強靭なカラダを支える栄養管理 「サンゴリアス」~フランカー 小澤直輝選手の場合~
強靭なカラダを支える栄養管理 ~フランカー 小澤直輝選手の場合~
ときに激しいタックルをくらって地面に倒され、ときに俊敏な動きで相手選手をかわして疾走し、トライを決める。強さとスピードを備えたラガーマンの強靭なカラダはいったいどうやってつくられ、維持されているのでしょうか。
ここでは、鍛え上げた体格を生かし外国人選手たちと互角に渡り合うフランカー(ナンバー8)の小澤直輝選手に、自身の栄養管理について伺いました。
高校1年で66kg。トレーニングとプロテインでカラダづくり。
僕は今でこそこんな体格をしていますけれど、高校1年生の時点では身長180cmに対して体重は66kgと細かったので、その頃からプロテインを飲んでトレーニングしていました。それこそ学生時代はどんぶりでご飯をたくさん食べていましたが、今ではご飯の量は当時より少なく、お肉や魚といったおかず類を増やしてバランスよく食べるようになりましたね。僕のポジションは、フォワードという比較的体重を必要とするポジションなので、食事ではつねに量と質の両方を意識してとるようにしています。
社会人1年目で気づかされた栄養管理の大切さ。
社会人になると、大学生の頃よりも選手の当たりが強くなりますし、試合数も多くなります。練習が終わるとだいたい3kgくらい落ちてますから、よほど自分で意識していないと身体を維持できません。体重が落ちると自分のパフォーマンスも落ちてしまう。社会人1年目に、そのことを痛感し、栄養管理の大切さに気づかされました。
チームで行う栄養管理の取り組みもあり、今ではだいぶ今は改善できてきていると思います。たとえば、練習が午後の1時からの場合、夕食はだいたい6時ぐらいにとりますが、その間に自分で意識して栄養を入れておかないとトレーニング中にカラダに栄養がない状態になってしまいます。そこで、練習の途中にinゼリーやプロテイン、バナナなどを入れて、カラダの中に栄養があるいい状態でトレーニングを行なっています。
求められるのは、外国人選手に負けないあたりの強さとスピード。
僕のポジションはフォワードの中でも、バックロー(フランカー)という後ろのほうで、基本的に外国人選手も多く、チームの中でもカラダをぶつけることが非常に多いポジションです。スクラム時にはスクラムを組んでいる人たちの後ろの方にいたり、タックルでつぶされて選手たちがグシャグシャになっているところに駆けつけて、そこで身体を張っています。こうした密集戦こそ自分の見せ場だと思うので、このポジションに求められる当たりの強さと走力をそれぞれバランスよくトレーニングするようにしています。
チームのサポートと、家族のサポートを受けて栄養管理。
チームには管理栄養士さんがいて、カラダにいい食習慣として、食事ではどういったものを食べるといいとか、どの栄養をどのタイミングでとればいいかという指導や、クラブハウスでの食事メニューなども考えてくれています。また、料理長の石井さんがつくる「石井メシ」がどれも本当に美味しくて。今日(取材日に)食べた豚の冷しゃぶも美味しかったです。
こうした食習慣の取り組みは、選手から聞いたり、管理栄養士さんが主催する家族向けの栄養セミナーなどで情報を仕入れて、各家庭にも浸透してきていると思います。僕の妻はセミナーには参加できなかったのですが、栄養に関する資格をとって、家でもバランスのいい食事でサポートしてもらっています。
食事をコントロールできないときは、その分動きます。
僕の場合、仕事で居酒屋さんや飲食店さんを担当していまして、夜に得意先である飲食店に飲みに行ったりすることもあるんですけれど、そんなときも管理栄養士さんに教えてもらった“居酒屋さんに行ったらこういうのを食べたほうがいいよ”というおすすめメニューがあるんですよ。でも、そういった場では自分が食べたいものばかりが出てくるわけではなく、もちろん揚げ物が出てくることもありますし、得意先ですからこっちも残すわけにはいかず…と仕事柄こんな感じで何軒も行ったりすることが多々あります。
さすがにシーズン中で試合直前は避けますけれど、クラブハウスを離れて外食となると、自分でコントロールできない部分というのも絶対にあるので、そういうときは美味しくいただく。揚げ物がダメとかすべてを拒否するのではなく、あまりそこでストレスを感じずに、その分動くようにしています。これからもストレスのない食生活を心がけて、継続してカラダづくりに取り組んでいきたいですね。