ときに激しいタックルをくらって地面に倒され、ときに俊敏な動きで相手選手をかわして疾走し、トライを決める。強さとスピードを備えたラガーマンの強靭なカラダはいったいどうやってつくられ、維持されているのでしょうか。
ここでは、タックルを得意とするセンターバックの村田大志選手に、自身の栄養管理について伺いました。
クラブハウスでの食事であれば食べたいものを選べるんですけれど、外食の場合でも自分で工夫をしながら食べるようにしています。さすがにカロリー計算まではしないですけれど、タンパク質はなるべく魚でとるようにしていたり、食べながらちょっと野菜が足りないなと思ったときは、コンビニで買って補うようにしています。
僕は量を食べられないので、1回で食べる量は一般の人と同じくらいです。定食屋さんでも大盛りにしませんし、その分こまめに栄養をとったり、野菜を多くとるようにはしています。でも、はじめに野菜をいっぱい食べてしまうとメインのお肉や魚が食べられなくなるので、今日は野菜があまりとれていなと思う日はビタミン剤などで補うようにしています。
僕の場合、もともと食が細くて1回に食べる量が少ないので、トレーニング前にバナナを食べたり、ウエイトが終わってグラウンドに出る前にinゼリープロテインを飲んだり、エネルギーが体内で枯渇しないように、食べるようにしています。また、食事でとりきれない栄養はプロテインで補います。もともとプロテインを飲む習慣というのはなかったんですけれど、サントリーに入って、トレーニングの前後にプロテインを飲むようになって体重も増えてきました。体重が落ちてきたなと感じたときは寝る前にもプロテインを飲みます。
筋トレは週4、1回1時間くらい。ゲームが少ない時期はウエイトの負荷を増やして行ない、試合が重なってきたときはベンチプレスのバーにゴムをつけてそれを素早く上げる負荷が少ないトレーニングに切り替えたり、ベンチひとつとってもいろんなトレーニングを行ないます。
僕のポジションはバックスの中でもセンターというポジションで、バックスの中ではコンタクトが多いことと、どちらかというと長い距離を走るというよりは短いダッシュを繰り返すポジションなので、「寝て起きて」を素早く繰り返す動きと瞬発力が必要とされます。ディフェンスとして相手選手にタックルに行くところは自分の得意とするところでもあるので、試合ではそういった部分を見てもらいたいですね。
僕はずっと88kgくらいがベストと思ってきたんですけれど、最近ラグビーのトップリーグは外国人枠が増えてきて、フィジカルの部分が上がってきています。僕も少しカラダを大きくしないといけないなと感じていて、1kgから1.5kgくらい増やして、今と同じパフォーマンスができるようにチャレンジしているところです。基本的にはバランスよく増やしていって、見た目は変わらないけれど体重は増えてるというのが理想ですね。
僕は揚げ物が好きなんですけど、揚げ物ってなかなか食べられないんですよ。そこで、クラブハウスでは料理長の方が料理を揚げ物っぽく焼いて作ってくれるんです。そういった工夫で普段食べられないものを食べられるようにしてくれているっていうのがすごく助かっています。管理栄養士さんも楽しみながら栄養がとれるようにいろいろと考えてくれていて、選手たちがそれぞれプロテインに好きなフルーツや野菜を入れてスムージーにして飲むというのが流行ったりして。僕自身は作らないですけれど、誰かが作ったスムージーを飲むのは好きですね。
各家庭でも栄養を考えた食事がとれるように、管理栄養士さんが奥様向けに栄養のセミナーを開催してくれて、僕の妻も参加したんですけれど、食卓にやたらとタンパク質が多く並ぶようになりました(笑)。
僕はあまり真面目なほうではないので、切羽詰まった感じに毎日毎日、栄養管理っていうのは精神的にきついので、家族で食事に行くときとか、だいたい週1ぐらいは何も考えずに食べる日はあります。こうしたやり方のほうが自分に合っていると思うし、オフ日を設けることで再び平日トレーニングのときに栄養管理という考え方にリセットできます。家族での食事は、子どもがまだ小さいのでポテトフライとかよく食べますね。管理栄養士さんも、オフ日に好きなものを食べたり、楽しく美味しく食べることも大事と言ってくれているので、僕もオフ日には子どもと一緒に安心してハンバーガーが食べられるんですよ(笑)。