主食・主菜・副菜とは?献立作りのポイントとあわせて紹介
主食・主菜・副菜・汁物・乳製品、さらに果物がそろった食事は、日本の食生活に伝わる基本の献立です。
食生活が多様化した現在では、欧米、アジア、南米など、世界各地の料理が身近に食べられるようになりました。また、惣菜などの中食や外食も多様化し、主食・主菜・副菜などの献立にこだわらない世代も増えていると思います。
本記事では、日本の食生活に伝わる基本の献立における、主食・主菜・副菜の定義を再確認し、献立作りのポイントを解説します。
献立の基本は主食・主菜・副菜の3つ
昭和50年代ごろの主食・主菜・副菜がそろった食生活を「日本型食生活」と呼ばれています。ごはんを主食にして、1汁3菜を基に献立が作られていました。
(以下参照)
1汁は汁物を意味し、3菜とは主菜と副菜を3品取りそろえることを意味しています。1汁3菜を取り入れると、炭水化物、脂質、タンパク質から摂るエネルギー摂取量のバランスが自然に整いやすくなると考えられています。
普段の食事の栄養バランスが整っているかを知るには、1日の食事内容を把握することから始めてみましょう。食事を主食・主菜・副菜に当てはめて、欠けているものがないかを確認します。
「主食」はエネルギー源となるもの
米、もち、パン、うどん、そば、スパゲティーなど、炭水化物を主成分とするエネルギー源となるものです。1日のエネルギー摂取量の約50~60%は主食で摂ります。必要量は、性別や活動量などで変化しますので注意しましょう。
減量を目的としている場合は、主食の量を減らすことがありますが、減らしすぎると集中力が低下し、活動したあとの疲れが溜まりやすくなるなどの症状がみられる可能性もあります。主食の減らしすぎには注意しましょう。
逆に、主食を摂りすぎると血糖値が上昇し、肥満や糖尿病などの原因となることは知られているかと思います。主食の食べ過ぎにも注意が必要です。
「主菜」は体をつくるもとになるもの
魚、肉、大豆製品、卵など、主にタンパク質や脂質の供給源で、筋肉や血液など体を作る材料になるものです。1回の食事でそろえる主菜は1~2品。摂りすぎると肥満や脂質の代謝異常などの原因になるため、自分に合わせた適切な量を把握しましょう。
タンパク質が不足すると筋肉量の低下や貧血などが起こる可能性があります。特に高齢者は、食欲や咀嚼する力が落ちてしまい、主菜をしっかりと取れなくなる傾向があります。タンパク質が不足すると体をつくる材料が減るため、主菜は適切な量をしっかりと食べることが推奨されています。
3回の食事から摂ることが基本にはなりますが、食が細く主菜を摂る量が少ない場合は、プロテインなどの栄養補助食品で補う方法も考えられます。
(以下参照)
「副菜」は体の調子を整えるもの
野菜、きのこ、海藻類などを使った料理で、体の調子を整えるビタミン、ミネラル、食物繊維の供給源です。野菜、きのこ、海藻類は、1回の食事につき2品以上取り入れ、1日350g以上食べることが推奨されています。
食物繊維の多い食品を食べると噛み応えがあり、満足感を得られやすいこと、野菜から食べると血糖値がゆっくりと上昇すると言われています。
現在の日本人の食生活では不足しがちなため、副菜が少なくならないように意識して取り入れたいものです。
主食・主菜・副菜に乳製品と果物をプラスする
主食・主菜・副菜の3つのほかに、牛乳やチーズなどの乳製品と果物も取り入れると、幅広い栄養素が摂れるバランスの良い献立になります。
乳製品は、タンパク質とともにカルシウムなどのミネラルや、ビタミンB群も摂ることができる食品です。牛乳のタンパク質は20種類のアミノ酸がバランスよく含まれています。
果物は消化がよく、脂質をほとんど含んでいません。ビタミンCなどのビタミンや食物繊維を補うことができます。
しかし、牛乳・乳製品、果物は、どちらも摂りすぎると肥満の原因となりますので、適度に取り入れることが大切です。
適量を把握するために、「食事バランスガイド」を参考にすることもおすすめです。
(以下参照)
主食・主菜・副菜を揃えた献立づくりのポイント
毎日の食事を考えるのは、疲れていたり忙しかったりすると難しくなることがありますね。
献立作りが少し楽になるポイントは、パズルを埋めるように主食・主菜・副菜を決めていくことです。献立作りのポイントを押さえると、冷蔵庫にある食材からも献立が立てやすくなり、食材のロスも減少しやすくなります。
まずメインとなる主菜を決める
献立は、まずメイン料理となる主菜から決めていきます。例えば、鮭の塩焼きを主菜に決めたとします。主菜が和食なので、主食はごはんにして、副菜も和食でそろえていきましょう。
冷蔵庫にキャベツがあれば、塩もみしたキャベツに塩昆布を和えた浅漬け。そのほかには、具たっぷりの豚汁、ホウレン草のお浸し、インゲンのゴマ和え、ヒジキの煮物などです。
このようにメイン料理のジャンルを決め、副菜も同じジャンルの料理にすると、献立がスムーズに考えやすくなります。
1回の食事を完璧にする必要はない
1回の食事のバランスをいつも完璧に整える必要はありません。また、毎回完璧にしようとすると料理を作ることが負担になり、継続が難しくなることがあります。
栄養士が献立を立てている学校給食では、1週間や1カ月を単位にして栄養のバランスが整うようになっています。栄養価計算を行わない家庭の食事では、期間が長くなると栄養バランスの偏りに気が付きにくくなることがありますので、1日や2~3日など、数日で栄養バランスが整うように意識するのがおすすめです。
毎日の食事を主食・主菜・副菜に当てはめて、足りないものを次の食事や次の日に意識して摂るようにすると、負担が少なく行えます。継続しやすい方法で献立を決めていきましょう。
主食・主菜・副菜を取り入れた献立例
主食・主菜・副菜を取り入れた献立の例をご紹介します。1日3回の食事を、和食・洋食・中華料理のカテゴリーで考えてみました。
栄養バランスを整えるには、朝食・昼食・夕食の3食を摂ることがポイント。1つでも欠けると、タンパク質が足りないなどバランスが偏ってしまうからです。惣菜を取り入れたり、外食をしたりするときも、主食・主菜・副菜を意識して献立をつくります。
朝食はしっかりと食べる
朝は時間がない、食欲がわかないなど、朝食を食べない人も少なくありません。しかし、朝食は午前中の活動を支える重要なエネルギー源で欠かすことのできないものといえます。前日に下準備をしておくなど工夫をして、朝食をとるようにしましょう。
- 和食:ごはん、納豆、卵焼き、季節の野菜をたっぷりと入れた味噌汁、キュウリの浅漬け
- 洋食:食パン、茹で卵、チーズ、野菜サラダ
- 中華:ごはん、豆腐と卵の中華スープ、セロリとハムの炒め物、中華風サラダ
昼食は午後からのエネルギーを補給
午後からの活動をしっかりと行なうには、昼食を食べてエネルギーを補給します。エネルギー源となる主食と主菜に加え、副菜もしっかりと摂りましょう。スパゲティーやカレーなど主食と主菜を一緒に食べられる献立であれば、バランスを意識して足りない品を補います。
- 和食:ごはん、サバの味噌煮、季節野菜の煮物、ヒジキの煮物
- 洋食:ミートソーススパゲティー、コールスローサラダ、野菜スープ
- 中華:ごはん、麻婆豆腐、チンゲン菜の中華炒め
夕食は適度な量を食べる
消費したエネルギーを補給するために必要な夕食はしっかりと摂りましょう。一方で、摂りすぎてしまうと肥満の原因になるため、適度な量を把握して摂ることがポイントです。
- 和食:炊込みご飯、豚しゃぶ、インゲンのゴマ和え、ナスの煮浸し
- 洋食:ごはん、白身魚のフライ、ニンジングラッセ、トマトのサラダ
- 中華:ごはん、餃子、もやし炒め、青菜の蒸し物
主食・主菜・副菜のバランスが整わないときは栄養補助食品を活用
献立の例をご紹介しましたが、仕事が忙しいなど状況によってバランスの取れた食事が摂れない日もありますね。そのような場合は、栄養補助食品を活用すると、手軽に栄養を摂ることができます。
栄養補助食品は、エネルギー源、タンパク源、ビタミン、ミネラルなど足りない栄養を補助する食品です。とはいえ、栄養補助食品ばかりを食べていれば健康になるわけではありません。毎日の食事を基本にして、足りない分を栄養補助食品で補いましょう。栄養補助食品を自宅にストックしておくと、バランスを整えたいときに活用できます。
「inバープロテイン ベイクチョコ」は、お菓子感覚でタンパク質やビタミンB群を摂れる栄養補助食品です。チョコレート風味のしっとりとしたケーキのような味わいで、食べ応えがあります。仕事の休憩中にも手軽に食べられます。
「inバープロテイン グラノーラ」は、グラノーラとドライフルーツをバータイプにしています。プロテインを配合しており、タンパク質を手軽にとることができます。ギュッと詰まっているので、1本食べると腹持ちがよい栄養補助食品です。
まとめ
主食・主菜・副菜がそろった献立は日本型食生活と呼ばれています。3品を意識すると自然に栄養バランスが整いやすいため、健康的な食生活のために取り入れてみませんか。
まずは、毎日の食事の把握から行い、不足しているものを補うようにすると継続しやすくなります。また、1食ごと完璧に揃えようとせず1日、2~3日など数日でバランスが整うことから意識してみましょう。