タンパク質は筋肉、臓器、血液など、ヒトの体を作る栄養素の一つです。食事からタンパク質を摂取するのが理想ですが、さまざまな理由で摂取が難しいことがあります。
そんなとき、間食や食事の補助として手軽に摂れるものの一つに、タンパク質を含む飲み物があります。本記事では、コンビニでも手に入りやすく、タンパク質を多く含む飲み物をご紹介します。
タンパク質は、さまざまな食品に含まれている栄養素です。例えば米やトウモロコシ、ブロッコリーやキャベツなどにもタンパク質は少量ですが含まれています。
食品のなかでは、肉、魚介類、卵、大豆や大豆製品、牛乳や乳製品にタンパク質は多く含まれ、飲み物では牛乳、ドリンクタイプのヨーグルト、豆乳などがあります。
食品から摂取したタンパク質は、消化酵素で分解されます。分解されたものがアミノ酸です。
体に吸収されたアミノ酸は、筋肉、皮膚、臓器、神経などでタンパク質に再合成され、そのほかにはホルモン、酵素などの構成成分となります。また、糖質や脂質などエネルギー源が不足すると、アミノ酸がエネルギーとして使われます。
アミノ酸として蓄えられる量には限度があり、過剰になると脂肪や筋肉のグリコーゲンに変わります。そのため、1度にタンパク質をたくさん摂取するのではなく、3回の食事や必要に応じて間食から適切な量を摂取したいものです。
厚生労働省が定めている「日本人の食事摂取基準(2015年版)」では、1日あたり18歳以上の男性は60g、女性は50gのタンパク質摂取を推奨量として定めています。
1回の食事から十分にタンパク質が摂取できない場合は、タンパク質を含む飲み物を取り入れてみましょう。仕事の合間に飲むコーヒーの代りに牛乳や豆乳にするなど、飲み物であれば手軽に置き換えることもできるのではないでしょうか。
また、スポーツを日常的に行っていると、エネルギー消費量が増加します。運動後のエネルギー補給に糖質とタンパク質を摂取することで筋タンパク質の合成が高まるという研究結果もあります。
【参考】リカバリーパワープロテイン | 商品情報 | ウイダー weider
https://www.weider-jp.com/products/recovery/
しかし、激しい運動のあとは食欲がなくなり、固形物を食べることが難しい場合もあります。運動後のエネルギー補給にタンパク質は必要ですが、食事からの摂取が難しい場合には、タンパク質を含む飲み物やプロテインはおすすめです。
小学校の給食では飲み物として牛乳が配膳されます。牛乳には、タンパク質、カルシウム、ビタミンDなどが含まれており、成長期に必要な栄養素が補える飲み物です。
日本人のカルシウム摂取量は不足している傾向にあるため、成長期だけでなく成人や高齢者もうまく牛乳を取り入れてみてはいかがでしょうか。
牛乳には脂質も多く含まれているので、食事の量によってはエネルギーの摂りすぎになることもあります。その場合は、低脂肪乳や無脂肪乳を活用してみましょう。
また、粉末のプロテインを活用している場合は、水だけでなく牛乳で溶かすこともあるかと思います。プロテインを溶かすときの水と牛乳の使い分けは、以下の記事を参考にしてください。
「プロテインは水よりも牛乳で飲むのが良い?水と牛乳を使い分けて」
ヒトの体のなかでカルシウムは、ほとんどが骨や歯に、残り1%は血液、筋肉、神経などに存在しています。
食品からのカルシウム吸収率は20~30%と高くはありません。そのため、カルシウムを含む食品を積極的に摂りましょう。
カルシウムは、牛乳や乳製品、野菜、豆類、魚介類などに多く含まれています。
牛乳はタンパク質を摂れるだけでなく、カルシウム不足が気になる場合にもおすすめしたい飲み物です。
牛乳や脱脂粉乳などを原料に、乳酸菌を加えて発酵させたヨーグルト。牛乳の栄養に加えて乳酸菌を摂取できる食品です。
ドリンクタイプのヨーグルトは、飲みやすくするために砂糖を加えて甘くしたものや、ブルーベリーやイチゴなどの味が付いており、おやつ感覚で飲みながら、手軽にタンパク質を補給できます。
一方で、体重の増加を気にしている場合は、摂取エネルギーが増えてしまう原因にもなります。ドリンクタイプのヨーグルトに記載された栄養表示を確認して、うまく取り入れると良いでしょう。
乳酸菌とは、糖を分解して乳酸を作る細菌の総称です。ヒトや動物の腸に生息して、腸内の環境を整えるほか、腸の動きを助けるなどの働きをしています。
腸内だけでなく自然界にも存在し、古くから乳酸菌は活用されてきました。ヨーグルト、チーズ、漬物、みそなどの発酵食品は、乳酸菌によって風味が変化した食品です。
乳酸菌はたくさんの種類があります。ドリンクタイプのヨーグルトも、使われている乳酸菌はさまざまです。
豆乳は、大豆を原料にしたしぼり液です。
乾燥大豆を水に浸け、十分に吸水したらミキサーに掛けます。ドロドロの状態になった大豆と水を鍋に入れて火に掛け、布巾で大豆の皮などを取り除いたしぼり液が豆乳です。豆乳ににがりを加えて固めると、豆腐になります。
豆乳は牛乳と比べると、含まれているカルシウムは少なく、鉄が含まれていることが特徴です。豆乳の栄養素については、以下の記事を参考にしてください。
豆乳は、豆乳、調整豆乳、豆乳飲料の3種類に分類されます。
豆乳は、パッケージに無調整豆乳と書かれている製品です。大豆のしぼり液を加工していないので、にがりを加えると豆腐ができ、加熱すると湯葉を作ることができます。大豆の風味をそのまま味わえるのが無調整豆乳です。
調整豆乳は、無調整豆乳を飲みやすくするために砂糖などを加えている豆乳です。大豆のクセが抑えられています。
豆乳飲料は、さまざまな味を付けた飲み物で、調整豆乳よりもさらに飲みやすく加工された飲み物です。
牛乳、ドリンクタイプのヨーグルト、豆乳のほかに、プロテイン入りのドリンクやゼリー飲料からもタンパク質を摂ることができます。粉末状のプロテインとは違って水や牛乳に溶かす手間がないため、手軽に飲むことができます。
ピーチ味で飲みやすい「inドリンク プロテイン」は、水分補給をするようにプロテインを摂取できます。運動の合間にも飲みやすいタイプです。
inドリンク プロテイン PET
ゼリータイプの「inゼリー プロテイン」は、脂質0gで、カルシウム、ビタミンB群なども含まれています。食事の時間が取れないときなどの栄養補給にも活用できる商品です。
inゼリー プロテイン
タンパク質を含む飲み物は、仕事の休憩時間や運動の合間にも摂りやすいですね。
紙パックやペットボトルなど容器に入っているものを選べば、食器を洗う必要もありません。水分補給も同時にできて手軽です。しかし、手軽さゆえに、エネルギーやタンパク質を必要以上に摂ってしまう可能性もあるため、食事とのバランスを考えて、飲み物を取り入れましょう。
タンパク質を含む飲み物には、飲みやすいよう、甘みを添加しているものもあります。
加糖タイプの飲み物を飲みすぎると、エネルギー量がオーバーしてしまう可能性があるので注意しましょう。飲み物のエネルギーやタンパク質量は、容器に記載されている栄養表示で確認できます。
牛乳、ドリンクタイプのヨーグルト、豆乳、栄養補助食品は、タンパク質だけでなく脂質、ビタミン、ミネラルなどを摂ることができます。1種類だけを飲み続けるのではなく、さまざまな種類の飲み物を取り入れると、幅広い栄養を摂ることができますよ。
タンパク質を含む飲み物は、コンビニなどで手に入ります。食事から摂取するタンパク質が足りない場合に、タンパク質を含む飲み物をプラスしてみましょう。
手軽に摂取できる飲み物は、時間がないときにも重宝します。飲み物を選ぶときには、含まれている栄養も考えて取り入れるのがおすすめです。