あなたに必要なタンパク質量を食事からしっかり摂取するポイント
タンパク質摂取は様々な可能性が示唆されていますが、1日の食事からどのくらいタンパク質が摂れているのか、タンパク質が不足していないか、気になる方もいるかもしれません。
ヒトのカラダは水分の割合が最も多く、次に多い成分がタンパク質です。食事から摂り入れたタンパク質は、消化されるとアミノ酸に分解され、カラダを作る材料になります。タンパク質不足をおこさないためには、食事に含まれているタンパク質量を把握し、自分に必要な量を適切に摂取することが方法の一つです。
本記事では、1日に必要なタンパク質量と、食事からしっかりと摂取するポイントをご紹介します。
1日にタンパク質はどれくらい摂ればいい?1)
カラダを作る材料となるタンパク質は、アミノ酸が長くつながったものです。アミノ酸は20種類あり、このうち9種類はカラダの中で作り出すことができません。そのため、食事からタンパク質を摂取する必要があります。タンパク質が不足しないために必要な量はどのくらいなのでしょうか。
1日に必要なタンパク質量1)
1日に必要なタンパク質量は、日本人の食事摂取基準(2020年版)に示されています。
年齢、性別、妊娠中や授乳中で必要なタンパク質量は異なり、男性15~64歳の推奨量は65g/日、65歳以上は60g/日、女性15~17歳の推奨量は55g/日、18才以上は50g/日です。男女ともに、身長が伸びる思春期はタンパク質推奨量が多くなり、成人よりも積極的にタンパク質を摂っていく必要があります。
また、妊娠中は、お腹の中で胎児が急成長しています。そのため、付加量として妊娠中期は+5g/日、後期では+25g/日のタンパク質が望ましいとされています。
タンパク質の必要量については、「【タンパク質の必要量】タンパク質はどれくらい摂ればいい ?」にて、詳しく解説しています。
活動量によって必要量は変動2)
ジョギングや水泳など、健康維持のために日常的に運動をしている人もいるのではないでしょうか。活動量が多い場合、カラダに必要なエネルギー量が増加し、カラダに必要なタンパク質の摂取量も増加させた方がよいといわれています。
一方で、タンパク質摂取量を必要以上に増加させても、カラダづくりにつながらないとの報告もあります。個人差があるため、摂取したタンパク質量とカラダの変化を考慮しながら食事の栄養バランスを整えてはいかがでしょうか。
食事量が減るとタンパク質不足に陥りやすくなる1)3)
仕事や学校などで忙しい毎日を過ごしていると、朝はできるだけ寝ていたいという人もいるでしょう。朝食を食べない割合は男性では40代、女性では30代が最も多いとの結果が令和元年の国民健康・栄養調査で発表されています。このうち、「お菓子や果物のみで朝食をすませる人」は40代男性では16%、30代女性では12%です。
朝食を抜くほか、1食をしっかりと食べられないと、残りの食事で1日の必要量を補わなければなりません。とはいえ、1回の食事で食べられる量と吸収できる量には限りがあるため、タンパク質不足になる可能性があります。
ダイエットも食事量を減らすことで、タンパク質量が不足する可能性があります。特にタンパク質の多い肉類や乳製品はエネルギー量が高い傾向があるため、肉類や乳製品を食べないという人は注意が必要かもしれません。エネルギー摂取量のみで判断してしまうと、欠食と同様に栄養のバランスが崩れてしまう可能性も考えられます。
また、高齢になると歯の健康状態や消化機能が衰えることで、食べる量が減ることも考えられます。タンパク質が不足しないよう、高齢者もタンパク質をしっかりと摂取することが推奨されています。
食品に含まれているタンパク質量は?1)
高タンパク質の食品でよく知られているのは、肉、魚介類、大豆・大豆製品、卵、乳・乳製品です。1食で使われる食品に含まれているタンパク質量を表にまとめました。
日本食品標準成分表2020年版(八訂)を参考に筆者作表
参照日:2023年8月10日
タンパク質を含む食品は、上記のものだけではありません。穀物、野菜、果物のタンパク質も確認してみましょう。
日本食品標準成分表2020年版(八訂)を参考に筆者作表
参照日:2023年8月10日
このように、肉や魚、乳製品以外の食品からもタンパク質を摂取できます。タンパク質不足にならないよう、1日のタンパク質必要量を把握して、満たされているのか、不足しているのかを確認してみましょう。
タンパク質が多い食品については、「タンパク質が多い食品を紹介。高タンパク食品を手軽に摂取!」で紹介しています。
摂取のポイント1.バランス良く幅広い食品を選ぶ4)
タンパク質をしっかりと摂取するには、幅広い食品を食べることがポイントです。高タンパク質な食品から1日の必要量を摂取するだけでなく、さまざまな食品からタンパク質を摂り入れます。
タンパク質を多く含む肉や魚介類などは、タンパク質だけでなく脂質も多く含まれている食品もあります。タンパク質を摂ろうとして、高タンパク質の食品ばかりたくさん食べると、脂質の摂取量が必要以上に多くなってしまう可能性があります。
また、ヒトのカラダは、エネルギー源となる炭水化物や脂質、カラダを作るタンパク質だけでなく、ビタミンやミネラルも食事から摂る必要があります。偏った食品ばかり食べていると、ビタミンやミネラルが不足してしまうかもしれません。
バランスの良い食事にするには、ごはんなどの主食、メイン料理の主菜、野菜中心の副菜、果物、乳製品の5品をそろえてみましょう。1回の食事でそろえることが難しい場合は、間食にヨーグルトや果物を食べるなど、1日のトータルで考えます。厚生労働省と農林水産省が発表している食事バランスガイドも、取り入れてみてください。
摂取のポイント2.手軽に摂れる食品をストックしておく
一人暮らしをしていると、幅広い食品をそろえると使い切れなかったり、調理する時間がなかったりします。そのような場合は、タンパク質を摂取でき、調理の手間がかからない食品をストックしておくと重宝するかもしれません。忙しい日や栄養バランスが偏ってしまった日も手軽にタンパク質を補給できます。手軽にタンパク質を摂れる食品は、以下のようなものがあります。
- 納豆
- 豆腐
- 牛乳
- ヨーグルト
- チーズ
乳製品は手軽に摂れるタンパク質源ですが、脂質も含まれる食品です。乳製品のラインナップは豊富ですので、エネルギー摂取量が気になる場合は、低脂肪の製品を選ぶなどの工夫もできるでしょう。タンパク質以外の栄養成分にも注目して、タンパク質を摂取してみてはいかがでしょうか。
タンパク質量が不足するならプロテインもとり入れて
食事からのタンパク質量がどうしても不足してしまうなら、栄養補助食品のプロテインを取り入れるのもおすすめです。プロテインはアスリートが飲むイメージが強い方もいるかもしれませんが、健康維持のための利用にも注目されています。種類もさまざまあり、目的別に選ぶことも可能です。そのまま飲むほか、手作りのホットケーキやパンに混ぜて活用することもできます。
おいしい大豆プロテイン
大豆プロテインにカルシウム、ビタミンD、ビタミンB群が配合されている粉末プロテインです。大豆の独特な香りや苦味をおさえてあるため、飲みやすくなっています。コーヒー味で水だけでなく牛乳との相性も良いです。1食あたりで摂れるタンパク質は10.0g、脂質は0.7g、炭水化物は6.6gです。タンパク質不足が気になる人が取り入れやすいプロテインです。
マッスルフィットプロテインプラス
ホエイプロテイン、カゼインプロテイン、大豆プロテインの3種類を配合しています。カルシウム、鉄、ビタミンB群も含まれているカフェオレ味のプロテインです。1食あたり、タンパク質21.7g、脂質0.3~1.8g、炭水化物3gが含まれています。活動量が多い人や、理想の筋肉を目指すアスリートのタンパク質補給におすすめです。
ジュニアプロテイン
大豆プロテインとホエイプロテインに、カルシウム、鉄、ビタミンB群が配合されています。味は牛乳に溶かしてもおいしいココア味です。1食あたりタンパク質8.4g、脂質0.8g、炭水化物8.2gが含まれています。成長期の栄養補給、健康をサポートする目的などに活用しやすいと思います。
まとめ
必要なタンパク質量は個人で異なります。自分の必要量と普段の食事のタンパク質量を把握し、不足していないかを確認してみてはいかがでしょうか。
3回の食事をしっかりと食べることでタンパク質は補いやすくなる一方で、欠食や食事量を減らすと不足しやすくなります。不足している分は、食事で補うか、補食をプラスする方法もあります。補食には栄養補助食品のプロテインを活用するのも選択肢の一つです。
<参照>
1)日本食品標準成分表2020年版(八訂) 参照日:2023年8月10日
2)アスリートのタンパク質栄養の考え方 参照日:2023年8月10日
3)令和元年国民健康・栄養調査報告 参照日:2023年8月10日
4)農林水産省 食事バランスガイド 参照日:2023年8月10日