きな負荷となりますので、トレーナーや運動指導者の専門的な指導の中で行うことを推奨します。誤った着地ややり過ぎなどで、逆に傷害を招いてしまう可能性もあります。
また、本格的なトレーニングではなくても、毎日、ウォーキングのような軽負荷な運動を続けるだけでも十分効果があるといわれています。
次に欠かせないのが、骨の材料となる栄養素をしっかりと摂ることです。骨づくりに必要な栄養素の中でも注目したいのは、「カルシウム」、「ビタミンD」、「ビタミンK」の3種類です。
①腸管でのカルシウムの吸収
カルシウムは吸収率が低い栄養素の1つです。カルシウムを豊富に含む代表食材の牛乳・乳製品でも40~50%程度、小魚や野菜、海藻からは20~30%程度といわれています。
また、加齢により、カルシウムの吸収率が衰えるとも考えられています。
そこで力を発揮してくれるのがビタミンDです。腸管からのカルシウム吸収をサポートします。特にカルシウムとビタミンDは同時に摂ることが大切だといわれています。
②新しい骨を作る
吸収されたカルシウムの多くは丈夫な骨の維持に利用されます。ビタミンDとビタミンKは骨の形成をサポートする役目を持っています。骨へのカルシウム沈着を促進すると考えられているのです。
成人の一日の摂取目安量は5.5㎍です。( )内は1回使用目安量とビタミンD含有量です。
いわし(1尾15㎍)・さけ(1切れ25㎍)・さば開き干し(1切れ9㎍)しらす干し(大さじ2 6.1㎍)・干しシイタケ(2個0.8㎍)・乾燥きくらげ(2枚1.7㎍)
食品から摂取したビタミンDを体内で働く活性型のビタミンDにするためには、日光に1日15分程度あたることが大切です。魚の干物や干しシイタケはすでに活性型のビタミンDが含まれているため特におすすめです。
近年、日焼け止めを使う習慣がついたことから、日光にあたることによる皮膚でのビタミンDの活性化が少なくなり、体内のビタミンD不足の人が増えてきていると言われています。食事からのビタミンD摂取をこれまで以上に意識した食生活を送りましょう。
成人の一日の摂取目安量は150㎍です。( )内は1回使用目安量とビタミンK含有量です。
納豆(1パック240㎍)・ブロッコリー(3カット90㎍)・ほうれん草(1/4束160㎍)・モロヘイヤ(1/4束380㎍)・おかひじき(お浸し1人分90㎍)
毎日、納豆を食べる習慣のある人は十分なビタミンKを摂れているでしょう。納豆が苦手な人は緑の濃い葉物野菜を意識的に摂取しましょう。
ビタミンDとビタミンKは脂溶性のビタミンです。油と一緒に摂取することで吸収が良くなります。炒め物やドレッシングで和えるなど調理の工夫をしてみましょう。
これらの栄養素を含んだ食材を日頃から取るようにすれば、骨粗しょう症になりにくい強い骨を作り上げられると期待されます。
もし、普段の食生活だけでは摂りきれなかったり、食欲がない時は、カルシウムとビタミンD、ビタミンKが一緒に配合されたサプリメントや栄養補助食品を利用するのもおすすめです。
おいしい大豆プロテインはタンパク質のほか、カルシウム、ビタミンD、ビタミンB群が摂取できるので、栄養が偏っている場合におすすめです。
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