ビタミンCはサプリメントや栄養ドリンクに配合されていることがあるため、一度目にしたことがある栄養素かもしれません。ビタミンCはカラダの中でどのような働きをしているのでしょうか。
本記事では、ビタミンCの働きのほか、1日に摂取する目安量とビタミンCが多く含まれている食品について解説します。
※記事内でご紹介している森永製菓の製品の栄養成分は、2023年4月27日時点のものとなります。
ビタミンCは、カラダの調子を整える働きをしています。ビタミンCは、皮膚や粘膜の健康維持を助けるとともに、抗酸化作用を持つ栄養素です。ビタミンCは水に溶けやすい性質があり、光や空気の影響を受けやすく、調理による加熱に弱い特徴があります。
体内に吸収されたビタミンCは全身に運ばれて働き、使われなかった分は尿として排泄されます。多くの生き物が体内でビタミンCを合成することができますが、ヒトや一部の動物の体内では合成できません。そのため、ビタミンCは食品から摂取することが大切です。
コラーゲンは繊維状のタンパク質で、皮膚・血管・軟骨などに存在し、細胞と細胞をつなげています。コラーゲンを合成するためには、ビタミンCが欠かせません。
鉄は主に赤血球中のタンパク質であるヘモグロビンの材料になるミネラルです。鉄は、レバーや赤身の肉などの動物性食品に多く含まれている「ヘム鉄」と、ホウレン草やひじきなどの植物性食品に多く含まれている「非ヘム鉄」の2種類に分けることができます。
ヘム鉄はそのままの形で体内に吸収されますが、非ヘム鉄は食物繊維やタンニンなどからの吸収阻害を受けてしまうため、非ヘム鉄と比べてヘム鉄の方が吸収率は高いです。
非ヘム鉄の吸収を高めるためには、ビタミンCを多く含む食品と一緒に摂取することがおすすめです。例えば、ホウレン草のお浸しに柚子の果汁をかけることや、食後のデザートに果物を食べることなどです。
体内に必要なビタミンCの推奨量は、日本人の食事摂取基準(2020年版)に示されています。
日本人の食事摂取基準(2020年版)を参考に筆者作表
参照日:2023年4月27日
ビタミンCの1日の推奨量は、性別で差はありません。妊娠中や授乳中は、ビタミンCの推奨量が増加します。そのほかに、タバコを吸う喫煙者は、非喫煙者よりもビタミンCの必要量は多くなるといわれています。そのため、表で示した推奨量よりも多めに摂取することがおすすめです。
ビタミンCは体内に貯蔵されていますが、食事内容によっては欠乏状態になる可能性もあります。
また、ビタミンCを余分に摂取しても排泄されるため、耐容上限量は設定されていません。しかし、ビタミンCの過剰摂取によってカラダの不調が現れた報告があるため、摂りすぎには注意が必要です。
食事から摂取するビタミンCが減りがちな場合、ビタミンCを多く含むサプリメントなどを活用し、まとめて摂取することを検討している方がいるかもしれません。
ビタミンCの吸収率はカラダの中で調整されていますので、1度にまとめて摂取するよりも、1日3回の食事の栄養バランスを整え、1日に必要なビタミンCの量を分けて摂取することが理想です。
しかし、外食などで栄養バランスを整えることが難しい場合があると思います。ビタミンCの吸収率はカラダの中で調整されるため、ビタミンCを含む食品を摂取できるタイミングで、多めに摂取することも一つの方法です。
ビタミンCは、主に野菜や果物、じゃがいも、サツマイモなどに多く含まれています。1回の食事量に含まれているビタミンCの含有量をまとめました。
日本食品標準成分表2020年版(八訂)を参考に筆者作表
参照日:2023年4月27日
特にビタミンCを多く含む食品は、赤パプリカや果肉が黄色のキウイフルーツです。パプリカを1/2個使用した料理や、黄色のキウイフルーツは1個分で成人の1日の推奨量を満たせます。
ビタミンCは上記の野菜や果物だけでなく、その他の食品にも含まれています。食品によってビタミンCの含有量に幅はありますが、野菜や果物をバランスよくとり入れた食事をすることで、1日のビタミンCの推奨量を満たすことができると思います。
食品中に含まれているビタミンCは水に溶けやすい性質があるため、ゆでると煮汁に溶け出して損失します。また、熱に弱いため、加熱するとビタミンCの含有量が減少することが懸念されます。
ビタミンCを効率良く摂取するには、調理時に水や熱に接する時間を短くすることや、電子レンジ調理を活用する、煮出して汁物にするなどがおすすめです。以上のように、ビタミンCは、調理方法の影響を受けやすい特徴がありますが、ビタミンCがデンプンに包まれているジャガイモやサツマイモは、比較的熱に強いといわれています。
ビタミンCは野菜や果物に多く含まれているため、炭水化物やタンパク質中心の食事をしていると不足する傾向があります。例えば、朝食はトーストと目玉焼きのみ、昼食はラーメンもしくはおにぎりのみなどの食事内容です。
忙しくて食事をとる時間がとれない場合や、食事内容を調整できない場合はどのようにしてビタミンCを補えばよいのでしょうか。
ミニトマトやイチゴ、カットフルーツなど皮を剥く必要がない野菜や果物は、取り入れやすいと思います。
また、加熱時間が長い煮物や下ゆでをする野菜は、ビタミンCを損失します。そのため、下ゆでを電子レンジ調理に置き換える方法がおすすめです。ほかにも、野菜を加熱する料理だけでなく、サラダのようにそのまま食べられる副菜を加えてみてはいかがでしょうか。
食事内容は個人差があります。また、日によって食事内容が異なる場合が多いのではないでしょうか。1日に必要なビタミンCの量が多い方や食生活で不足しがちな方で、どうしても食事からビタミンCを摂ることが難しい場合は、栄養補助食品を活用するのも選択肢の一つです。森永製菓が取り扱う栄養補助食品の中から、ビタミンCを配合した製品をご紹介します。
1袋に1日分のビタミン12種類を配合したゼリー飲料です。1袋でビタミンCを100~248mg摂取できます。そのほかに配合されているビタミンは、ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKです。エネルギーゼロのため、体重コントロールをしている期間の間食などに活用しやすいのではないでしょうか。
「inゼリー マルチビタミンカロリーゼロ」と同様に、1日分のビタミン12種類を摂取できるゼリー飲料です。エネルギーは90kcalで、ビタミンCは100~248mg含まれています。エネルギーも補給したい運動前後や、仕事の合間の栄養補給、間食におすすめです。
運動後のリカバリーを助ける粉末プロテインです。タンパク質とともに、1食あたりで1日分のビタミンC推奨量の100mgを補給できることが特徴です。また、代謝を助けるビタミンB群も含まれており、運動習慣のある方が活用しやすいのではないでしょうか。
食生活や生活環境によってビタミンCの消費量は変化します。食事からビタミンCを摂取することが基本ですが、難しい場合は栄養補助食品を取り入れる方法もあります。
ビタミンCが配合されている栄養補助食品は、ほかのビタミン類やミネラルなどが配合されていることもあります。そのため、子どもや妊娠中の方は使用する前に注意表示を確認してみてください。
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