

食品には炭水化物、脂質、タンパク質のほかに、ビタミンやミネラルなどの微量栄養素も含まれています。
栄養素の役割を車に例えると、タンパク質は車体を構成する材料、エネルギー源となる炭水化物や脂質はガソリン、ビタミンやミネラルは車をスムーズに動かすためのオイルのような働きをしています。本記事では、ビタミンAがどのような働きをしているのかを解説します。
※記事内でご紹介している森永製菓の製品の栄養成分は、2026年3月5日時点のものとなります。
ビタミンAは、油に溶けやすい性質を持つ脂溶性ビタミンの1つです。カラダの中でビタミンAは、「レチノール・レチナール・レチノイン酸」として存在します。
ビタミンAの働きは、視覚やカラダのバリア機能のサポートなどの、カラダの調子を整えることです。カラダに吸収されたビタミンAのほとんどは肝臓に蓄えられ、そのほかは血液によって心臓や肺、腎臓など、各組織に運ばれていきます。
ビタミンAが多く含まれている食品は、豚レバー、鶏レバー、ウナギ、バター、鶏卵などの動物性食品です。また、ニンジンやホウレン草などのような緑黄色野菜には、プロビタミンAとして含まれています。
食品から摂取するビタミンAやプロビタミンAは、どのような違いがあるのでしょうか。ビタミンAであるレチノールやレチナールは、動物性食品のみに存在します。プロビタミンAは、植物性食品に主に含まれている、カラダの中でビタミンAに変換される材料のようなものの総称です。
プロビタミンAの主なものは、β-カロテン、α-カロテン、β-クリプトキサンチンです。これらは、赤や黄などの色素成分であるカロテノイドの一種であり、緑黄色野菜に多く含まれています。
動物性食品のビタミンAは吸収率がよく、必要以上に摂取すると過剰摂取になる可能性があります。一方で、食品から摂取したプロビタミンAは、必要に応じてビタミンAに変換されるため、過剰摂取の心配はいりません。

食品から摂取できるビタミンAは、動物性食品のレチノール、植物性食品のβ-カロテンなど複数あり、カラダで利用される割合が異なります。そこで、食品に含まれているビタミンAの量は、「レチノール活性当量(μgRAE)」として示されます。
レチノール活性当量は、動物性食品に含まれているレチノール量と、植物性食品からのβ-カロテン、α-カロテン、β-クリプトキサンチンの量に変換率を考慮した数値を合計して表します。レチノール活性当量を算出する式は以下の通りです。
レチノール活性当量(μgRAE)=レチノール(μg)+1/12×β-カロテン(μg)+1/24×α-カロテン(μg)+1/24×β-クリプトキサンチン(μg)+1/24×その他のプロビタミンAカロテノイド(μg)
プロビタミンAのなかでは、β-カロテンが最も効率良くビタミンAに変換されます。α-カロテンとβ-クリプトキサンチンの変換効率は、β-カロテンの半分程度です。
日本人の食事摂取基準(2025年版)で示されているビタミンAの推奨量は、年齢や性別で異なります。また、体内に蓄積されるビタミンAの過剰摂取を考慮するため、健康障害をもたらすリスクがないとみなされる習慣的な摂取量の上限とする「耐容上限量」が定められています。18~69歳の推奨量と耐容上限量は以下の通りです。
日本人の食事摂取基準(2025年版)より筆者作表
※耐容上限量はプロビタミンAカロテノイドを含まない
なお、耐容上限量は健康障害を引き起こすことがない上限量で、これを超えて摂取すると、過剰摂取によって生じる潜在的な健康障害のリスクが高まると考えられており、必ずしも障害を起こすわけではありません。
植物性食品中心の食生活だった過去の日本では、ビタミンAの欠乏症がしばしばみられていました。しかし、食生活が欧米化した現在では、動物性食品を食べる機会が多くなり、ビタミンAが不足することはほとんどありません。一方で、脂溶性ビタミンであるビタミンAは体に貯蔵されるため、過剰摂取に注意が必要です。
ビタミンAとプロビタミンAを多く含む食品を以下にまとめました。
日本食品標準成分表2020年版(八訂)増補2023年を参考に筆者作表
参照日:2026年3月5日
動物性食品の中では、レバーに多く含まれています。レバニラ炒めなら1食で耐容上限量を超えるため、連日食べることは注意が必要です。牛乳はビタミンAだけでなく、β-カロテンも少し含まれています。
日本食品標準成分表2020年版(八訂)増補2023年を参考に筆者作表
参照日:2026年3月5日
野菜の種類や1食あたりの使用量によって、摂取できるレチノール活性当量は異なりますが、さまざまな緑黄食野菜を組み合わせて食べることで、プロビタミンAを補えます。
なお、緑黄色野菜とは、原則として可食部100g当たり600μg以上のβ-カロテンを含むものです。ただ、β-カロテン含量が600μg未満であっても、トマトやピーマンなどは摂取量や食べる頻度を考慮して、緑黄色野菜として扱われています。
ビタミンAをはじめとする栄養素を不足することなく摂取するためには、バランスの整った食事が基本です。忙しくて外食やお弁当などの利用が多くなると、バランスの整ったメニューを選ぶことが難しいと感じる方も多いのではないでしょうか。
食事のバランスを整えるコツは、いろいろな食品を揃えることです。
食品に含まれている栄養素は、カラダのなかでさまざまな働きをしています。水溶性ビタミンのように多く摂りすぎると自然に排泄されたり、プロビタミンAのように必要に応じて合成量を調整したりする栄養素もありますが、中には蓄積されて過剰症のリスクを高めるものもあります。
そのため、同じものを食べ続けることで極端に偏ってしまうと、カラダに影響を及ぼす可能性があります。
1食のメニューとしては、ごはんやパンなどの「主食」、肉や魚などタンパク質をメインにしたおかずの「主菜」、野菜や海藻類などを使った「副菜」をそろえると、食品の数も多くなりバランスが整いやすくなります。
例えば、お弁当を買うなら品数の多いものを選ぶほかに、サラダや野菜スープをプラスすることでバランスを整えることが方法の一つです。家でインスタントラーメンを作るときは、もやしや豆苗、冷凍野菜、ゆで卵などを付け加えると、手軽にバランスを整えることができます。
栄養バランスの良い食事については、「栄養バランスの良い食事とは?簡単に改善するポイントも解説!」にて詳しく解説しています。
食事だけでバランスを整えることが難しい場合は、栄養補助食品を活用してみてはいかがでしょうか。栄養補助食品は、足りない栄養素を補うための食品です。製品によって含まれている栄養素はさまざまで、用途に合わせて選ぶことが大切です。
また、形状もゼリータイプ、バータイプ、ドリンクタイプなどがあり、自分に合ったものを見つけてみてはいかがでしょうか。
グレープフルーツ味で爽やかな味わいのゼリー飲料です。ビタミンAのほか、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンDなど、全部で12種類のビタミンを配合しています。野菜不足を感じているときや、忙しくて十分な食事量が確保できていないときなどにおすすめです。
ビタミンAを含むため、妊娠3か月以内又は妊娠を希望する女性は、過剰摂取にならないように注意してください。また、小児は本品の摂取を避けてください。
パイナップル味のゼリー飲料です。「inゼリー マルチビタミン」と同様に12種類のビタミンを摂取できます。加えて、脂質やタンパク質が含まれていないため、体重コントロール時の栄養補給のサポートに利用しやすいのではないでしょうか。
ビタミンAを含むため、妊娠3か月以内又は妊娠を希望する女性は、過剰摂取にならないように注意してください。また、小児は本品の摂取を避けてください。
ビタミンAは、レバーや卵などの動物性食品、また野菜などの植物性食品からも摂取することができます。バランスが整った食事を意識して、さまざまな栄養素の不足を予防することが大切です。忙しい毎日で偏りがちな食生活を見直して、いろいろな食品をとりいれてみてはいかがでしょうか。
<参考>
1)日本人の食事摂取基準(2025年版) 参照日:2026年2月2日