ご飯のタンパク質量について解説。お茶碗一杯でどれくらいの量が摂取できるのか。
日本では、和・洋・中・エスニックなどバラエティー豊かなメニューが食卓に並びますが、主食にはご飯を食べる機会も多いと思います。ご飯は主にエネルギー源になる一方で、タンパク質も含まれている食べ物です。
本記事では、ご飯のタンパク質量や他の栄養素、ご飯と合わせるメニューの組み立て方を解説します。
※記事内でご紹介している森永製菓の製品の栄養成分は、2023年8月17日時点のものとなります。
ご飯の栄養成分
ご飯を食べる量は個人差があり、メニューによってもご飯の量は変動します。一般的な茶碗一杯のご飯の量は約150gだといわれています。茶碗一杯の量を基準にして、ご飯に含まれている栄養素についてご紹介します。
メインは炭水化物1)2)
カラダを動かすにはエネルギーが必要です。ご飯は、エネルギー源になる炭水化物を多く含んでいます。ご飯(白米)150gのエネルギーは234kcal、炭水化物は55.7gです。炭水化物のうち食物繊維は0.5g(プロスキー変法の数値を使用)含まれています。
白米の食物繊維量を見ると、少ないと感じる方もいるかもしれません。食物繊維は、将来的な疾病の予防においての役割が期待されています。野菜や海藻類、きのこなどからだけでなく、主食からも食物繊維を摂取したい場合は、玄米や雑穀米などを活用するのも一つの方法です。
タンパク質は補足効果を期待1)
ご飯150g中に含まれているタンパク質量は3.8gです。肉や魚、卵などのタンパク質を多く含む食品と比較すると、ご飯に含まれているタンパク質は多くはありません。しかし、1食150gを1日3食で450gのご飯を食べると仮定すると、タンパク質は11.4gとれるため、タンパク質摂取に関わることがわかります。
一方で、食事がおにぎりのみになるなど、ご飯に偏った食事が続くとタンパク質が不足する可能性があります。さらに、ご飯のタンパク質のアミノ酸組成は、必須アミノ酸(不可欠アミノ酸)のリシン(リジン)が少ないため、他の食材で補う必要があります。
ご飯に不足しているリシンは、動物性タンパク質や大豆・大豆製品に多く含まれています。ご飯には、肉、魚、卵などに加え、納豆や豆腐、煮豆をおかずに選ぶこともおすすめです。
その他の栄養素1)
炭水化物やタンパク質のほかに、ご飯にはカルシウムや鉄、ビタミンB群などが含まれていますが、これらは突出して多く含まれてはいません。主食からビタミンやミネラルを摂取したい場合は、食物繊維を補う場合と同様に玄米や雑穀米を活用する方法があります。
また、ご飯150gの脂質量は0.5gであり、食パン6枚切り1枚と比較すると1/5量です。体重コントロール期間など、脂質摂取量が気になる場合の主食の選択肢になるのではないでしょうか。
一食に必要なご飯の量2)
おかずの味付けによっては、ついついご飯をおかわりしてしまうかもしれません。一食あたりのご飯の適量はどのくらいなのでしょうか。日本人の食事摂取基準(2020年版)に、エネルギー産生栄養素バランスとして炭水化物が示されており、その摂取目安量をもとに、1日のご飯の量について検討します。
エネルギー産生栄養素とは、タンパク質、脂質、炭水化物のエネルギー源となる栄養素です。食事の栄養バランスが健康的なカラダづくりに深く関わっており、バランスが崩れることでやせや肥満などにつながる可能性があります。
日本人の食事摂取基準(2020年版)に示されているエネルギー産生栄養素バランスは、1~49歳までの男女でタンパク質 13-20%、脂質 20-30%、炭水化物 50-65%です。50歳以上ではサルコペニアやフレイルの予防を考慮し、タンパク質の割合が多くなります。
エネルギー産生栄養素について詳しくは、こちらのコラムページを参照してください。
https://www.morinaga.co.jp/protein/columns/detail/?id=119&category=health
では、エネルギー産生栄養素バランスから、一食のご飯の量を考えてみましょう。例えば一日2000kcalが必要な方の場合、炭水化物の比率を60%と設定すると1200kcal分となります。
炭水化物はご飯、パン、麺類などの主食以外に、砂糖やみりんなどの調味料や、果物、いも類、とうもろこし、かぼちゃなどにも多く含まれています。調味料と果物から一日120kcalほど摂取すると仮定した場合、残りの炭水化物は1080kcalとなり、一食あたりの炭水化物は360kcalとなります。これをご飯から摂取すると約220gです。おかずにいも類やかぼちゃなどが使われている場合や、果物の摂取量が多めな場合は、ご飯量を調整してもよいと思います。
以上のように、カラダに必要なエネルギーによって、一食あたりのご飯量は異なります。炭水化物以外にも必要な栄養素を踏まえて食事メニューを考慮しながら、ご飯量を調整してみてはいかがでしょうか。
メニューの組み立て方
栄養バランスの整った食事にするには、ご飯にどのようなメニューを組み合わせたら良いのでしょうか。メニューの組み立て方のポイントを解説します。
定食編
栄養バランスの整った食事としてイメージしやすいのが定食ではないでしょうか。メインのおかずである主菜からタンパク質と脂質、小鉢料理の副菜や汁物に含まれる野菜や海藻類などからビタミンやミネラルを補えます。また、副菜や汁物にも、炭水化物やタンパク質の多い食材が使われることがあります。
例えば、副菜や汁物に煮豆や豆腐、ハムやちくわなどをふんだんに使った料理を選ぶとタンパク質量が増え、いも類やかぼちゃ、とうもろこしなどが使われると炭水化物が増えます。その分、野菜などの摂取量が減る可能性があるかもしれません。その場合は、栄養バランスを考慮して、副菜や汁物を選択しましょう。
どんぶり編
一般的な丼のご飯の量は少なくとも200g以上あることが多く、250g程度盛り付けられていることもあるかもしれません。一日の摂取エネルギーが2000kcal以下の人や減量を試みている人は、ご飯を少なめで盛り付けるか、ほかの食事を調整するのも方法の一つです。
牛丼、親子丼、海鮮丼などのように、タンパク質を補える丼には、付け合わせに野菜がメインの副菜を組み合わせてみてはいかがでしょうか。また、野菜も摂取できる丼には、中華丼があります。
中華・洋食編
中華料理や洋食で気をつけたいのは脂質量です。中華料理は食材の下処理として油通し(食材を素揚げする)をしている場合が多く、洋食はバターや生クリームなど脂質の多い食材を使うことが多いです。
メイン料理を中華料理にする場合は、主食に脂質の少ないご飯を選び、ご飯の量を少し減らしてみると摂取エネルギーをコントロールしやすいのではないでしょうか。
洋食にも脂質の少ないご飯を組み合わせることがおすすめです。パンを選ぶのであれば比較的脂質の少ないフランスパンやミネラルが豊富なライ麦パンを選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。
おにぎり編
おにぎりのみを食べる時には、ご飯だけでは不足しがちなアミノ酸のリシンを、上手く摂り入れられる具を選んでみてはいかがでしょうか。
良質なタンパク質である鮭、ツナ、納豆を使ったおにぎりは、リシンを補えます。スパムや鶏肉、卵なども、ご飯のタンパク質を補う具としておすすめです。
タンパク質不足が気になる日はプロテインもおすすめ
ご飯に組み合わせるメニュー選びが上手くいくと、栄養バランスが整いやすくなります。しかし、調理する時間がないときや、食事を抜いてしまうときもあるかもしれません。カラダに必要な栄養素がどうしても不足してしまう場合は、栄養補助食品を活用する方法もあります。森永製菓が取り扱うプロテインからおすすめの製品をご紹介します。
20gのタンパク質を配合「マッスルフィットプロテイン」
食事がおにぎりのみになった日など、タンパク質不足が気になる食事をサポートします。味は森永ココア味、バニラ味、森永ラムネ味、森永ミルクキャラメル味の4種類です。1食あたりのタンパク質20gほか、代謝に関わるビタミンB群、丈夫なカラダにつながるカルシウムや鉄も配合されています。
植物性タンパク質の「プロテイン効果」
動物性タンパク質ではなく、植物性タンパク質からタンパク質を摂取したい方に活用しやすいと思います。味は森永ココア味、ソイミルク味の2種類です。1食あたりのタンパク質15gのほか、ビタミンB群、美容を気にかける方が意識するビタミンC、鉄も摂取できます。
丈夫なカラダづくりに「ジュニアプロテイン」
成長期の丈夫なカラダづくりをサポートする、カルシウム、ビタミンDを配合しています。味は、冷たくしてもホットでも飲みやすいココア味です。1食あたりのタンパク質8gであり、ビタミンB群も摂取できます。