カルシウムの摂取目安量とカルシウムを多く含む食品を紹介
日本人の食事で不足しがちなミネラルのひとつにカルシウムがあげられます。カルシウムは便や尿と一緒に排泄されるため、毎日欠かさずに摂取したいもの。サプリメントや栄養補助食品の中に、カルシウムを含んだものがあるのも、不足しがちだからこそ意識して摂取したい栄養素だからと考えられます。
カルシウムは、さまざまな食材に含まれており、バランスの良い食事をして摂取することが基本になります。そこで今回は、カルシウムの摂取目安量とカルシウムを多く含む食品をご紹介します。
カルシウムの摂取目安量は?
カルシウムはヒトの体内におけるさまざまな組織に存在しています。その量は、ヒトの体に存在するミネラルでもっとも多く、体重の1~2%がカルシウムと言われる程です。では、どのくらいの量を摂取すればよいのでしょうか。
カルシウムの食事摂取基準
口から摂取したカルシウムは、小腸で吸収されます。ですが、食材に含まれているカルシウムが全て吸収されるわけではありません。「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、腸管の吸収率、骨代謝、尿中排泄量を考慮し、1日の推奨量が決められています。
1日の推奨量は年齢、性別で異なり、骨が大きくなる成長期には、カルシウム推奨量もそれに伴い多くなっています。
引用:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
全世代で不足しがち
日本人のカルシウム摂取量は不足しがちといわれますが、どのくらい不足しているのでしょうか。2019年の「国民健康・栄養調査」によると、全年代の1日の平均摂取量は男性520mg、女性509mgでした。この数値は、全年代の推奨量には足りていません。
また、詳細に年齢別の調査結果を見ると、年代でカルシウム摂取量の傾向が明らかになっており、平均値は以下の通りとなっています。
参考:厚生労働省「国民健康・栄養調査(2019年)」
カルシウムの食事摂取基準の推奨量と比べると、年齢の分け方が異なるのでひとまとめにはできませんが、ほぼ全ての年代でカルシウムが不足していることが明らかになっています。また、7~14歳の男性と女性のカルシウム摂取量が多いのは、学校給食でバランスの整った食事をしているからと考えられます。
ほかのミネラルとのバランスが影響
カルシウムを効率良く摂るには、3回の食事をバランスよく食べることが大切です。野菜、海藻類、乳製品、大豆製品など、幅広い食材を摂取することで、カルシウムの摂取量も満たされると考えられます。
また、冒頭でも少し解説したように、カルシウムを多く含む食品を一度にたくさん摂取しても、吸収できるカルシウム量は限られています。一度にまとめて摂るのではなく、毎日一食ずつ、コツコツ摂ることがポイントになります。
過剰摂取の影響
栄養素を意識すると、過剰摂取も気になる方もいるかもしれません。過剰摂取にならないために、18歳以上の男性と女性ともに耐容上限量2,500mgが設定されています。「耐容上限量以上摂取した場合には、過剰摂取による健康障害が生じる潜在的なリスクが存在することを示す量」として設定されておりますが、数値を超えたからといって、必ず過剰症が起こるわけではありません。
引用:厚生労働省「日本人の食事摂取基準2020年版」
日本人の食生活から考えると、耐容上限量を超えることはほとんどないと思われます。しかし、栄養補助食品などでカルシウムを摂取している場合には注意が必要です。
カルシウムを多く含む食品
3回の食事からカルシウムを十分に摂取するには、どのような食品を選べばいいのでしょうか。カルシウムを多く含む食品には、牛乳・乳製品、大豆製品、魚介類、野菜・海藻類などがあります。食品によってカルシウムの吸収率が異なるため、その特徴も理解する必要があります。以下に簡単にまとめたものをご紹介します。
牛乳・乳製品
カルシウムを多く含み、吸収率が高いのが牛乳・乳製品です。学校給食に牛乳200mlが毎日提供されている理由の一つは、手軽にカルシウム摂取ができるためと考えられます。普通牛乳200ml中に含まれているカルシウムは220mgです。
そんな牛乳を原料にしたチーズ、ヨーグルト、アイスクリームなどの乳製品も、カルシウムを豊富に含んでいます。牛乳を飲むとお腹がゴロゴロする乳糖不耐症の方も、乳糖が分解されているチーズなどの乳製品であれば取り入れやすいでしょう。
プレーンヨーグルト100g中には120mg、プロセスチーズ1個分25gには158mgのカルシウムが含まれていますから、日常的に牛乳・乳製品を摂取していると、カルシウムの1日の推奨量に近づきやすくなります。
大豆製品
牛乳・乳製品の次に吸収率が良いのは、豆腐や油揚げ、納豆などの大豆製品です。和食でおなじみの大豆製品は、タンパク質も豊富に含みます。
木綿豆腐約1/3丁の100gには、カルシウムが86mg含まれ、納豆1パック50gには45mg含まれています。牛乳・乳製品と比べるとカルシウム含有量は少ないですが、食べる頻度を考えると、優秀なカルシウム補給源となる食品です。
魚介類
魚介類のカルシウム吸収率は、牛乳・乳製品や大豆製品には劣りますが、日本人の食生活に取り入れやすい食材でもあります。海に囲まれている日本は、魚介類の種類も豊富です。
魚介類の種類によってカルシウム量は異なり、骨まで食べられる小魚や、殻ごと食べる小エビ、うなぎや貝類などに多く含まれています。また、手ごろに食べることができるサバの缶詰なども、骨まで柔らかくなって食べることができるため、カルシウムの補給ができる食材です。
しらす干し5gには、カルシウムが10.5ⅿg、サバの水煮缶1個80gには208mg含まれています。
野菜・海藻類
野菜や海藻に含まれているカルシウムの吸収率は、それほど高くありません。しかし、ビタミンやミネラル、食物繊維など、体の調子を整える栄養素の摂取が期待できるので、バランス良く食べたい食品です。
カルシウムが多く含まれているものは、モロヘイヤ、小松菜、水菜、昆布などです。モロヘイヤ100gにカルシウムは260mg、小松菜100gには170mg含まれています。葉物野菜は加熱してカサを減らすとたくさん食べられますから、積極的に取り入れましょう。
ビタミンDを含む食品を一緒に摂取する
カルシウムを含む食品とともに摂取したいのが、ビタミンDです。ビタミンDは、きのこ類や魚に多く含まれているほか、日光に当たることで体内でも合成されます。カルシウムの吸収促進や骨の代謝に関わっているので、カルシウムと一緒に摂取するのがおすすめです。
きのこと鮭を具にしたクリームシチューや、シイタケの肉詰めにチーズを乗せたりすると、カルシウムとビタミンDを一緒に摂取しやすくなります。
成長期のカルシウム推奨量は最も多い
前述した日本人の食事摂取基準では、成長期に差し掛かる12~14歳のカルシウム推奨量が最も多くなっています。成長期のお子さんがいるご家庭ではカルシウムの摂取量をしっかり意識する必要があります。
おやつに乳製品や小魚を取り入れる
成長期には成人よりも多いカルシウム量を摂取したいところですが、体が小さく、食べる量にも限度があります。3回の食事にプラスして、間食で牛乳・乳製品、小魚を取り入れると良いでしょう。ヨーグルト、チーズ、小魚のほかに、牛乳に溶かしたココア、ミキサーで作ったバナナミルクなども取り入れやすいですよ。
参照:農林水産省 成長期にカルシウムをたくさんとって骨の貯金をしよう
アスリートのカルシウム摂取
アスリートは、発汗量が多いことや骨強化という点からもカルシウムの必要量が一般の人よりも多いと考えられ、「日本人の食事摂取基準2020年版」で示されている推奨量を下回らないように注意する必要があると考えられます。3食の食事に加えて間食を上手に取り入れて、カルシウムをこまめに摂取できるとよいでしょう。
ジュニアプロテインを活用
間食をするとお腹がいっぱいになり食事の量が減ってしまう食の細い子どもや、食事からのカルシウムがどうしても不足してしまうといった日には、栄養補助食品のジュニアプロテインを活用してみるのも一つの方法です。
ウイダージュニアプロテインには、タンパク質とともに成長期に摂取したいカルシウムとビタミンDを配合しています。1食分に配合されているカルシウムは500mg。1日のカルシウム推奨量の約1/2を摂ることができます。
ジュニアプロテインは、成長期以外の年齢の方にもおすすめです。栄養バランスを整えるには3回の食事が基本になりますが、カルシウムやビタミンDが不足しがちなときにはジュニアプロテインの活用もおすすめです。ココア味なので、朝食時や間食にホットココアのように飲んでみてはいかがでしょうか。
まとめ
不足しがちなカルシウムは、意識して摂りたい栄養素です。バランスの良い食生活を基本に、カルシウムを含む食品を意識して取り入れていきましょう。
1食の量が多くなってしまう場合は、間食として牛乳やヨーグルト、チーズなど、調理をしなくても食べられる食材にもカルシウムは含まれていますので、手軽に取り入れてみてください。