豆乳の栄養素(タンパク質・カルシウム等)について解説!牛乳と豆乳の違いも紹介
豆乳の消費者市場は2008年から2016年の8年で約2倍に拡大していることをご存知ですか?
健康志向から、ヘルシーとも言える豆乳を利用している方も多いのではないでしょうか。
では、食生活に豆乳をプラスするとどんなメリットがあるのでしょうか。
今回は、豆乳の栄養について解説し、栄養素から導く豆乳の活用法をご紹介します。
豆乳の栄養素
豆乳は大豆が原料であり、豆腐に固める前の乳液の状態のものをいいます。大豆をすりつぶして液体を絞り、汁と“かす”に分けます。汁が豆乳で、かすはおからです。
そのため、豆乳には食物繊維はほとんど含まれませんが、吸収されやすい状態になっていると考えられます。
それではどのような栄養素が含まれているのか、具体的に見ていきましょう。
大豆タンパク質
最初に注目すべきはやはり植物性の大豆タンパク質です。
大豆には植物性タンパク質が30%程度含まれており、そのほとんどが水溶性のため、豆乳に残っています。
吸収率が高く、吸収速度が牛乳タンパク質に比べて遅いのが特徴です。
吸収速度が緩やかな利点としては、結果的に満腹感につなげることができるため減量中の強い味方になってくれます。
イソフラボン
女性ホルモンの代表であるエストロゲンに似た構造をしていることで注目されています。加齢に伴い減少する女性ホルモンの代替ホルモンとして、骨の健康維持にも期待されています。
豆乳の種類
このように栄養素を豊富に含む豆乳を食生活に取り入れたいと思っても、スーパーやコンビニなどで目にする豆乳にはいくつか種類があり、どれを購入すればよいか迷う人も多いはずです。豆乳の種類を知って、自分に合ったものを選びましょう。
豆乳は無調整豆乳、調整豆乳、豆乳飲料の3つに分類されます。
無調整豆乳
豆乳に水以外のものを加えていない、大豆固形分が8%以上(大豆タンパク質換算3.8%以上)のものです。
調製豆乳
豆乳に砂糖、塩、油脂、香料などを加えて飲みやすくし、大豆固形分が6%以上(大豆タンパク質換算3.0%以上)のものです。
豆乳飲料
調整豆乳に果汁やコーヒーなどを加えた飲料で、果汁入りとその他に分けられます。
果汁入りは大豆固形分2%以上(大豆タンパク質換算0.9%以上)、その他は大豆固形分4%以上(大豆タンパク質換算1.8%以上)です。
注目したいのはやはり大豆固形分です。減量中など高タンパク質、低脂質、低エネルギーとするために利用したい場合は無調整豆乳がおすすめです。
調整豆乳や豆乳飲料は砂糖や果汁が入っている分、飲みやすくなります。
しかし、エネルギーや糖質は高くなります。商品によって様々ですが無調整豆乳と比較すると、目安ではエネルギー量は調整豆乳が1.4倍、豆乳飲料は1.1倍に、糖質は調整豆乳が1.9倍、豆乳飲料は4.3倍になります。
トレーニング直後など糖質を同時に補いたい場合は調整豆乳や豆乳飲料を選ぶなど、目的と飲用シーンに応じてうまく使い分けると良いでしょう。
牛乳との違い
タンパク質が補える飲み物といえば牛乳ですが、牛乳と豆乳の栄養素の違いが気になる方も多いのではないでしょうか。
エネルギーと注目したい栄養素を表にまとめました。
豆乳は牛乳より低エネルギー、低脂質、低糖質で、コレステロールを含みません。
タンパク質は量よりも植物性である豆乳、動物性である牛乳という点が大きな違いです。前述したように、吸収速度に違いが現れると考えられています。
豆乳は貧血に関わる鉄や銅を多く含むことがわかります。
しかしこの鉄は非ヘム鉄であるため、吸収を良くするためにビタミンCを同時に補うことが大切です。そのビタミンCは豆乳にも含まれません。
骨の健康などに関わるカルシウムは牛乳のほうがやはり多く含有しています。
豆乳と牛乳の成分の違いを知り、それぞれのメリットを活かして摂取していきましょう。
豆乳の活用法
それでは最後に栄養素から導く豆乳の活用法を紹介します。
厚生労働省は大豆・豆類は1日に100g摂ることを目標にしています。
豆乳は加熱をしても味や栄養価にほとんど変わりはありません。そのまま飲むだけでもいいですが、下ごしらえの必要がありませんので、料理に使ってみましょう。
植物性タンパク質の性質を活かす
吸収速度が緩やかな植物性タンパク質の特徴を活かして、間食を作りましょう。
白玉粉に水を加えるのではなく豆乳を加えて白玉団子を作ると、タンパク質も同時に補える間食が出来上がります。
凍らせた豆乳とバナナをミキサーにかけるだけでバナナシェイクも簡単に作れます。流行りのタピオカドリンクは、豆乳にプロテインパウダーをプラスしてタピオカを加えれば、トレーニング中にも最適なドリンクに早変わりします。
■おいしい大豆プロテイン
大豆特有の香りや苦みがほとんどなく、軽くシェイクするだけで完全に溶けきるので、とても飲みやすい商品です。
1回分でタンパク質が10gに加え、カルシウム、ビタミンD、ビタミンB群が摂取できるので、朝食が偏っている場合におすすめです。
■inバー プロテイン グラノーラ
脂質が気になる方や、自然食品など植物性タンパク質にこだわりたい方におすすめ。
低エネルギーを活かす
牛乳の代わりに豆乳をつかってエネルギー量を抑えたメニューにしましょう。
グラタンやシチュー、クリームスパゲティは牛乳や生クリームを使いますが、豆乳に替えることで、あっさりとした風味に仕上がります。
鉄分補給を期待する
ビタミンCをプラスして豆乳の鉄分を無駄にしない料理を作りましょう。
ビタミンCは水溶性ビタミンのため、スープなどで水分までしっかりと補えるメニューがおすすめです。具材は蒸すまたはレンジで柔らかくすることで時短にもなり、ビタミンCを逃しません。
豆乳スープに合うビタミンCが豊富な食材は、小松菜、ブロッコリー、ジャガイモです。また豆乳鍋にレモンの輪切りを加えるとよりさっぱりと食べられます。
豆乳は加熱するとタンパク質の凝固によりボソボソと分離しやすいため、料理に利用するときのポイントを押さえておきましょう。
①煮立たせない:豆乳スープなどの具は先に下茹でしておくか、レンジでやわらかくしておきましょう。
②とろみをつける:煮込みなどに利用するときは食材に下味をつける際、小麦粉などをまぶしておくとよいでしょう。
③調整豆乳を利用する:砂糖などが添加されているため分離しづらいです。しかし、味がついているので、味見をしながら他の調味料をプラスしましょう。
豆乳のメリットを活用して、手軽にタンパク質を補給してみましょう。
参考
豆乳がおいしくしてくれる毎日のレシピ 堤人美 文化出版局 2016
食べる豆乳 きれい&元気になるレシピ 林幸子 主婦と生活社 2007
日本豆乳協会HP http://tounyu.jp/index.html