タンパク質は主菜となる肉・魚・卵・大豆製品などだけでなく、主食となるごはん・パン・麺、副菜となる野菜・きのこなどほとんどの食材に含まれています。
では、どの食材からタンパク質を摂取しても、身体にとっては同じなのでしょうか。
今回は、より身体に良い、良質なタンパク質について解説し、それらを含む食材から活用メニューまで紹介します。
このコラムで言う「良質なタンパク質」とは、”必須アミノ酸(体内で作り出すことのできない9種類のアミノ酸)がバランス良く含まれたタンパク質”のことです。
体内で作り出すことのできない必須アミノ酸は、摂取するバランスがとれていないと、利用効率が下がるため、”量”だけでなく”種類”も重要な指標となります。
必須アミノ酸がバランス良く含まれた良質なタンパク質であるかどうかは、”アミノ酸スコア”でわかります。アミノ酸スコアとは、食べ物に含まれるタンパク質の量と必須アミノ酸がバランス良く含まれているかを数字で表したものです。
種類と量がバランスよくすべて含まれていれば100、必要量に達していないアミノ酸が1種類でもあれば、その量に応じてスコアは低くなります。
詳しくは「アミノ酸スコアとは?計算方法、主な食品のアミノ酸スコア例を紹介」を参考にしてください。
良質なタンパク質を含む食材とは、アミノ酸スコアが100またはそれに近いものと考えられます。
アミノ酸スコアが低い食材ばかりでタンパク質を補おうとすると、アミノ酸の種類や量の不足を招く恐れがあります。
健康的な身体を維持するためにも、良質なタンパク質を含む食材は一食につき1~2種類は摂取するように心がけましょう。
・牛・豚の赤身
・ラム肉
・まぐろ赤身
・かつお
・たまご
減量中は鶏ささみや豆腐など、高タンパク質・低エネルギーな食材を活用するのも良いですが、これらの食材に限定してしまうと、減量中に陥りやすい貧血を招くリスクも考えられます。
減量中は、血液のもととなる鉄分の豊富な赤身の肉や魚を上手に活用していきましょう。
・豚肩ロース
・鶏モモ肉
・あじ
・さば
・納豆
・乳製品
青魚は良質な油(魚油)を含んでおり、健康のためにも良いと考えられるタンパク質源です。
また、納豆やヨーグルトなどの発酵食品は良質なタンパク質だけでなく、腸の働きにも良いと考えられるため、日常の食生活に取り入れていきたい食材でもあります。
・牛・豚のもも肉
・鶏むね肉
・さけ
・ぶり
・ツナ缶
トレーニング期はタンパク質摂取量を増やしたいため、100gあたりに良質なタンパク質を多く含む食材を選びましょう。脂質量をコントロールしたい時は、豚もも肉・鶏むね肉(皮なし)・ツナ缶(水煮)を選んで調整しましょう。
食材(2人分)
かつおのたたき 180g
ミニトマト 6個
ブロッコリースプラウト 1/2~1パック
玉ねぎ 1/4個
オリーブオイル 大さじ1.5
昆布だし 少々
レモン果汁 大さじ1
塩 お好みで
作り方
1.かつおのたたきを薄切りにし、塩を少々ふる
2.ミニトマトは半分に切り、玉ねぎをみじん切りにして水にさらす
3.ボウルにオリーブオイル、昆布だし、レモン果汁、②を入れてよく混ぜる
4.かつおを皿に並べ、ブロッコリースプラウトをのせ、③を全体にふりかける
(お好みで塩をふる)
コメント
・かつおはタンパク質と鉄分を同時に補えます。
・春に出回る初鰹は脂質が少なくあっさりと食べられます。秋の戻り鰹は脂がのっているのが特徴です。
<豚肉のソテー ヨーグルトソースがけ>
食材(2人分)
豚肩ロース(厚切り) 2枚
塩・胡椒 少々
オリーブオイル 大さじ1
ヨーグルト 大さじ3
にんにくチューブ 2cm
レモン果汁 少々
粒マスタード 小さじ1
あらびき胡椒 お好みで
付け合わせ サラダ用カット野菜
作り方
1.豚肉は筋切りし(脂身と肉の境目を切る)、塩・胡椒を両面にふる
2.フライパンにオリーブオイルをいれ、豚肉を両面焼く(片面2~3分)
3.ヨーグルトから粒マスタードまでを混ぜ合わせてソースをつくる
4.器に②とサラダ用カット野菜を盛り、ヨーグルトソースをかける
(お好みで豚肉にあらびき胡椒をふる)
コメント
・豚肩ロース肉の油をさっぱりと食べるために、ヨーグルトソースで仕上げました。
・レシピなどでマヨネーズを使う時、ヨーグルトで代用するとエネルギーが抑えられ、ヨーグルトの酸味でさっぱりとした味付けになるのでおすすめです。
<鮭の煮びたし>
食材(2人分)
甘塩鮭 2切
小松菜 160g
人参 1/3本
だし汁 300ml
醤油 大さじ1
酒 大さじ1
かつお節 お好みで
作り方
1.鮭を3~4等分に斜めにそぐように切り、フライパンで皮目から焼く(両面約6分)
2.小松菜をさっとゆで、水分を絞って4cmの長さに切る
3.人参は4cmの千切りにし、さっとゆでる
4.鍋にだし汁、醤油、酒を入れ火にかけ、フツフツと沸いたら鮭、小松菜、人参をいれてさっと煮る
5.器に盛り、お好みでかつお節をかける
コメント
・鮭は魚の中でもタンパク質を豊富に含むため、タンパク質をしっかりと補いたい時に重宝する食材です。
・煮びたしにすることで野菜の摂取量もカバーできます。舞茸やしめじなどを入れても美味しいです。
ごはんや野菜などでは、必要とするアミノ酸を量、質ともに効率よく補うことは難しいですが、良質なタンパク質を含む食材を一緒に食べることで、調えることができます。
日常的に使う食品に偏りがでないように意識して、たくさんの食材からタンパク質を上手に取り入れていきましょう。
もし食事からタンパク質の摂取が難しい場合は、栄養補助食品を活用するのもひとつの手です。
1杯分あたり15gのタンパク質を摂取できるプロテインパウダーです。
鮭1切れ分(70g)のタンパク質量が15.6gですから、メインのおかずを食べるようにタンパク質を補給できます。
マッスルフィットプロテインには牛乳由来のホエイとカゼインを配合し、吸収スピードの時間差によって、理想のカラダづくりをサポート。運動習慣のある人に役立つ、カルシウム、鉄も配合されています。
マッスルフィットと同じくらいのタンパク質15gを摂取できるプロテインバーです。
1本あたりのエネルギーは209kcal。タンパク質の代謝に役立つビタミンB群も配合されています。
補食としての活用や、主菜をそろえられないときなど、タンパク質が不足した食事をサポートしてくれる栄養補助食品です。お菓子のような感覚でタンパク質を摂取することができます。甘さ控えめのビターな味わいで、甘いものが苦手な人でも食べることができますよ。
食事を軽めにしか食べられなかったときや、運動前の栄養補給など、タンパク質を積極的に補給したいシーンで、エネルギー摂取過剰に注意しながら、補食として上手に活用してみてください。